【米国株速報】ナスダック最高値更新も関税リスクに警戒!

心得
  • 15日(火)米6月CPI発表
  • 17日(木)米6月小売売上高発表
  • 米企業決算シーズン突入

これまでの動き

先週の米国株は、地政学的リスクの高まりと経済指標の変動、さらに主要企業の決算期待などが複雑に絡み合い、投資家心理が揺れ動く1週間となりました。

とくに市場の注目を集めたのは、7月7日にトランプ前大統領が複数の国に対して新たな関税措置を発表したことです。

関税対象には日本、韓国、ブラジル、インド、台湾、トルコ、タイなどが含まれ、それぞれの国からの輸入製品に25〜40%の追加関税を課すという内容でした。

この報道を受けて、7月7日のニューヨーク株式市場は大きく反応し、米国株主要指数は揃って下落しました。

しかし翌日には、関税発動が8月1日まで延期されると発表され、市場はひとまず安堵が広まりました。

その甲斐もあって、米国株主要指数は再び上昇に転じ投資家は一安心しました。

ただし週末にかけては再びカナダへの35%関税導入の可能性が浮上し、米国株市場は再び軟調に転じました。

結局、週を通して軟調な相場が続き、主要指数も小幅に下落する展開で週末を迎える事となりました。

このように波乱含みの展開となった中でも、テクノロジー関連株は比較的底堅い動きを見せています。

特に注目を集めたのはエヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)で、同社の時価総額は一時4兆ドルを超え、マイクロソフトやアップルと並ぶ超大型銘柄に成長しました。

AI関連銘柄への投資熱は根強く、グロース株に対する投資家の信頼を示す象徴的な動きです。

また、米国大手銀行などは7月9日付で、S&P500の今後6カ月間のリターンを+6%、12カ月後の見通しを+11%と発表し、引き続き強気のスタンスを維持しています。

セクター別に見ても、エネルギーと素材関連が堅調でした。

原油価格(WTI)の一時的な上昇で、エネルギーセクターはその恩恵を受けたものの、コスト増によるインフレ再燃が懸念され市場全体を押し下げる要因となりました。

現在の原油価格は落ち着いており、過度な警戒は不要かもしれません。

また、金と銀の価格も安全資産として堅調に推移し、金鉱株など一部の素材系ETFが買われる展開となりました。

一方で、関税の影響を受けやすい輸出関連企業や航空株などは不安定な動きとなり、デルタ航空の好決算にもかかわらず、週末にはやや失速しました。

それでも2025年の年初来パフォーマンスとしては、米国株主要指数は堅調な水準を維持しています。

スポンサーリンク

これからの投資戦略

決算内容を確認しましょう

今週の米国株は、複数の経済指標の発表と主要企業の決算が集中する重要な1週間であり、インフレ動向とFRB(連邦準備制度理事会)の金融政策スタンスと合わせて注目する必要があります。

最も注目されるのは、15日(火)に発表される6月のCPIで、前年同月比+2.6%、前月比では+0.3%が市場予想とされています。

これは前回のCPIから加速すると見込まれており、インフレが再び高まりつつあるとの懸念を市場に与えています。

17日には小売売上高と企業在庫が続けて発表される予定で、インフレや消費動向に対する市場の認識がこの週で大きく形成される見通しです。

これら一連の経済指標がFRBの金融政策に与える影響は大きく、特にCPIが想定以上に高ければ、現在市場が期待している年内利下げ観測が後退し、株式市場にとっては下押し要因となる可能性があります。

実際、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では現状維持が予想されており、続く9月のFOMCでは0.25%利下げの確率が6割を切る予想となっています。

これは、以前から確率が低下し、トランプ関税によるインフレ再燃を強く意識した予想となっている事が読み取れます。

このように、利下げ時期が先送りになれば、早期利下げを期待していた投資家達も失望売りに変わる可能性が高く、相場がギクシャクするかもしれません。

加えて、原油価格の動きも注目です。

WTI原油先物は、現在価格が1バレル70ドルを割り込んで落ち着いていますが、地政学リスクなどエネルギー価格に大きな影響を与える事態が起きれば、再び上昇する可能性も否定できません。

従って、米国株主要指数の史上最高値更新のニュースで過度な楽観視はせず、本格化する決算シーズンと合わせて保有銘柄を選定する時期なのかもしれません。

一方で、新NISAを利用した積立投資や長期投資家は、今までと変わらずコツコツ継続する事をお勧めします。

インデックスファンドに長期投資していれば、個別株の様な短期の値動きに一喜一憂する必要は無く、他の投資家と比較する必要もないため、とにかく継続するマインドを高める努力をしましょう。

短期の上げ下げや、SNS等の無駄な情報は長期投資家にとって必要のないものです。

資産形成の本質を早めに理解し、あなたの未来のために今から出来る行動をしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

米国株が史上最高値更新と、明るいニュースで投資もしやすい時期かもしれません。

加えて、今回の決算はそこまで悪いものにはならないでしょう。

しかし、過度に楽観視して積極的な投資を行った挙句、リスク許容度を超える様な行動は控えるようにしましょう。

早くお金持ちになりたいと言う欲求を抑え込んでこそ、投資初心者を抜け出す第一歩なのです。

タイトルとURLをコピーしました