- 17日(水)米12月小売売上高発表
- 日・米共に企業決算が本格スタート
- FRBメンバーの動向に注目
これまでの動き
2024年が始まり、初週の米国株が軟調であったため、年間の株価上昇に関するアノマリーからやや株式市場に対し警戒感が広がっています。
年始の相場が良いとその年の株価も堅調であるとの統計から言われているこのアノマリーですが、意外に無視できないところもあります。
過度に悲観する必要はありませんが、頭の隅には置いておく必要があります。
加えて、去年まで強く意識されてきたFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待が楽観的過ぎるのも問題かもしれません。
投資家の間では、早ければ2024年3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げに転じるとの確率が約70%となっていますが、直近の経済指標などを見るに利下げに転じる様な経済の悪化は確認できません。
この楽観が生み出した株価上昇が剥落した時も注意する必要があるかもしれません。
2024年は米国大統領選挙の年です。
現職のバイデン大統領が再選するか、共和党の候補者が勝利するかは今の所未知数です。
加えて、共和党の候補者の最有力はトランプ氏という事もあり、未来への不透明感を嫌う株式市場は今の所ネガティブ要因として見ているようです。
台湾では総統選挙が行われ、無事与党の勝利に終わった事で世界の混乱は一旦免れました。
その他の大事な選挙で、ロシアの選挙は有名無実化していますし、日本の自由民主党総裁選挙は岸田政権の崩壊と共に党員抜きで強硬する可能性が高いなど、米国大統領選挙と共に不透明感が広がっています。
その中にあって、いま日本株が急騰しています。
理由は様々ですが、主因は円高からの切り替えしと海外投資家からの資金流入だと考えます。
年末の頃、日本銀行の植田総裁は日銀の政策の一つであるマイナス金利政策を解除する旨の発言を積極的に行いました。
日本は円安とインフレが顕著であるから、今の金融緩和を終了させ金融引き締めの方向へ舵を切ると言ったものです。
これまでもYCC(イールドカーブコントロール)修正により、長期金利の幅を1%超まで容認する決定がなされていますが、マイナス金利解除はこの変更よりも市場に重大な影響を与えます。
従って、日本経済が成長の兆しすら見せていない現状で強行する理由は本来ありません。
しかし、消費税増税やインボイス制度導入などからも分かる通り、例えそれが明らかに経済にとってマイナスになろうとも一度できた流れに逆らって正しい選択をするようなリーダーシップは日本にはありません。
政策変更の時期は多少前後するでしょうが、マイナス金利解除が必要ないという流れに戻す事はほぼ不可能でしょう。
このような流れから為替は一気に円高方向へ向かいましたが、続報が出ないと見るや為替は一転して円安基調へ向かい始めています。
こうなると、海外投資家からすれば為替の面から日本株を割安で買うことが出来るため、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などから株価が割安である日本株に注目が集まったのではないかと考えられます。
しかし、これはあくまで米国株を含めた世界の株式市場がギクシャクしている中での消極的選択であって、日本の成長や発展に投資している訳ではない事を理解する必要があります。
日本はコストプッシュ型インフレに悩まされ、実質賃金は20ヵ月連続下落するなど内需はボロボロのままです。
従って、海外投資家の目は日本のグローバル企業にしか向いていない訳です。
これからの投資戦略
一度立ち止まって状況を整理しましょう。
去年最後の買い場で大きく儲けた投資家は多いと思いますが、もはやあの頃の様な勢いは今の株式市場にはありません。
もちろん、決算時期という事もあり、その結果を見極めたいと言う流れがある事も確かです。
しかし、直近の日本株の様に理由も分からず上昇する相場に去年の考えのまま乗ってしまうと危険だという事が言いたいのです。
一時期のビットコイン相場の様に、ビットコインETFの承認期待から急騰していた相場はその決定がなされたあと下落に転じています。
期待で買って事実で売るの典型例です。
日本株がそうならないとは限りませんので慎重にいきましょう。
新NISAから投資を本格的に始めたあなたへ
新NISAや長期投資が目的の投資初心者は、このような情報に踊らされずコツコツと積み立てを継続して下さい。
2024年から新NISAが始まり、新たに投資を始める投資初心者が増えました。
その中には、銘柄選択を誤ったり、リスク許容度を理解していなかったりと新NISA開始から10日もしない内に売却してしまったと言う人も少なくないようです。
新NISAは長期投資を目的とした資産形成段階の投資家が非課税で投資できる制度ですので、短期売買を繰り返すことや価格の上下に一喜一憂するのは新NISAの目的とは違います。
しかし、それも分からずただ見聞きしただけと言う理由で始めた投資初心者が、短期の下落に巻き込まれ狼狽売りしたのが実情ですのである意味仕方のない事とも言えます。
あなたの投資目的がどのようなものなのか今一度確かめるようにして下さい。
まとめ
いかがでしたか?
新NISAが始まって間もないのに、既に売却する人がいるのには正直驚きました。
投資目的や長期投資の考えが無かったのが原因かもしれませんので、あなたもそんな失敗をしない様に気を付けましょう。