【12月1日〜5日米国株の動向】利下げ期待で主要3指数が上昇

心得
  • 10日(水)米FOMC
  • 10日(水)米11月CPI発表
  • パウエル議長会見での利下げ姿勢

これまでの動き

先週の米国株は、利下げ期待が高まり主要3指数がそろって上昇する強い展開となりました。

週初は、インフレ指標への警戒感から一部で利益確定が入りましたが、週後半にかけてFRBが年内にも利下げの姿勢を示すとの観測が強まったことで、投資家心理が改善しリスクオンムードが広がりました。

米国株主要指数も軒並み上昇し、短期調整を取り戻す上昇幅を記録しました。

さらに、ハイテク色の強いナスダックは主要3指数の中で最も高いパフォーマンスとなりました。

背景には、インフレの鈍化を示す複数の経済指標が発表され、長期金利の上昇懸念が和らいだことがあります。

金利が低下すると将来の収益の割引率が下がり、特に成長株やテック銘柄に強い追い風となるため、AppleやNVIDIA、Microsoftといったこれまで忌避されていたAIセクターや大型ハイテク株が買われ全体指数を押し上げました。

市場では、ソフトランディングへの期待利下げ開始時期の織り込みが焦点となり、投資家は積極的にリスク資産へ資金をシフトし始めています。

一方で、FOMC(米連邦公開市場委員会)やCPI(消費者物価指数)などの重要指標発表を控えていることから、短期的には乱高下も起こりやすく慎重な姿勢は必要です。

しかし、中長期の資産形成を目的とした投資家にとっては、インデックスを中心とした積立を継続しやすい良好な地合いが続いています。

特にS&P500やNASDAQ100は構造的な成長が期待でき、AI・半導体・クラウドを中心としたテクノロジー分野の強みは今後も米国市場を牽引すると考えられます。

しかし、年初来一貫して言われている米国株の割高感や、これ以上の設備投資の増大、今後の成長余地などを考えるとほぼピークに達しているのではないかとの根強い懸念も意識しなければなりません。

総じて、12月の第1週は利下げ期待とインフレ鈍化をキーワードに、米国株が安定した上昇基調を形成した重要な週であり、年末ラリーに向けて市場の勢いが高まる展開となりました。

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これからの投資戦略

FOMC後の動向に注目しましょう

今週の米国株は、年内最後のFOMCを控える極めて重要な1週間となります。

特に今週開催されるFOMCでは、0.25%の利下げが実施されるかどうかが最大の焦点となっています。

投資家の間でも、0.25%利下げの確率が9割弱になっており、利下げをほぼ織り込んでいるため市場通りに利下げが決定されるかが注目されます。

現在のFF金利は3.75〜4.00%のレンジにありますが、市場参加者の多くは3.50〜3.75%への引き下げを期待しており、この観測が株式市場の下支えとなっています。

ただし、FRB内部では利下げ慎重派と推進派の対立が報じられており、複数の反対票が出る可能性も指摘されています。

これにより、利下げが実施されたとしても声明文のトーンやドットチャートの内容によっては、市場にサプライズを与える展開も十分に考えられます。

特に、12月10日に公表される経済見通しと来年以降の金利を示すドットチャートは、今後の相場方向を決定づける最重要材料となり、金利見通しが引き締め方向に触れれば株価が急落するリスクもあります。

また、週後半の11日にはPPI(生産者物価指数)が発表されます。

PPIはインフレの先行指標とされており、前月比や前年比の伸びが市場予想を上回れば、FOMC直後の相場に追加の変動をもたらす可能性があります。

加えて、毎週公表される失業保険申請件数や労働市場関連データも注目され、これらが労働市場の過熱を示せばFRBが利下げを急がない判断を下す材料になりかねません。

一方、市場には年末ラリーへの期待も存在しています。

12月は機関投資家やファンドの資金フローが流入しやすく、利下げが実施されればテクノロジー株や成長株を中心に上昇が加速する可能性があります。

特にS&P500やナスダックは金利の影響を受けやすく、利下げ決定とハト派的な声明が重なれば年初来高値を更新する展開も視野に入ります。

しかし逆に、利下げが見送られたり、インフレ警戒が強い声明が発表されたりすれば、株式市場は失望売りに傾き、大きな調整に発展するシナリオも排除できません。

債券市場では利回りの急変動が予想され、為替市場ではドル円が神経質な動きを見せる可能性があります。

たとえば利下げ観測が弱まればドル金利が再上昇し、ドル高・円安方向に振れやすくなります。

総じて今週は、利下げの有無だけでなく、FRBの来年の金利スタンス、インフレ指標、労働市場の強さといった複数の要素が複雑に絡み合う極めて重要な週になります。

短期投資ではFOMC前後の急激なボラティリティに十分注意する必要があり、長期投資では過度に相場の振れに反応せず積立や分散を継続する姿勢が重要になります。

市場全体としては強気と警戒感が入り混じる難しい局面ですが、利下げが実施され声明文がハト派寄りであれば、年末ラリーの追い風を受け株高が期待される1週間となりそうです。

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まとめ

いかがでしたか?

2025年最後のFOMCで利下げは行われるか、パウエル議長はどのような会見を行うかが年末ラリーのカギになりそうです。

アノマリー的にも年末は上昇しやすい相場ではありますが、あくまで可能性の話であって必ずそうなるとは限りません。

ただし、新NISAでの積立投資や長期投資家は、直近の値動きに一喜一憂せず年末もコツコツ継続を続けましょう。

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