- 19日(水)米10月FOMC議事要旨
- 20日(木)米9月雇用統計発表
- エヌビディアの決算発表
これまでの動き
先週の米国株は、政府閉鎖懸念の一時後退や政策期待が投資家心理を押し上げた前半と、AI関連銘柄のバリュエーション調整をきっかけにテクノロジー株中心の売りが強まった後半と二極化しました。
S&P500やNASDAQ、ダウ平均など主要指数は週を通して方向感に欠ける推移となったものの、市場内部ではセクター間の資金循環が活発化し、特に半導体や大型ハイテク株は過熱感からの利益確定売りが目立ち短期的な調整局面を迎えました。
一方で、公益株や生活必需品株などディフェンシブ領域には下値を拾う動きが見られるなど、投資家のリスク許容度が明確に二分される展開となりました。
金利動向については、FRBの利下げ時期に関する市場の期待がやや後退したことで、成長株には逆風となった半面実体経済の底堅さが確認されたことで景気敏感株には一定の買いが入りました。
ダウ平均が週前半に強さを見せる場面もあったうえ、週末にかけてはNvidiaをはじめとしたAI関連企業の次期決算発表が意識され、相場全体が様子見モードへ移行したため指数は狭い値幅での推移に留まりました。
インフレ率が緩やかに鈍化している点や個人消費が基調として堅調である点など、米経済のファンダメンタルズは引き続き安定しており、長期投資家にとっては過度な悲観を持つ必要はないと考えられています。
むしろ、今回の調整局面は分散投資を徹底する好機となり、S&P500や全米株式インデックスなど広範なETFを中心に積立投資を続けることでリスクを抑えながら成長を享受しやすい環境が続くと想定されます。
短期的にはAI関連株の値動きに左右されやすい地合いが続く可能性があるものの、中期的には金利低下と企業収益の改善が相場を押し上げる力となり、株式市場全体の上昇余地は依然確保されている可能性は高いでしょう。
今回の一連の値動きを冷静に振り返ることで、投資家は自らのリスク管理やポートフォリオ構築を見直す良いタイミングとなったかもしれません。
テクノロジー偏重の運用からバリューやディフェンシブも取り入れたバランス型ポートフォリオへ移行することで、2025年後半の相場をより安定的に乗り切る戦略が可能となる本週は、政治要因とAI関連株の調整が交錯し市場心理が揺れました。
しかし、その背後にある経済の基調は強く、米国株市場は依然として中長期的な上昇基調を維持するポテンシャルを十分に備えていると言えます。
これからの投資戦略
エヌビディアの決算発表を待ちましょう。
今週の米国株は、政府機関閉鎖の終了によって経済指標の発表スケジュールが正常化し、特に19日に予定されているエヌビディアの決算発表と20日に米労働省が公表する9月分の雇用統計が世界中の投資家の注目材料となるでしょう。
AI半導体の世界的需要を牽引するNVIDIAのデータセンター部門の売上成長率や、次世代GPUの受注状況がS&P500とナスダック100全体の方向性を左右する可能性が高いです。
雇用統計では、非農業部門雇用者数の増減、失業率、平均時給の伸びがFRBの12月利下げ判断に直結するため、労働市場の過熱感が残れば金利低下期待は後退し、ハイテク株を中心に調整圧力が強まるリスクが意識されます。
逆に、市場予想を下回り失業率がわずかに上昇するようなソフト化が確認されれば、インフレ鈍化の証拠として受け止められ、長期金利が低下し株式市場とりわけAI関連およびグロース株に追い風が吹く可能性が高いでしょう。
加えて、同週は政府機関閉鎖によって遅延していた経済統計が順次公開されるタイミングでもあるため、投資家は経済の実態をより正確に把握できるようになります。
それが市場の不確実性を和らげる一方、NVIDIA決算と雇用統計の重要度が突出しているため、市場のボラティリティは平時より高まりやすくなりそうです。
特に、AIセクターに資金が集中している現在の相場環境では、NVIDIAがガイダンスを下方修正した場合に半導体セクター全体の急落や指数の短期調整につながる可能性がある一方、強い決算と強気ガイダンスが示されればAIブーム第二波としてNASDAQ主導の上昇相場が再加速するシナリオも十分に考えられます。
結果的にこの週は、AIの現実と米国労働市場の現実が同時に可視化される極めて重要な局面となります。
投資家は、金利・雇用・テック決算という三要素がどのように絡み合うかを精密に観察する必要があるため、市場全体としては上下に振れやすい一週間となることが予想されます。
まとめ
いかがでしたか?
AI関連銘柄や半導体セクターの決算内容から、今後のAI需要拡大シナリオが崩れたのではと考える投資家が後を絶ちませんでした。
その結果が直近の調整局面でしたので、その答えが今週明かされ2025年全体の相場がはっきりしたところで動き始めるのが良いかもしれません。
それまでは現金比率を高めて慎重に行動しましょう。

