【要注意】インデックス投資から高配当株投資へ移行して失敗する人の特徴

資産形成

「配当金だけで生活するのが理想」

「高配当株に切り替えたら、不労所得でFIREできる」

そんな言葉を、SNSやYouTubeで一度は聞いたことがあるかもしれません。

それ、本当に正しい戦略でしょうか?

最近、インデックス投資でコツコツ資産形成していた投資初心者が、SNSで流れる高配当株最強論に影響され、本来の出口戦略を見誤るケースが急増しています。

配当金の魅力は確かに大きいですが、成長期に高配当株へ移行することは、資産の増加スピードを止めてしまう見えないブレーキにもなり得ます。

この記事では、高配当株=出口戦略という誤解に警鐘を鳴らすとともに、本当に資産を守りながら使っていくための正しい出口戦略についてわかりやすく解説します。

あなたの資産形成、間違った情報に左右されていませんか?

ぜひ最後までご覧ください。

出口戦略とは自分のタイミングで資産を取り崩すこと

多くの投資初心者が配当金こそ理想の不労所得と考え、資産形成の途中で高配当株へ移行してしまいます。

SNSでは「配当月5万円達成!」といった投稿が拡散されやすく、その姿に憧れて投資方針を変える人も少なくありません。

しかし、これは大きな誤解です。

出口戦略とは、本来資産形成を終えた後に、自分のライフスタイルや必要な生活費に応じて計画的に資産を取り崩す方法を指します。

つまり、配当金を受け取ることではなく、自分の意思とタイミングで資産を現金化して使うことが真の出口戦略です。

高配当株は、企業都合で配当が決まるため、生活資金を配当に依存するのは不安定です。

しかも、毎回課税されることで複利効果も損なわれます。

一方、インデックス投資をベースにした定率・定額取り崩しは、再現性・柔軟性・税効率に優れており、FIRE実践者や金融のプロたちが推奨する合理的な手法です。

出口戦略はもらうのではなく自分で設計して引き出すもの。

将来にわたって安定した資産活用を実現するには、この視点が欠かせません。

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インフルエンサーの配当金自慢は再現性ゼロ

近年、SNSやYouTubeなどで「月○万円の配当金を得た!」と華やかに配当金額を自慢する投稿が目立ちます。

これらの素人インフルエンサーは、一見すると配当金だけで不労所得を得ている成功者のように見え、多くの投資初心者が憧れて真似をしたくなります。

しかし、その多くは実際には再現性がほぼゼロの自己演出であることが多いのです。

まず、こうした配当金自慢の多くは税引き前の額を強調しており、実際に手元に残る金額はかなり少なくなります。

税金や諸費用を考慮しない金額だけを見てこれが毎月入ると錯覚してしまうのです。

また、単に保有資産の一部を高配当株に切り替えただけで、資産全体の成長性や安全性を犠牲にしているケースも少なくありません。

短期的に配当利回りの高い銘柄に振り替え、配当金が増えたように見せているだけで、実際は減配リスクや元本割れのリスクを無視しています。

高配当に目がくらんで投資したものの、成長性が無く株価が長期の下落基調である有名企業も少なくなく、配当金は入ってくるがトータルリターンではマイナスになっている銘柄も少なくありません。

加えて、配当は利益剰余金・資産剰余金から払い出される関係上、その企業は長期的な成長戦略が無く膨れ上がった内部収保を吐き出しているという場合が多いです。

成長に投資しないのだから、そもそも株価が上昇基調になるはずがありません。

そんな無成長企業に集中投資するのが高配当株投資の本質ですので、アクティブ運用と同様に各企業の現状や先行きにまで注意を払い理解し続けなければなりません。

さらに、配当金自慢の背景には、一時的な相場環境の良さ偶然の利益があるだけで、誰もが同じ結果を得られるわけではありません。

このように、素人インフルエンサーの配当金自慢は誰でも真似できて安定的に稼げる戦略とは程遠く、初心者が安易に鵜呑みにすると資産形成の大きな妨げになる恐れがあります。

資産形成は感情に流されず、再現性のある手法を堅実に続けることが成功の鍵です。

【高配当=高リスク】その利回り、本当に安全?

高配当株は一見魅力的に映ります。

一般的に利回り4%以上と聞くと普通の銀行預金よりずっとお得と感じるでしょう。

しかし、高配当には必ず理由があり、利回りが高いからといって安全とは限りません

まず、株価が下がると利回りは見かけの上では上昇します。

業績悪化や経営不安により株価が急落すると、配当額が据え置かれている間は利回りが高く見えますが、これは危険信号の可能性が高いのです。

株価下落は企業の体力低下を示すことが多く、配当の減額や停止(減配・無配)に繋がるリスクがあります。

次に、配当性向が非常に高い企業も注意が必要です。

配当性向とは、企業が稼いだ利益のうちどれだけを配当に回しているかを示す指標ですが、これが100%近い、あるいは超えている場合は持続不能な状態であることが多いです。

無理な配当は将来的な経営悪化や借入増加を招き、長期的には株価下落の原因になります。

さらに、高配当株は景気敏感株が多く、経済環境の変化に弱い傾向があります。

石油や金融、不動産などの業種は景気後退時に大きく株価を下げることがあり、利回りの高さと引き換えに値下がりリスクを抱えていることを理解しなければなりません。

結局のところ、高配当=高利回りは安全を保証するものではなく、むしろリスクのサインであることが多いのです。

利回りだけで銘柄を選ぶのは非常に危険であり、企業の業績、財務健全性、成長性などを総合的に見極めることが不可欠です。

このように、インデックス投資と高配当株投資とでは、考え方も投資行動もまるで違う手法と言えます。

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【本当の出口戦略】インデックス投資 × 定率・定額取り崩し

資産形成を終えた後の出口戦略で最も合理的とされるのがインデックス投資をベースにした定率・定額取り崩しです。

これは長期にわたって資産を維持しながら生活費を確保するための戦略で、多くの専門家やFIREムーブメントの成功者が推奨しています。

具体的には、保有するインデックスファンドやETFから、毎年または毎月一定の割合(例えば4%)や一定の金額を計画的に取り崩す方法です。

この取り崩し額は4%ルールと呼ばれ、過去の米国株市場のデータでは、この割合であれば実質的には資産が枯渇せず生活費を賄えるとされています。

この戦略の最大のメリットは、自分の意思で資産を現金化できることです。

配当収入に頼らず、株価の上下に柔軟に対応しながら必要な分だけを引き出せるため、資産の成長機会を最大限に活かせます。

また、配当金のように企業の都合に左右されないため、安定的なキャッシュフロー計画が立てやすいのです。

さらに、定率取り崩しは税効率の面でも有利です。

NISAやiDeCoのような税制優遇制度を活用しながら、資産を長期間運用し続け、取り崩し時に税負担を最小限に抑えることも可能です。

一方で、この方法は相場の変動により資産残高が上下するため、取り崩しタイミングの悩みが生じることもあります。

しかし、主要のネット証券では、取り崩しを自動で行ってくれるサービスもありますので、自動積立と同様に自動取り崩しのタイミングやストレスといったデメリットを緩和してくれています。

まとめると、本当の出口戦略とは、高配当株の配当をもらい続けることではなく、インデックス投資による資産の成長を活かしながら、自分のライフプランに合わせて定率・定額で資産を取り崩すことです。

これが長期的に安定した資産活用の鍵なのです。

取り崩しは投資家にとって心理的圧力になる

一方で、インデックス投資を活用した定率・定額取り崩しは理論的に優れた出口戦略ですが、実際に実行する時には大きな心理的ハードルが存在します。

長年かけて築いた資産を、自分の手で取り崩すことには、本当に使っていいのか?、将来足りなくならないか?という不安や罪悪感が伴います。

特に日本人は貯めることに安心を感じやすく、使うことに対して心理的抵抗が強い傾向があります。

また、相場が下落しているタイミングで取り崩すことになると、今売ったら損では?という思いが強まり、計画的な取り崩しができなくなることもあります。

このように、出口戦略の実行は正しい知識だけでなく、自分の感情をコントロールする力も問われるのです。

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まとめ

いかがでしたか?

一部の投資初心者には耳の痛い話だったかもしれません。

確かに、SNSやメディアで繰り返し語られる高配当株でFIRE、配当金で生活のような言葉は、多くの投資初心者にとって魅力的に映ります。

しかしその実態は、再現性が乏しく、リスク管理や資産効率の面でも課題が多い投資法です。

配当=安全・安定という配当神話に、安易に飲み込まれてはいけません。

出口戦略の本質とは、自分の資産を、自分のタイミングと判断で、計画的に取り崩して使っていくことです。

その意味では、インデックス投資を活用した定率・定額取り崩しこそが、合理的かつ柔軟で、世界的に主流の出口戦略だといえます。

高配当株に頼るのではなく、自分の資産を自分で設計し、納得のいく形で活かしていく。

それこそが、真に自由で安定した資産運用を実現するための道なのです。

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