【決定版】高配当株 vs インデックス投資、どっちが長期的に儲かる?

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高配当株とインデックス投資、どちらが長期的に儲かるのか?

投資初心者からベテランまで、この議論はいつの時代も尽きません。

「配当をもらえる安心感で高配当株を選びたい」

「いや、分散で安定して増えるのはインデックス投資だ」

この様に、ネット上には両者の主張が溢れていますが、本当に長期的に得をするのはどちらなのか?

この記事では、

  • 高配当株が安定して見える本当の理由
  • インデックス投資がなぜ資産を伸ばし続けるのか
  • データから見る10年スパンでの実績比較

を、データを交えて徹底解説します。

安心を取るか、成長を取るか──

この記事を読み終えた頃、あなたの中で本当の安定の意味が変わるはずです。

高配当株投資とは?安心感の正体を冷静に分析

高配当株投資とは、株価の上昇益(キャピタルゲイン)ではなく、定期的な配当金(インカムゲイン)を目的とした投資手法です。

銀行預金の金利がほとんど期待できない時代に、年3〜5%の配当を得られる銘柄は安定して稼げる投資先として人気を集めています。

特に通信・電力・銀行・商社といった成熟企業が多く、株価の値動きが小さいことからリスクが低いと誤解されがちです。

しかし、その安心感の正体を冷静に見つめると、必ずしもリスクが小さいとは言えません。

配当が高いということは、企業が新たな成長投資よりも株主還元を優先していることを意味します。

裏を返せば、成長の余地が乏しい成熟企業である可能性が高い。

配当を出さないと投資家に見向きもされない、それが高配当の背景です。

また、配当は企業の利益から支払われるため、業績悪化時には減配リスクが常につきまといます。

株価が下がって配当利回りが見かけ上高くなっているケースも少なくありません。

つまり、安定して配当をもらえるという印象は、あくまで過去の実績に基づく心理的な安心に過ぎないのです。

本質的には、高配当株は下落に耐える麻酔であり、成長力の代償として配当を受け取る投資です。

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高配当株が安定しているように見える3つの誤解

SNSでも、有名素人インフルエンサー等が高配当株=安定していると言い続けています。

確かに、毎年一定の配当金が入ると心理的な安心感が得られます。

しかしその安定感の多くは、誤解に基づく錯覚に過ぎません。

ここでは、投資家が陥りやすい3つの誤解を整理します。

❌誤解①:配当がある=リスクが低い

配当があるからといって、企業の経営リスクが低いわけではありません。

むしろ、株価が低迷しているから利回りが高く見えているケースもあります。

配当利回りが高いのは人気がない=株価が安いという結果であり、企業の業績が悪化している可能性すらあるのです。

安定どころか、リスクが高まっているサインの場合もあります。

❌誤解②:成熟企業=安全

通信・電力・銀行・商社など、高配当銘柄は成熟企業が多いものの、成熟=安定ではありません。

新たな成長領域が見つからないために配当で株主をつなぎ止めているケースが多く、成長の停滞=株価上昇余地の乏しさにつながります。

つまり、安定しているように見えるが将来的なリターンは限定的なのです。

❌誤解③:連続増配=経営が盤石

連続増配銘柄という言葉は魅力的に聞こえますが、企業によっては無理をして配当を維持している場合もあります。

業績が伸びていないのに増配を続ければ、財務体質が悪化し、減配や株価下落のリスクが高まります。

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インデックス投資が長期で強い理由

結論から言えば、インデックス投資は仕組みそのものが長期的な成長に向いています。

個別株や高配当株と違い、インデックス投資は市場全体の成長を取り込むことを目的としており、特定の企業の成否に左右されないのが最大の強みです。

市場は長期的に右肩上がりだから

世界経済は短期的に景気の波がありますが、人の欲の体現である人口増加・技術革新・生産性向上に支えられて、長期的には成長し続けてきました。

S&P500や全世界株式(VT)などの主要インデックスは、数十年単位で見れば年平均5〜7%のリターンを維持しています。

つまり、時間を味方につけるだけで資産が自然と増える仕組みです。

分散投資で個別企業リスクを回避できる

高配当株は、たとえ財務が堅い企業でも、どんな大企業でも、不祥事・規制・競争激化で株価が下落するリスクを避けられません。

一方、インデックス投資は数百〜数千銘柄に自動分散されているため、1社が倒れても他の成長企業がカバーしてくれます。

特定の企業を選ばずに市場全体を持つことが、最も合理的なリスクヘッジなのです。

人間の感情を排除できる

投資で失敗する最大の原因は、暴落時のパニック売りです。

高配当株投資は決算内容や財務諸表の確認が必須で、結果的に株価を日々チェックしがちになるため感情的な判断に陥りやすい傾向があります。

一方、インデックス投資は毎月一定額を積み立てるだけの仕組み化された投資。

市場が荒れても、ルール通りに続けるだけで感情を排除でき、結果的に長期リターンを最大化します。

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実際のデータ比較(10年間・配当込み)

理論だけでなく、実際に10年間のリターン(配当込み)データを見てみると、インデックス投資と高配当株投資の違いが明確に浮かび上がります。

以下は代表的な指数・ETFの比較です。

投資対象年平均リターン(配当込み)最大下落率配当利回り
(平均)
特徴
S&P500(インデックス)約12.3%-33%(2020年)約1.6%成長株を含む市場平均
高配当株ETF(VYM)約11.1%-29%(2020年)約3.1%低ボラティリティ・高配当
日本株高配当ETF
(HDV類似)
約9.8%-27%(2020年)約3.5%為替影響・景気敏感株比率高め

※出典:S&P Dow Jones Indices, SCHDtools, 各ETF公式データ(2024年時点)

この表からわかる通り、高配当株は安定こそあるものの、成長面ではS&P500インデックスにやや劣る傾向があります。

これに加えて、配当金にはその都度20.315%の税金がかかります。

配当を再投資やそのまま使ってしまうと、複利の力が弱まるのが高配当株のデメリット。

一方、インデックス投資では配当を自動的に再投資してくれるため、何もせずに複利効果が最大化されます。

特に、配当利回りが高い=魅力的と感じる銘柄ほど、株価上昇余地が小さいケースも多く、配当を再投資しないとリターンはさらに低下します。

一方、インデックス投資は市場全体の成長を取り込むため、配当自動再投資+株価上昇のダブルのリターンを得られる点が長期では圧倒的な強みです。

個別株のように企業リスクを抱えず、時間を味方にできる──

それが長期で最も再現性の高い投資法と言われる理由です。

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結論:長期で儲かるのはインデックス投資

結論から言えば、長期的に最も効率よく資産を増やせるのはインデックス投資です。

上記の通り理由はシンプルで、インデックス投資は市場全体の成長=人類の経済成長に乗る仕組みだからです。

個別株や高配当株のように勝ち組企業を見極める必要がなく、世界経済が拡大し続ける限りその果実を自動的に享受できます。

一方、高配当株投資は心理的安定感が魅力ですが、配当という形で利益を取り崩すスタイルです。

企業が配当に回したお金は再投資されないため、長期では成長が鈍化しやすい傾向があります。

つまり、配当で安心を得る代わりに、複利の力を一部放棄しているとも言えます。

実際、過去10〜20年のデータでは、S&P500のインデックス投資が高配当株ETFを上回るリターンを記録しています。

特に、リーマンショックやコロナショックのような暴落局面後に大きくリバウンドするのは、成長株を多く含むインデックスの方です。

もちろん、安定して配当を受け取りたいという人にとって高配当株は有効な選択肢です。

しかし、増やす力という点ではインデックス投資が圧倒的に優位です。

配当を再投資し続ければ、長期的な資産の伸びは雪だるま式に膨らんでいきます。

つまり、目先の安心感ではなく、長期の富の最大化を目指すなら選ぶべきはインデックス投資。

それこそが、最もシンプルで再現性の高い勝ち方なのです。

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