- 5日(水)米2月ISM非製造業景況感指数発表
- 6日(木)ユーロ圏ECB政策金利発表
- 7日(金)米2月雇用統計発表
これまでの動き
先週の米国株は、インフレ再燃とトランプ関税の影響で高成長株を中心に急落し、直近のサポートラインを割り込むほど軟調な展開となりました。
トランプ大統領がカナダ・メキシコに25%の関税を当初の予定である4月ではなく3月に発動する事に加え、鉄鋼・アルミニウム・木材等幅広い分野に関税をかけるとの発表に多くの投資家が動揺し株式市場は混乱しました。
トランプ政権の貿易政策に対する懸念から、株式市場は不安定な状況が続いています。
関税の導入時期が前倒しされるという決定は、市場にとって確実にネガティブ要因となります。
特に輸出産業や国際企業は今後の展開に不透明感を抱えており、これらの要因から投資家の間では様々なリスク要因に対する警戒感が高まっていると言う訳です。
同時に、関税発動は米国経済にとってインフレ要因となり、コストプッシュインフレによりインフレ沈静化が難しくなった今の実体経済に、より大きなダメージを与える可能性を秘めています。
現在の米国経済は、関税発動前の駆け込み需要の消化や最終消費者への価格転嫁により個人消費が落ち込んでおり、ここにきてのインフレ再燃は経済悪化によるリセッション入りを招きかねません。
早期にコストプッシュインフレの対策が必要ですが、DOGE(政府効率化省)の行動も政府支出の削減が最終的には民間の資金量を減らし購買意欲を下げる可能性もあり注意が必要です。
ただし、無駄を削減し正しい政策の実現に予算を充てるのは正しい判断のため、今後も匙加減が重要になるでしょう。
これらの原因によって、Nvidia(ティッカーシンボル:NVDA)を始めとしたこれまで米国株を牽引してきた高成長株が軒並み急落し指数全体を押し下げました。
エヌビディアの決算は、以前の記事で取り上げた通り決算内容は良好であったものの、成長率の鈍化など投資家に若干の失望が生まれた部分もありました。
今はどんな情報も投資家にとってはネガティブ要因とされる総悲観に似た状況であるため、慣れていない投資家程狼狽売りから退場しています。
しかし、週後半にかけては、PCEデフレーターが予想通りの結果になった事でインフレ懸念が和らぎ、AI関連銘柄や半導体セクターなどが再び上昇する場面がありました。
これをブリッシュリバーサルの兆候だとする投資家もいるようですが、近日中にフォロースルーディが発生しばければ上昇トレンドに転換したとは言えず、まだ警戒する必要があるでしょう。
いずれにしろ、3月上旬の相場はこれまでの総悲観を払拭できるか確認する時期となります。
これからの投資戦略
今は慌てず冷静になりましょう。
トランプ大統領の関税発言は、大統領選の時から言われてきており今更驚く事ではありません。
その発表方法が突然すぎるため市場に動揺が走りますが、カナダ・メキシコ・中国への関税は当初から言われてきたままですのであまり過敏になることは無いでしょう。
高成長銘柄の急落も、決算内容や企業のストーリーそのものが毀損しているならまだしも、釣り上げられた株価が正常に戻っただけと考えるなら特に心配する必要はありません。
ただし、一時期のブームによって祭り上げられた銘柄は旬が過ぎると再起はほぼ不可能と考えても良いので早期の決断が必要です。
その様な事が分からないのであれば、おとなしくインデックスファンドを主体とした資産形成が一番です。
新NISA(少額投資非課税)が知名度も高まったところで2年目に突入し、新たに参入してきた投資初心者にとっては辛い時期かもしれません。
また、去年損切りして退場した投資初心者が再び挑戦し、また早期に退場した話も少なくありません。
積立投資などの長期投資は、間違いではないインデックスファンドを選びさえすればあとは放置するのが得策ですが、放置するのは運用経過でありホームワークまで放置して良いという訳ではありません。
投資は実行してからがホームワークの始まりであり、株や投資信託を購入したら終わりではありません。
ほったらかし投資とよく言いますが、教える側も教わる側もその意味を誤解しているため、早期に損切りして退場する投資初心者が後を絶たないのでしょう。
長期投資家に大事なのはマインドですので、あなたの投資目的にあった情報を正しく理解しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
激動の2月が終わり、3月こそは元の平穏な市場に戻る事が期待されています。
短期的な値動きに一喜一憂せず、冷静に市場を観察しましょう。
インデックスファンドや長期投資は安定した選択肢と言えます。
市場の動向を注意深く見守り、自身の投資目的に合ったアプローチを取りましょう。