- 24日(水)米1月製造業PMI発表
- 26日(金)米12月PCEデフレーター発表
- 米国企業決算シーズン中
これまでの動き
2024年の初週は株価がギクシャクしたものの、先週末には米国主要指数であるS&P500指数が最高値を更新しました。
米長期金利が一旦3.9%台にまで低下した事で株式のバリュエーションが高まった事を背景に、ハイテク株を中心に上昇を続けてきました。
しかし、直近では米長期金利が4.1%台にまで上昇したため苦しい展開が予想されましたが、米国が決算シーズンに突入した事もあり投資家の目は決算内容に向きました。
加えて、一旦は収まったAI関連ブームも、AIを使ったマネタイズ方法が確立された企業から再び見直されるようになり、ハイテク企業の上昇に勢いを付けました。
これまでは、AIへの投資コストが嵩むだけで利益を上げる道筋が見いだせなかったのですが、マイクロソフト社(ティッカーシンボル:MSFT)を筆頭に、徐々にそれが解消されたことでAI市場の更なる発展の可能性が生み出された事などが要因と考えられます。
一方で、2024年に多くの利下げ回数を期待していた投資家にとっては難しい局面に立たされており、投資家の予想では1月のFOMC(米連邦公開市場委員会)は金利据え置き確率がほぼ100%となっています。3月のFOMCでは利下げ確率が50%を割っており、逆に金利据え置き確率が50%を超えています。
5月以降では利下げ確率が一番高く、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを決断する時期が後退していると考えられています。
確かに、直近の経済指標を確認すると、米国経済が深刻な後退局面になっていると言う結果は出ておらず、楽観視していた多くの投資家は修正を余儀なくされています。
米国経済の底堅さと米国企業の堅調さを考えると、早期利下げの実現は考え難い相場となっています。
再びインフレが加速し利上げの選択を俎上に載せたり、急な米国経済の悪化で利下げが早まるなど、これらの可能性が完全に無くなった訳ではありませんので、ソフトランディングをメインシナリオにしつつその他の事態も予測しておきましょう。
日本株においても、海外投資家からの資金流入が続き、株式市場はバブル後最高値を更新し続けています。
中国を始めとした自国の資金逃避先として相対的に割安な日本がターゲットにされていることが主因であり、日本の成長や経済の復活を見越して投資している訳ではないという事は理解しておくべきです。
日本はあくまで20ヵ月連続で実質賃金が低下しているような内需を毀損する経済悪化が深刻化しており、政府も対策を講じず実質放置している状態ですから日本経済が再び成長する様な事はありません。
つまり、一部の最高益を出している大企業の株を買い叩かれているだけで、それが日本復活などと言っている経済学者は大局観が無いと言わざるを得ません。
このままだと毀損した内需の影響で国内の供給力まで破壊され国が衰退する事態となるでしょう。
現に、能登半島地震の復興に係る建設業の人手不足が言われていますが、これは小泉政権から続く公共投資叩きによって多くの建設業従事者が失われたことの結果であり、長い時を経て日本にそれだけの供給力が失われた証拠でもあります。
それでもなお、日本人は緊縮体制を礼賛し世界とは真逆のグローバル化に賛同していますから、そう簡単に今の状況は変わりません。
従って、短期で株価が上昇していたとしても、根本は何ら変わらず投資価値はありません。
為替に関しても、去年末に日本銀行の植田総裁がマイナス金利解除に言及し一気に円高に振れました。
これは日本経済の復興より直近の円安を問題視した結果の発言で、本来マイナス金利解除は必要ありません。
自国の供給力の衰退は自国通貨の価値を失わせますから、今の日本は体質的に円安になりやすいのです。
長期的な解決策は国力(供給力)を高めれば良い訳ですが、需要が無い所に供給力は生まれませんから緊縮財政を続けている限り経済が成長路線に行くことは有りません。
それでもマイナス金利解除を強行すれば、グローバル企業を含めた企業全体の収益が減少する事になります。
その結果、さらに日本経済は悪化する事になりますが、その穴埋めに消費税を増税して輸出戻し税で稼ぐつもりなのでしょうか。
為替は短期的には円高に推移するでしょうが、長続きするとは思えません。
これからの投資戦略
良好決算の米国株を中心に投資しましょう。
前述した通り、米国主要指数が最高値を更新した事で新たな局面を迎えました。
AI関連銘柄を中心にハイテク株が上昇基調になれば更なる上値も期待できることから、決算をクリアした銘柄を中心に積極的に投資しましょう。
同じく最高値を更新している日本株は原因が全く違いますので、自分だけは高値で売り抜ける自信があると思う人だけ注目すると良いでしょう。
長期投資家や新NISAを利用した積立投資など多くの投資初心者は、中心が米国株となっているでしょうから気持ちよく継続できるでしょう。
長期投資は時間が最も重要ですので、より長く株式市場に居続けることが大事です。
新NISAで投資した初心者が10日もせずに売却したとの情報もあり、誤った情報に踊らされた結果かもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
株式相場は堅調な動きを見せています。
経済の大局観をもって流れを把握するようホームワークは欠かさず行ってください。