【サンクコスト】損切りできない心理を克服する方法

心得

投資を始めた多くの人が直面するのが、損切りができないという壁です。

買った個別株や投資信託が下落しても、ここまでお金を投じたんだから、いつか戻るはずだと考えてしまい、合理的な判断を後回しにしてしまう。

実はこの心理には名前があり、サンクコスト効果(Sunk Cost Fallacy)と呼ばれます。

すでに支払ったコストに縛られ、未来の損益ではなく過去の損失にとらわれてしまう典型的な心理バイアスです。

資産形成において、サンクコスト効果を理解し克服することは極めて重要です。

本記事では、投資家がなぜ損切りできないのか、その心理的背景とリスク、そして合理的に判断するための具体的な方法を徹底解説します。

サンクコスト効果とは?

サンクコスト効果とは、すでに支払ってしまい回収できないコストに執着し、その後の判断を誤ってしまう心理的な傾向を指します。

日本語では埋没費用効果とも呼ばれ、経済学や心理学で広く知られる概念です。

本来であれば、過去に投じたお金や時間は未来の意思決定には関係ありません。

しかし人間は、せっかくここまでやったのだから、もったいないと考え、合理的な判断ができなくなるのです。

日常生活にも例は多くあります。

つまらない映画をチケット代が無駄になるからと最後まで見たり、食べ放題でお腹いっぱいでも元を取るために食べ続けたりする行動は、典型的なサンクコスト効果の表れです。

過去のコストに縛られるあまり、本来の目的である楽しむことや健康を保つことから外れてしまいます。

投資の世界では、特に損切りができないという形で現れます。

株価が大きく下がっても、ここで売ったら損になると考え塩漬けにしてしまう。

その結果、さらに損失を拡大したり、本来投資すべきチャンスを逃したりします。

冷静に考えれば、未来の期待リターンがプラスでなければ資産を保有する意味はありません。

過去にいくら払ったかではなく、これから利益を得られるかで判断すべきなのです。

サンクコスト効果を理解することは、資産形成の成功に欠かせません。

投資家が陥りやすい心理バイアスを知ることで、非合理な意思決定を避け、より合理的で長期的な資産形成戦略を取ることが可能になります。

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投資におけるサンクコスト効果

本来、投資判断は未来の期待リターンだけを基準にすべきですが、多くの投資家は、ここまでお金を投じたのだから、損を確定したくないという心理に縛られます。

その結果、下落している株式や投資信託を塩漬けにし、資産を効率的に運用する機会を逃してしまうのです。

例えば、100万円で購入した株が70万円に下落したとします。

本来であれば、これから上昇する可能性があるか、他の投資先の方が期待リターンが高いかという未来志向の判断が必要です。

しかし多くの投資家は、売れば30万円の損失が確定すると考え、合理性よりも感情に流されてしまいます

結果として、さらに下落し、損失が拡大するケースは少なくありません。

また、投資信託や保険商品などでも購入時に支払った手数料が無駄になると考えて、期待リターンが低下しているにもかかわらず保有を続けるケースがよく見られます。

これはまさにサンクコスト効果による非合理な意思決定であり、本来ならこれから得られる利益の可能性を基準にすべきです。

資産形成において重要なのは、過去のコストを切り離して考える習慣です。

サンクコストにとらわれず、常に今その資産をゼロから買う価値があるかを問い直すことが、投資家にとって合理的な行動につながります。

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サンクコスト効果を克服する方法

サンクコスト効果は誰もが陥る心理的な落とし穴ですが、意識的に対策を取ることで克服することが可能です。

ただし、これらは新NISAを活用した積立投資や長期投資家には当てはまりません

あくまで短期目線で購入を検討する場合ですので勘違いしない様にしましょう。

投資において合理的な判断をするための具体的な方法を見ていきましょう。

事前にルールを決める

例えば、購入価格から10%下落したら売却するといった損切りラインを明確に設定しておけば、感情に流されるリスクを大幅に減らせます。

ルールは紙に書き出したり、投資アプリにアラートを設定するなど、行動に移しやすい形にしておくと効果的です。

未来志向の評価軸を持つ

資産を保有する理由を、購入時に払ったコストではなくこれから期待できるリターンに基づいて判断する習慣を身につけましょう。

今ゼロから買うとしたらこの銘柄に投資するか?と問いかけると、過去のコストから距離を置きやすくなります。

定期的なポートフォリオの見直し

3か月から半年に一度、すべての保有資産を新規投資案件と同じ目線で評価することで、惰性で持ち続けている銘柄を整理できます。

この際、他の投資先と比較してどちらが有利かを検討することが大切です。

小さな損切りを経験する

実際に損切りを実行し、その後資金をより良い投資に振り向けられたという成功体験を積むことで、心理的抵抗が和らぎます。

経験はあなたにとって何よりも代えがたい資産となります。

仕組みで感情を排除する

自動積立やインデックス投資など、感情に左右されにくい投資スタイルを取り入れることで、サンクコスト効果に振り回される機会を減らせます。

合理的な判断を続けるには、心理バイアスを理解したうえで、具体的な仕組みやルールを生活に組み込むことが不可欠です。

サンクコスト効果を克服することは、長期的な資産形成の安定と成功への大きな一歩となるでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?

今回は長期投資家に向けてと言うより、個別株や短期目線の投資家に向けた内容となっています。

サンクコスト効果は、投資家なら誰もが直面する心理的なバイアスです。

すでに投じたお金や時間を惜しむあまり、本来であれば冷静に行うべき投資判断を誤り、損失を拡大させてしまうことがあります。

しかし、資産形成の本質は過去ではなく未来にあります。

株価が下落しているとき、ここで売れば損だと考えるのではなく、これから利益を生む可能性があるかを基準に判断することが重要です。

過去のコストはすでに取り戻せませんが、未来のリターンはこれからの選択次第で変えられます。

つまり、投資家が向き合うべきは未来志向の合理的判断なのです。

投資はマラソンのように長期戦です。

途中での小さな損失は避けられませんが、その経験を学びに変えられるかどうかが最終的なリターンを左右します。

サンクコスト効果を克服できれば、損失を最小限に抑え、資金をより成長性の高い投資先に振り向けることが可能になります。

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