【2月米国株】ハイテク株急落と急反発、Anthropic台頭とSaaS終焉が市場を揺らす

心得
  • 10日(火)米12月小売売上高発表
  • 11日(水)雇用統計発表
  • SaaS企業決算など注目集まる

これまでの動き

先週の米国株は、ハイテク株調整→急反発という典型的なボラティリティ相場となり、資産形成を目指す投資家にとって非常に示唆の多い1週間でした。

週初は米国株主要指数が揃って上昇し、年初から続くリスクオンの流れを維持しました。

しかし週中に入ると、AI関連を中心としたハイテク株が大きく売られ、特にNASDAQ主導で市場全体が調整局面に突入します。

この背景にあるのは、金利の高止まり懸念だけではなくAI投資が本当に利益に結びつくのか?という疑念が再燃したことです。

象徴的なのが、Anthropic(アンソロピック)をはじめとする次世代AI企業の急成長が、逆に市場にAIは革新だが収益化は想像以上に難しいという現実を突きつけた点です。

生成AIは確かに世界を変えますが、企業側は高額なGPUコストと電力コストを背負い続け、競争激化により価格は下がり、利益率が圧迫される構造が見え始めています。

さらに投資家の間ではSaaS(サース)モデルの終焉という議論も加速しました。

これまでSaaS企業はサブスク型で安定成長が王道でしたが、生成AIが普及することで、ツールはAIが統合し個別SaaSが不要になる、月額課金の価値が薄れるという懸念が強まり、ソフトウェア株に売り圧力が集中したのです。

つまり、今回のハイテク株下落は単なる金利上昇警戒ではなく、AI時代におけるビジネスモデル再編、特にSaaS銘柄の利益構造崩壊リスクが意識されたことが本質です。

ところが6日には状況が一変し、NYダウは50,115.67(+1,206.95、+2.5%)と史上初の50,000突破、S&P500は6,932.30(+2.0%)、NASDAQも23,031.21(+2.2%)と急反発しました。

これは、売られすぎたハイテク株の買い戻しダウの心理的節目突破による投資家心理の改善が重なった結果であり、短期筋のショートカバーも相場を押し上げました。

結論として、先週の米国株はAI革命は本物だが、儲け方は別問題という市場の現実的な目線が露呈し、特にハイテク株が成長神話から利益検証フェーズに移行した週だったと言えます。

資産形成の観点では、こうした局面で重要なのは短期の値動きに振り回されず、S&P500や全世界株式インデックスなどを軸に分散投資を継続する事が大事です。

そして、AI・半導体・ソフトウェア株は夢ではなく利益率で選別される時代に入ったことを理解することです。

スポンサーリンク

これからの投資戦略

雇用統計と決算に注目しましょう


今週の米国株は、前週にNYダウが史上初の5万ドル台に乗せた直後という高値圏で迎えることになり、投資家心理が強気に傾く一方で、重要経済指標の結果次第では急落も起こり得る極めて神経質な週となるでしょう。

10日には、米国の景気とインフレの両面を測る重要指標が集中し、特に注目されるのが小売売上高です。

小売売上高は米国GDPの中心である個人消費の強弱を示すため、結果が強ければ景気は底堅いがインフレ再燃で利下げが遠のくという連想が働き、ハイテク株に逆風となる可能性があります。

そして、この週の最大級イベントが11日の米国雇用統計で、通常は月初に公表される雇用者数・失業率・平均時給のデータが、政府機関閉鎖の影響によるスケジュール変更で、この日にずれ込んだ点が投資家の注目を集めています。

この数字が上振れれば、景気過熱→利下げ延期→株式に逆風という反応が起こりやすく、逆に下振れれば、景気減速→利下げ期待→株式追い風という流れで投資家の期待が株価に織り込まれる可能性があります。

12日には新規失業保険申請件数が発表され、これは雇用統計より速報性が高い指標として、労働市場の変化を市場が再評価する材料になります。

申請件数が増えれば景気減速シグナルとして金利低下を通じて株高要因になりやすい一方、急増すれば景気後退懸念に直結し、リスクオフで株安に傾く可能性もあるため、内容次第で相場のムードが一変する危険な日でもあります。

そして週のクライマックスが13日の米国CPI(消費者物価指数)で、これはFRBの金融政策を左右する最重要指標であり、インフレが市場予想を上回れば米国債利回りが上昇し、特にPERが高いハイテク株が大きく売られる展開になるかもしれません。

今週は、表面的には好決算やAIブームで上昇基調に見えながらも、実態はインフレと雇用の数字次第でNASDAQが急落し得る綱渡り相場であり、特に金利に敏感な半導体・AI関連銘柄、SaaS企業、グロース株はCPIと雇用統計の結果で大きく振れる可能性が高い週となるでしょう。

投資戦略としては、短期売買では指標発表前後の乱高下に巻き込まれるリスクが大きいため、長期の資産形成を目的とするならS&P500などのインデックス投資を軸にしつつ、重要指標発表週は過度なレバレッジや集中投資を避ける姿勢が合理的かもしれません。

スポンサーリンク

まとめ

いかがでしたか?

AIの進化がSaaSなどソフトウェア企業と競合し、AIによってこれらのセクターは駆逐されるのではないかとの懸念で暴落しました。

しかし、包括的な活躍とは裏腹に、正確性や専門性など現在のAIでは表現不可能なデメリットもあるため、いずれはこれらの企業とも共存する妥協点で折り合うと考えられます。

従って、決算をしっかりクリアしている企業は生き残り、半減近くまで落ち込んだ株価も時機に勢いを取り戻すでしょう。

今の決算シーズンで注目すべき項目をしっかり確認し、今後の投資行動に繋げましょう。

タイトルとURLをコピーしました