【週間市況】米国株は続伸、CPIは落ち着くも小売売上高で消費は底堅く

心得
  • 20日(水)米7月FOMC議事要旨
  • 21日(木)米8月製造業PMI
  • 9月利下げ期待の実現性

これまでの動き

先週の米国株は、CPI(消費者物価指数)や小売売上高といった重要な経済データが相次いで発表されるなかで、投資家心理が揺れ動きつつも最終的には続伸という形で一週間を終えました。

週を通して、米国株主要指数がそろって続伸したことは投資家にとって安心材料となりました。

ただし、週末の15日はダウが小幅高で着地する一方、S&P500とナスダックは反落するなど強弱感が入り混じる展開となり、短期的には調整圧力も意識されました。

今回の相場を大きく左右したのはインフレ指標と消費関連データです。

12日に発表された7月のCPIは、市場予想に沿った水準でコアCPIも想定内の内容であり、インフレの落ち着きが確認されたことで株式市場の下支えとなりました。

一方で、14日に発表された7月のPPI(生産者物価指数)は、市場予想を大きく上回る結果となり、利下げ期待がやや後退しました。

特に、9月のFOMCで0.5%の利下げが行われるとの一部観測は後退し、0.25%利下げがメインシナリオと見なされるようになったことから、金利関連株やハイテク株の一部には売り圧力がかかりました。

しかし、その翌日に発表された7月の小売売上高は堅調な伸びを示し、自動車やECの好調が押し上げ要因となったことで消費の強さが改めて確認され、景気後退懸念を和らげる形となりました。

こうしたマクロ指標の強弱を織り交ぜながらも、株式市場全体は安定感を保ったのです。

個別銘柄に目を向けると、今週は明暗がはっきりと分かれました。

ヘルスケアセクターは、バークシャー・ハサウェイがユナイテッドヘルスの株式を約50億ドル規模で新規取得したことが伝わり、同社株は週間で11〜14%急騰しました。

このニュースはダウ平均を押し上げただけでなく、投資家の間でディフェンシブ銘柄への再評価を促すきっかけにもなりました。

一方で、半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズは、中国向け需要の調整や四半期売上見通しが市場予想を下回ったことで10〜14%の急落を記録し、関連銘柄のラムリサーチやKLAにも売りが波及しました。

このように、今週の米国株はマクロ的にはインフレの落ち着きと消費の強さに支えられつつも、セクター間や銘柄間で大きな乖離が見られる展開だったといえます。

投資戦略としては、利下げ期待が依然として相場の下支え要因であることに変わりはないものの、PPIの上振れが示すようにインフレ再加速のリスクも残るため、短期的にはディフェンシブセクターや指数連動型の積立投資を継続しつつ、AI関連では製造装置のように調整圧力が強い銘柄を避ける傾向が続くかもしれません。

来週以降はウォルマート、ターゲット、ホームデポといった大手小売企業の決算が控えており、ガイダンスや在庫回転の動向が株式市場に新たな方向性を与える可能性があります。

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これからの投資戦略

重要イベントに注意しつつ投資を続けましょう

今週の米国株は、金融政策の方向性を占うジャクソンホール経済政策シンポジウムや7月FOMC議事録の公開、複数のFRB要人による発言に加え、重要な経済指標など引き続き大事な週となります。

まず金融政策面では、ジャクソンホール会議でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が基調講演を行い、今後の利下げスタンスにどのような示唆を与えるかが焦点となります。

特に9月FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%利下げが有力視されているなか、もしインフレ圧力が残るとの発言があれば市場の利下げ期待は後退し、逆に緩和に前向きな姿勢を示せば株式市場を押し上げる要因となります。

投資家の間でも、9月のFOMCで0.25%利下げの確率が8割超で、10月のFOMCでも連続利下げの可能性が大半となってます。

市場は利下げへのシナリオを織り込んでおり、0.50%利下げの可能性すら織り込み始めています。

さらに20日に公開されるFOMC議事録からは、委員の間でインフレや雇用に対する見解の割れが明らかになる可能性があり、これは短期的な相場変動要因として投資家が注視する部分です。

次に経済指標の面では、建設許可件数発表が住宅需要の強弱を示し、金利動向に敏感な不動産関連株への影響が注目されます。

このように、米国株を左右するポイントは、金融政策に関するシグナルと経済の足元を示す指標、引き続き消費動向を反映する企業決算という柱に集約され、投資家はそれぞれが示す方向性を見極めながらポジションを調整する展開が想定されます。

投資初心者にとってはこれら全てを追うのは大変に思えるかもしれませんが、資産形成を考えるうえでは短期的な株価変動に振り回されず、むしろこうした重要イベントを観察して長期投資の判断材料とすることが大切だといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

トランプ関税、ウクライナ侵攻の停戦協議、世界的なインフレ懸念など様々なリスクがありますが、大局的に考えながら投資を続けて下さい。

長期投資や新NISAを活用した積立投資は、日々のニュースや値動きに惑わされず、コツコツ継続するマインドと時間を味方につける考え方を学びましょう。

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