- 13日(火)米CPI発表
- 13日~14日 FOMC
- 15日(木)米小売売上高発表
これまでの動向
米国の一部で地方銀行が破綻するなどの騒ぎがあり、それが米国全体に波及し金融不安をもたらすのではないかとの懸念で下落していた株価が、大型ハイテク株を中心に堅調に推移しました。
OpenAI社が開発したchatGPTを起点としてAIブームが巻き起こり、ハード部門で最大限恩恵を受けたNvidia社を始めとして去年までの急落を取り戻すかのような勢いで上昇しています。
これにより、チャットAIに関連する株以外も株価は上昇しており、ハイテク株に対し強気になる投資家や機会損失を嘆く投資家が現れました。
確かに、2022年はハイテク株にとって苦難の年となりました。
それまで持て囃されていた企業も、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ開始と共に株価は半減~8割減など燦々たるものでした。
それによって、ある種の割安感が出ていたことも株価上昇の要因となったかもしれません。
しかし、実際のPER(株価収益率)を見ると果たしてそこまで割安と言えるだろうか、或いは実際に利益が出ておらず赤字によるキャッシュアウトを引き起こしているのではないかなど高金利下での投資において合理的かと言えば疑問が残ります。
今はAIブームの中で上昇トレンドを維持していますが、一部の企業が指数を支えている事が証拠に今の上昇は脆弱と考えられます。
加えて、これまで強い結果を出していた経済指標も、直近の数字を見てみると予想を下回る結果も出始めているため、インフレ圧力を受けた実体経済が腰折れしないとも限りません。
今週は特に需要なイベントも控えており、米国経済の今後を占う良い期間と言えるでしょう。
今後の投資戦略
今週はイベントのチェックを欠かさないようにしましょう。
世界的な株価上昇により、割高感も出ている市場もあることから、これから積極的に買いに行くような相場とは思えません。
加えて、個別銘柄を保有している投資家は、利益確定売りのタイミングを逃さない様慎重に動くべきです。
6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、一旦利上げを据え置くことが予想されており、重要なのはFOMC後のパウエルFRB議長会見でどのような趣旨の発言が出るかになります。
賃金インフレの高止まりなどから、今回の決定で利上げ局面が終了するとは思えませんが、今後の舵取りに関する何らかの発言が出る可能性は高いです。
現在FRBと投資家の間で乖離が生まれている利下げに関する時期などが焦点になるでしょう。
投資家は今年中の利下げを早くも織り込んでおり、利下げは株価にとってポジティブ要因ですがFRBがそれを実行するかはFRBメンバーの発言などから懐疑的と言えます。
従って、今週は注意深く観察しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
株価の上昇で多くの個人投資家は強気になっています。
しかし、中身をチェックせずただ漫然と売買していると大きな損を抱えかねません。
相場で生き続けるためにも、難しい局面で無理な投資は控えましょう。