以前話題になった老後2000万円問題という言葉を耳にして、あなたは不安を感じたことありませんか?
退職後の生活費として約2,000万円が必要とされる時代、早めの資産形成はもはや必須です。
そこで注目を集めているのが、若いうちに必要額を投資に回し、その後は追加投資なしでも目標額に到達できるコーストFIREという考え方です。
特に年利5%のほったらかし投資を活用すれば、複利の力で資産は雪だるま式に増え、時間があなたの最大の味方になります。
本記事では、20代~60代別に今いくら持っていれば65歳で2,000万円を達成できるのかをシミュレーションします。
年代ごとの必要元本を知ることで、自分はどのくらい急ぐべきか、今からでも間に合うのかが明確になり、老後不安を解消するための第一歩が踏み出せます。
この考えは、今後の年金問題にも役立ち、無理に繰り下げ支給に拘らなくても良い大衆の意見と真逆の人生を歩めるかもしれない希望に満ちた記事ですので、投資初心者は必ず目を通しましょう。
コーストFIREとは?
コーストFIRE(Coast FIRE)とは、若いうちに老後までに必要な資産をまとめて作り、その後は追加の投資や大きな貯金をしなくても資産運用だけで目標額に到達できる状態のことを指します。
FIREはFinancial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)の略ですが、コーストFIREは完全リタイアを目指すわけではなく、老後資金のゴールが見えた状態で働き方を自由にするという柔らかいFIREの形です。
名前の由来は、スキーやスノーボードのcoast(惰性で滑る)から来ています。
つまり、最初にある程度の資金を積み上げれば、その後は資産が複利で成長し続け、放っておいてもゴールに到達するイメージです。
例えば、65歳で老後資金2,000万円が必要だとしましょう。
もし30代で既に必要元本を貯めて運用を始めれば、追加投資をしなくても年利5%の複利効果で65歳には目標額に到達します。
これにより、働き方をセーブしたり、やりたい仕事に専念したりすることが可能になります。
コーストFIREの魅力は、経済的不安の軽減×自由度の高いライフプランにあります。
完全リタイアを目指すFIREと違い、生活費をすべて投資収入で賄う必要はなく、必要資金が確保できればあとは働く量や内容を自由に調整できるのです。
また、若いうちに始めれば始めるほど必要元本は少なく済み、精神的な安心感も早く手に入ります。
一方で、コーストFIREを達成するには早期の資産形成×安定的な運用が不可欠です。
特に投資初心者の場合、インデックス投資など低コストで分散投資ができる商品を活用し、長期的な複利効果を狙うことが重要です。
年代別今いくら持っていれば65歳で2000万円達成できるか
では、年利5%・ほったらかし投資を前提に、年代別に65歳で2,000万円達成するために今いくら必要かを複利計算で出します。
条件は以下の通りです。
計算条件
- 目標額:2,000万円(税金・インフレは考慮せず)
- 運用利回り:年利5%(全世界株式インデックスなどを想定)
- 投資期間:各年代から65歳まで
- 追加投資なし(元本を一括投資して放置するケース)
年代別必要元本シミュレーション
現在の年齢 | 投資期間 | 複利倍率(5%) | 必要元本 |
---|---|---|---|
25歳 | 40年 | 約7.24倍 | 276万円 |
30歳 | 35年 | 約5.52倍 | 362万円 |
35歳 | 30年 | 約4.32倍 | 463万円 |
40歳 | 25年 | 約3.39倍 | 590万円 |
45歳 | 20年 | 約2.65倍 | 755万円 |
50歳 | 15年 | 約2.08倍 | 961万円 |
55歳 | 10年 | 約1.63倍 | 1,227万円 |
60歳 | 5年 | 約1.28倍 | 1,562万円 |
年代別解説
25歳(40年間運用)
約276万円を一括で投資すれば、40年間で約7.24倍になり65歳で2,000万円に到達します。
少額でも長期運用の複利効果が圧倒的に働くため、最も有利な年代です。
30歳(35年間運用)
必要元本は362万円。
25歳より約86万円多く必要ですが、それでもまだ少額で達成可能です。
早めに行動すれば、生活への負担は最小限で済みます。
35歳(30年間運用)
必要元本は463万円。
運用期間が短くなると、必要元本は一気に増えます。
この年代では一括+少額積立の併用がおすすめです。
40歳(25年間運用)
必要元本は590万円。
時間の余裕が減るため、複利効果は弱まりますが、25年間の運用でもまだ達成可能です。
今から始めれば間に合います。
45歳(20年間運用)
必要元本は755万円。
半分は複利、半分は元本という構成になるため、投資額の負担感が増します。
追加の積立投資が現実的です。
50歳(15年間運用)
必要元本は961万円。
運用効果は期間の短さにより限定的で、積立や節約の組み合わせが必要となります。
55歳(10年間運用)
必要元本は1,227万円。
投資期間が短いため、もはや元本がメインで運用益は補助的な役割です。
定期的な追加投資でゴールを目指す戦略が現実的です。
60歳(5年間運用)
必要元本は1,562万円。
短期運用では複利効果は小さくほぼ貯蓄頼みになります。
老後資金計画はできるだけ早く着手する重要性がよくわかります。
複利効果で差が広がる!早く始めるほど必要元本は激減
投資の世界で最も強力な武器は複利効果です。
複利とは、運用で得られた利益を再投資し、その利益にもさらに利息が付く仕組みのこと。
時間が長ければ長いほど利益が利益を生むサイクルが加速し、資産の増え方は直線ではなく曲線的に急上昇します。
上記シミュレーションのように、25歳で運用を始めた場合と50歳で始めた場合を比較すると、必要元本には約700万円以上もの差が生まれます。
この差は、投資スキルの違いではなく投資を始めるタイミングの違いだけで生まれます。
つまり、若いうちに少額でも始めれば、将来の老後資金に対する精神的負担が大幅に軽くなるということです。
さらに、長期投資では市場の短期的な上下動(暴落や高騰)も平準化されやすくなり、リスクが低下するというメリットもあります。
早く始めるほど、少ない金額でゴールを達成でき、運用の安全性も高まるのです。
時間は資産形成における最大の味方です。
もしあなたが今20代や30代なら、すぐに行動すべきですし、40代・50代でも今が一番若い日であることに変わりはありません。
長期投資を始めるタイミングは、思い立った瞬間こそがベストタイミングです。
まとめ
いかがでしたか?
数年前の話とは言え、老後2,000万円問題は一見すると大きなハードルのように思えます。
しかし、時間と複利効果を味方につければ、無理な節約や高リスク投資をしなくても十分に解決可能です。
今回のシミュレーションでも明らかなように、25歳で運用を始めれば必要元本はわずか276万円。
ところが、50歳スタートでは961万円必要になります。
この差は、投資手法や商品選びよりもいつ始めるかによって生まれるのです。
コーストFIREの考え方を取り入れ、若いうちに必要額の元本を作り、年利5%程度のほったらかし投資で運用し続けることで、65歳時点での老後資金はほぼ自動的に確保できます。
これにより、仕事やライフスタイルの自由度が増し、精神的な安心感も得られます。
老後資金の不安をなくす最大のポイントは、できるだけ早く行動することです。
少額からでも投資を始めれば、将来のあなたを支える大きな資産の第一歩になります。
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