2025年4月、岸田前総理が会長を務める資産運用を推進する議員連盟が発表した「プラチナNISA」の概要が注目を集めています。
この新しい制度は、特に65歳以上の高齢者を対象とした少額投資非課税制度で、資産形成を支援することを目的としています。
今回は、この新制度の特徴と、それに伴う懸念点について詳しく解説します。
プラチナNISAの概要
プラチナNISAは、今後導入が検討されている新しい税制優遇制度で、主に65歳以上の高齢者を対象に資産形成を支援することを目的としています。
この制度では、毎月分配型の投資信託などが投資対象となり、運用益を毎月分配金として受け取ることができ、生活資金として活用できることが期待されています。
高齢者が老後の生活資金を補完するための手段として、公的年金以外の分配金等で安定した収入源を確保することなどが狙いのようです。
プラチナNISAの最大の特徴は、少額投資非課税制度であることです。
これにより、投資による利益に税金がかからず、効率的に資産を増やすことが可能です。
また、投資信託はリスクを分散できるため、初心者でも安心して利用できるというメリットもあります。
しかし、毎月分配型の投資信託には元本が減少するリスクや、手数料が高くなる場合があるため、注意が必要です。
この制度は現時点で検討段階にあり、正式な導入時期や詳細な条件は今後発表される予定ですが、高齢者の資産形成を支援する重要な手段となる可能性があります。
プラチナNISAのメリット
プラチナNISAのメリットは、主に高齢者の資産形成を支援するために設計された新しい投資制度にあります。
まず、最大の魅力は税制優遇です。
プラチナNISAでは、投資による利益に対して現行の新NISAと同様に税金がかからないため、投資家は利益を最大限に享受できます。
特に、高齢者にとっては、資産運用を通じて得られる利益が非課税となることで、より効率的に資産を増やすことが可能です。
次に、新NISAのつみたて投資枠には無かった毎月分配型投資信託が投資対象となっている点が大きなメリットです。
これにより、投資家は運用益を毎月分配金として受け取ることができ、生活資金として活用することができます。
高齢者にとっては公的年金以外の収入源に乏しく、定期的な分配金を生活費の一部に充てることができるため、安心して資産運用を行うことができます。
加えて、プラチナNISAはリスク分散が可能な投資信託を選択できるため、投資初心者でも比較的安心して利用できます。
株式投資のようにリスクが高い商品に比べて、投資信託は複数の銘柄に分散投資されるため、リスクを抑えながら運用が可能です。
また、少額から投資可能であるため、高齢者でも無理なく資産運用を始めることができます。
これにより、少額からでもコツコツと資産を形成し、老後の生活を支える手段として利用することができます。
このように、プラチナNISAは高齢者の資産形成を支援し、安心して投資を行える環境を提供する制度として大きなメリットを持っています。
懸念点とリスク
プラチナNISAには多くのメリットがありますが、利用する際にはいくつかの懸念点やリスクも存在します。
まず、元本減少のリスクが挙げられます。
プラチナNISAの投資対象である毎月分配型投資信託は、基本的に分配金をファンドの純資産から支払う仕組みになっています。
このため、運用の良し悪しに関わらず分配金を受け取ることで純資産総額が減少し、ファンドの基準価額が下落します。
次の月までに好調な運用が出来て基準価額が元に戻ればよいですが、それが適わないと更に基準価額が下落（元本払い戻し金）し、最終的には何らかの理由でファンドを解約した際の資産が目減りしてる可能性があります。
ファンドの最終的なリターンは解約時の資産＋分配金総額で評価しますが、分配金を生活費等で取り崩していれば解約時の資産のみで評価する投資家が多く、元本が減少していると考える人が多数です。
特に、元本を切り崩して運用しているようなファンドは、純資産総額の減少から思ったような運用が出来ず、長期的に見て資産が減少するリスクを避けることができません。
次に、手数料の問題です。
毎月分配型投資信託は、販売手数料や信託報酬などのコストがかかることがあります。
特に、分配金がある場合、これらの手数料が高く設定されていることが多く、コストが運用効率を大きく低下させる可能性があります。
高い手数料が長期的な資産形成に悪影響を与えることもあるため、手数料の確認は重要です。
また、投資信託のリスクも考慮する必要があります。
投資信託は、株式や債券など複数の金融商品に分散投資されているものの、市場の変動により、価値が下がる可能性もあります。
特に、経済の不確実性が高まった場合には、運用成績が悪化し、分配金が減少することもあります。
投資信託には様々な種類があり、全ての投資信託が適切な運用を行っているわけではありません。
特に高齢者が不安を感じることなく投資を進めるためには、金融商品の選定には十分な注意が必要です。
以上のように、以前の記事でも注意喚起したようにプラチナNISAにはリスクや懸念点もあるため、慎重に検討し、時には専門家のアドバイスを受けることが重要です。
プラチナNISAの今後
プラチナNISAは、65歳以上の高齢者を対象とした新たな少額投資非課税制度として、2025年4月現在検討されている制度です。
現時点では、正式な導入時期や詳細な制度設計については発表されていませんが、高齢者の資産形成を支援するための新しい手段として注目を集めています。
今後、金融庁や関係機関から何らかの発表があることが期待されます。
まとめ
いかがでしたか？
新NISAに続き、貯蓄から投資への流れを加速させるような検討が与党内で繰り広げられています。
どんな制度もそうですが、正しく理解し、正しく活用する事であなたの生活は確実に変化します。
それが良い方向になるためにも、日々ホームワークを欠かさない様にしましょう。
