【米国株の動向】9日~13日のS&P500・ナスダック急変の理由と今後の見通し

心得
  • 18日(水)米FOMC議事要旨
  • 20日(金)米2月製造業PMI発表
  • SaaS企業が本当に終焉か?

これまでの動き

先週の米国株は、上昇の勢いはあるのにハイテク不安がそれを押し潰すという典型的な神経質相場となり、週全体としては強気ムードが続く一方で、AI・大型テック株の調整が市場の上値を重くしました。

週初は、テクノロジー株の回復が追い風となり株式市場は堅調に推移し、ロイターは米国株が上昇した背景としてテクノロジー株の回復継続を挙げています。

一方で、週後半にかけては投資家心理が急速に冷え込み、特にAI関連株を中心に過熱感への警戒が強まりました。

13日の市場では、米国株主要指数が小幅高で引けたものの、週全体では2026年最悪級の下落週になったと報じられ、インフレ指標や雇用指標は比較的良好だったが、それ以上にテック不安が強かったと整理されています。

実際、指数自体は崩壊せず踏みとどまった形ですが、ナスダックの弱さが象徴する通り市場の重心は明確にハイテクの調整局面にありました。

さらに中小型株指数であるラッセル2000は相対的に強く、資金が超大型テックから割安感のある中小型へ分散していた可能性が示唆されます。

この週の最大のポイントは、インフレや雇用などのマクロ指標が市場の安心材料になりかけたにもかかわらず、結局はAI・テクノロジー株の下落が全体心理を支配した点です。

どの記事も、ビッグテックの下落がS&P500の週間下落を拡大させたとされており、指数全体が耐えていても投資家の体感としては弱気週になったことが分かります。

つまり先週の米国株は、利下げ期待や経済指標の安定が下支えする一方、AI関連株の過熱感が一気に冷却され、利益確定売りが連鎖的に発生したことで上がりそうで上がれない週になったと言えます。

加えて、SaaS企業の暴落が継続している背景には、単なる景気減速や金利要因ではなくAIがSaaSを代替するという構造的リスクが投資家の間で急速に意識され始めたことが最大の要因です。

従来は、サブスクリプションモデルによる安定成長が高く評価されていたSaaS企業が、AIエージェントや生成AIの普及によって業務効率化ツールとしての価値を奪われる可能性が出てきたことで高PER(高バリュエーション)を維持できないという見方が強まりました。

結果として市場全体がSaaS株を一斉に売る流れが続いています。

このように現在のSaaS株安は、決算が悪いから下がるという単純な話ではなく、AIの進化によって顧客企業が従来型のSaaS契約を見直す可能性が高まり、将来の成長率・利益率が再評価される局面に入ったことが本質です。

投資家は今後SaaS企業を一括りにせず、AIを自社サービスに組み込める企業、データ資産やプラットフォーム支配力を持つ企業、顧客の解約率が低い企業だけが生き残る選別相場へ移行すると考えられます。

今後の戦略としては、短期ではCPIなどインフレ指標とFRBの金利見通しが市場の方向性を決め、特にナスダック主導で上昇する局面では急落リスクも高まるため、ハイテク一極集中を避けた分散投資と、指数全体の強さよりもセクター内部の資金移動を読む姿勢が重要になります。

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これからの投資戦略

引き続き我慢の週となるでしょう

今週の米国株は、重要イベントが集中する変動週となりやすく、週全体の方向性はFRBの金融政策スタンスとインフレ指標に左右される展開が想定されます。

まず16日は、プレジデントデー(Presidents Day)でNYSE・NASDAQが休場となり、通常の株式取引は行われないため市場参加者は少なくなりますが、休場明けのギャップ(窓開け)を意識したポジション調整が起きやすい点が注意ポイントです。

そして18日は、今週最大級のイベントであるFOMC議事要旨が公表され、投資家は利下げ議論がどの程度進んでいるかインフレをどこまで警戒しているか景気減速リスクをどう評価しているかを文章のニュアンスから読み取り、内容次第で株・債券・為替が同時に大きく動く可能性があります。

もし議事要旨が利下げに前向きな内容なら、金利低下とともに株式が買い戻されるシナリオがあり、逆に利下げに慎重でインフレ警戒が強い内容なら、米国債利回り上昇→株価下落という流れが加速しやすくなります。

そして週のクライマックスが20日で、ここではFRBが最重要視するインフレ指標であるPCEデフレーター(特にコアPCE)やGDP関連データが焦点となります。

例えば、市場予想としてGDPが年率+2.8%程度まで鈍化し、コアPCEが前年比+3.0%程度と高止まりする見通しが示されているように、もしこの組み合わせが現実化すれば成長は鈍化するのにインフレは残るというスタグフレーション懸念が強まり、株式市場にとっては最も嫌なシナリオとなり得ます。

一方で、PCEが市場予想より弱くインフレ鈍化が確認されれば、FRBの利下げ期待が再び強まり株価には追い風となるため、今週は結局インフレ指標が最大の勝負所という構図です。

加えてこの週は企業決算も重要で、大手企業の決算が予定されていることが示されており、決算内容次第で消費の強さや企業利益の減速が意識され、指数全体のセンチメントを左右する可能性があります。

総合すると、今週の米国株は、祝日明けの薄い流動性から始まり、FOMC議事要旨とPCEデフレーターという金融政策を決定づける材料が週の中心に置かれるため、強気にも弱気にも一気に傾きやすい週です。

投資家は短期的な値動きに振り回されず、インフレ鈍化が確認されるなら押し目買い、インフレ高止まりなら防御的セクターやキャッシュ比率を高めるなど、イベントを軸に戦略を組み立てることが重要になります。

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まとめ

いかがでしたか?

これまで米国株を牽引してきたハイテク株が軒並み下落を続けており、円高基調とのバブルパンチを受けている投資家も少なくありません。

しかし、ここは市場全体が落ち着くまで我慢する必要があり、米国株が他の市場にアンダーパフォームする可能性が高い事を理解しながら投資を続けましょう。

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