- 23日(水)米4月製造業PMI発表
- 24日(木)米3月中古住宅販売件数発表
- 決算シーズンの本格化
これまでの動き
先週の米国株式市場は、トランプ関税の他にも複数の要因が影響し変動を見せました。
4月14日(月)市場は上昇し、特にトランプ大統領が相互関税からスマホ等に対する一部関税を一時的に免除する決定を発表したことが好感されました。
この決定は、貿易摩擦の緩和を期待させ、米国企業の業績改善につながる可能性があるとして投資家のリスクオン姿勢を促しました。
これにより、S&P 500は0.8%、ダウ平均は0.9%上昇しました。
しかし、翌日の4月15日(火)には、エヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)の対中輸出規制が報じられると、特に大手企業の収益性に対する懸念が広がり株価は下落しました。
エヌビディアを筆頭に、テクノロジー株などの成長株が特に売られ、全体的な市場ムードは弱含みとなりました。
さらに、4月16日(水)には、米国と中国の貿易摩擦が再燃し、貿易政策への懸念が市場を圧迫しました。
加えて、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が関税交渉の影響が予想以上なものになるとの発言などが株式市場に下押し圧力をかけました。
この日の取引では、S&P 500やダウ平均が下落し、景気減速の懸念が強まりました。
続いて、4月17日(木)には経済指標が発表され、失業保険申請件数が予想を上回ったことが、米国経済の先行き不透明感を強め、リスク回避の動きが加速しました。
ユナイテッドヘルス(ティッカーシンボル:UNH)の決算ミスで大きく下げたものの、一部の企業決算が予想を上回る結果を示す中、株式市場は引き続き混合した動きを見せました。
この週の終わり、4月18日(金)はGood Friday(聖金曜日)であり、米国の株式市場は休場となりました。
週間パフォーマンスとしては、S&P 500が前週末比で1.5%下落し、ダウ平均が2.7%下落、ナスダック総合指数は2.6%の下落を記録しました。
市場全体としては、企業決算に対する懸念や経済指標の悪化、貿易政策への不安が影響を与えました。
特に、投資家は米国の景気減速を懸念し、リスク回避の姿勢を強めました。
FRBの金融政策の動向が注目されており、早期の利下げ期待が後退すると株価にとってネガティブ要因となるため、FRBメンバーの姿勢には注意が必要です。
投資家の間では、5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では現状維持の確率が約9割になっていますが、6月のFOMCでは0.25%利下げの確率が6割を超えているなど、6月以降の利下げが織り込まれている事からも大きな期待が伺えます。
これからの投資戦略
トランプ米大統領の真意はあくまでディールです。
これは以前の記事でも説明しましたが、表向きには米中の貿易戦争が激化するのではと考える投資家が少なくありませんが、裏ではしっかりと交渉によって落としどころを探っています。
しかし、米国経済の状況は依然として不確実性を抱えています。
特に、米国政府の関税政策は、国内企業の業績に直接的な影響を及ぼす可能性が高いため、今後も貿易関連のニュースは市場に強い影響を与えるでしょう。
特に、輸出依存の高い企業や、製造業においては、貿易摩擦が経営に与える影響を懸念する声が強まっています。
また、企業決算の結果が市場の動向に影響を与え続けると予想されます。
今期の企業決算では、いくつかの大手企業が市場予想を下回る結果となり、これが株価に対する懸念を強めました。
今後も多くの企業が決算を発表する予定ですが、これらの結果が市場に与える影響は大きいと考えられます。
特に、AI関連銘柄や半導体セクターなどのハイテク企業、成長を期待されているセクターの決算結果には注目が集まるでしょう。
企業業績が予想を下回れば、市場全体の信頼感が揺らぎ、株価が一層不安定になる可能性があります。
加えて、コストプッシュインフレによる米国経済の成長鈍化も、市場に影響を与える重要な要因です。
景気の後退リスクが高まる中、投資家は更なるリスク回避の姿勢を強める可能性があります。
特に、金利引き下げや景気刺激策に対する期待感が高まる一方で、その期待が予想通りに運ばなかった時や逆の選択肢を取った時など、市場にどれだけ影響を与えるかについては依然として不確実性があります。
もし景気後退が現実のものとなれば、株式市場は一層不安定になり、特に景気敏感株に対して売り圧力が強まることが予想されます。
2025年の後半に向けては、トランプ関税の全容も分かり米国経済の回復が期待されていますが、依然として多くの不確実性が市場に影響を与えると考えられます。
米国の経済成長が鈍化する中で、投資家は今後の政策発表や企業の決算結果を注視し、リスクを分散させながら投資戦略を立てることが求められます。
また、米国と中国を中心に世界的な経済政策が今後どう進展するかも、引き続き市場の動向に大きな影響を与える要因となるでしょう。
今後の投資戦略としては、リスクを最小限に抑えつつも、年後半に向けて成長が期待されるセクターや企業への投資準備を検討することが重要です。
去年までの様な右肩上がりがいつまでも続くことは無く、かと言って今の様な下落がいつまでも続く事はありません。
それに、米国株が下落基調でも他の市場で好調な相場はいくつもあります。
大局的に物事を判断し、適切な行動をしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
追加関税の90日間の猶予も迫る中、米国株をメインにした投資家は苦しい時期が続きます。
それでも、日々のホームワークを忘れず、次の投資機会に向けて準備しましょう。