- 非農業部門雇用者数は予想を下回る
- 平均時給は+10¢と予想を下回る
- 景気の落ち込みはそれ程でもなく米国経済は底堅い
雇用統計の結果
2023年4月7日に発表された雇用統計の結果は以下の通り。
非農業部門雇用者数前月比予想23.9万人に対し、結果23.6万人。
失業率予想3.6%に対し、結果3.5%。
平均賃金前月比予想0.4%に対し、結果0.3%。
失業率を除き概ね予想を下回りましたが、インフレ鎮静化を決定付ける様な目の覚める結果とはなりませんでした。
米国の地方銀行破綻で金融引き締めに対する大きな流れは変わったものの、雇用統計の結果からも分かる通り、米国全体の経済は市場予想と違い底堅い展開となっています。
確かに、米地方銀行の破綻や巨大テック企業のレイオフは話題になりましたが、米国全体で見れば一部のセクターであり、それが直ちに米国経済に致命傷を与えるかと言われれば可能性は低いと考えます。
しかも、米国ではレジャー関連の雇用が増加しており、新型コロナ以降空港では飛行機は満席が当たり前になるなど値段も上がったままの状態が続いています。
つまり、ハイテク企業や銀行など一部の高所得者の離職が騒がれているだけで、米国経済はそこまで落ち込んでいないのではないかとも考えられるのです。
今回の結果は特にサプライズもなく、FRB(米連邦準備制度理事会)は5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で最後の利上げをした後はその水準を維持する考えを示しており、その後は景気を見ながら判断すると言う考えは変わらないでしょう。
今後の投資戦略
今のところ大きな流れは変わっていない事から、引き続き買い姿勢で臨みましょう。
景気悪化懸念からディフェンシブ株に資金が流入していますが、それも決定的な要因がある訳ではないためハイテク株同様一時的なものと考えるのが妥当かもしれません。
FRB(米連邦準備制度理事会)が推し進める金融引き締め策も、最終局面である事に変わりはなく、これからも堅調に推移する考えに変わりはありません。
ただし、来週以降本格的な決算シーズンを迎えるため、保有銘柄の決算内容はしっかりと確認するようにしましょう。
高金利下では、利益の出ていない企業に投資する事は資金を失う可能性が高く、これまで通りの投資戦略では間違った判断になりかねません。
従って、各企業が発するメッセージを聞き逃さないようにしましょう。
対して、長期投資をメインにする投資家やこれから投資を始めようとする投資初心者は、インデックスファンドを主な投資先を考えているでしょうから、買いタイミングなど考えず時間を味方に付けじっくり投資しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
4月は多少のリスクもありますが、投資しやすい環境である事に変わりはないでしょう。
これから投資を始める人も、投資に興味はあるけど中々行動できない人も、自分の頭で考え早めの行動を心掛けるようにしましょう。