- 9日(木)米2月PCEデフレーター発表
- 10日(金)米3月CPI発表
- ホルムズ海峡封鎖の行方
これまでの動き
先週の米国株は、週単位では上昇しており主要指数はプラスで終えていますが、その中身は非常に不安定で、決して強気に転じた相場ではない点を正しく理解することが重要です。
この期間、S&P500やNASDAQ、ダウ平均はいずれも週間ベースでは上昇し、特に3月31日にはS&P500が約2.9%上昇するなど大きな反発が見られ、結果としてそれまで続いていた下落トレンドに一時的な歯止めがかかりました。
しかし、この上昇は企業業績の改善や経済の好転といった本質的な要因によるものではなく、あくまで短期的な需給による反発、いわゆるショートカバーや過度な悲観の巻き戻しによるものである点に注意が必要です。
実際、この週の相場を動かしていた主因は、トランプ大統領によるイランへの強硬発言と、それに伴う中東情勢の緊迫化、そして原油価格の急騰でした。
原油価格は一時1バレル110ドル近くまで上昇し、エネルギーコストの増加によるインフレ再燃懸念が市場全体に広がりましたが、この動きは株式市場にとって明確なマイナス材料です。
さらに、イラン関連施設への攻撃やホルムズ海峡を巡る緊張が報じられる中で、エネルギー供給の不安が高まり、リスク回避の動きが強まりました。
このように、週単位で見ればプラスであっても、その内訳は大きな上げと下げを繰り返す極めてボラティリティの高い相場であり、投資家心理は依然として不安定な状態にあります。
また、原油価格の上昇はインフレ圧力を強めるため、FRBが利下げに踏み切りにくくなるという構造的な問題もあり、金融緩和期待の後退が株価の上値を抑える要因となっています。
つまり、この週の上昇はトレンド転換を示すものではなく、下落トレンドの中で発生した一時的な戻りに過ぎないと考えるのが妥当です。
特に現在の市場は、企業のファンダメンタルズよりも政治や地政学リスクに強く影響される政治相場の色合いが強く、トランプ政権の発言一つで原油価格や株価が大きく変動する状況にあります。
そのため、投資判断においては表面的な指数の上昇だけを見るのではなく、その背景にある要因や持続性を見極めることが不可欠です。
総じて言えるのは、先週の米国株は確かにプラスで終わったものの、それは安心してよい上昇ではなく、むしろリスクが高まる中での不安定な反発であり、今後の相場を判断する上では引き続き原油価格の動向、中東情勢、そして金融政策の方向性を注視する必要があるということです。
これからの投資戦略
我慢の時期が継続中です。
今週の米国株は、通常であればCPIやFOMC議事録といった経済指標が主役となる局面ですが、この週に関してはそれらを上回る形で中東情勢、特にホルムズ海峡の実質的な封鎖とそれに対する国際社会の対応が市場を支配する構図となっています。
そのため、投資判断においては従来以上に地政学リスクを中心に据える必要があります。
まず最も重要なポイントは、ホルムズ海峡を通過する原油輸送が大幅に制限されている点です。
世界の石油供給の約20%がこの海峡に依存している中で、通過量が前年比で約90%以上減少したとされる状況は、実質的な供給ショックといえます。
この影響を受けて原油価格は急騰し、WTI原油は一時115ドル前後、ブレント原油も109ドル近辺まで上昇しており、これは企業のコスト構造に直接的な打撃を与えるだけでなく、インフレ圧力の再燃を意味します。
こうした中で約40か国が参加する緊急協議が行われ、海峡封鎖は世界経済への重大な脅威であるとの共同認識が示されました。
安全な航行の確保に向けた連携が検討されていますが、軍事的対応については慎重姿勢が目立ち、短期的な供給回復には至っていない点が市場の不安を増幅させています。
さらにトランプ大統領によるイランへの強硬発言も相場を大きく揺らす要因となっています。
48時間などの時間制限で、エネルギーインフラへの攻撃や報復措置の可能性が示唆されたことで、戦争の長期化や拡大リスクが意識されリスク資産からの資金流出を招いています。
このような状況下で発表される経済指標にも注目は集まりますが、その解釈は通常とは異なります。
例えば、CPIはこのインフレが需要の強さではなく供給制約によって引き起こされている点にあります。
そのためFRBは景気を下支えするための利下げに動きにくくなり、結果として金利の高止まりが長期化する可能性が高まります。
また8日に公表されるFOMC議事録では、政策当局者がどの程度インフレ再燃を警戒しているかが焦点となりますが、もしタカ派的なスタンスが確認されれば株式市場には追加の下押し圧力がかかることになります。
この週の米国株は、表面的には経済指標の結果に反応するように見えても、その本質は原油価格と中東情勢に強く依存しており、特にホルムズ海峡の通行量の回復が見られるか、あるいは40か国の連携が具体的な行動に移るかが最大の分岐点となります。
したがって投資家としては、単に経済指標の数値を見るだけでなく、その背後にある供給構造や地政学リスクの変化を総合的に判断し、短期的な値動きに過度に反応するのではなく、中長期的なリスク管理を重視した戦略を取ることが求められる局面であると言えます。
まとめ
いかがでしたか?
今の経済の最大関心事は、ホルムズ海峡封鎖の行方が中心となっています。
イラン攻撃が長期化すればするほど株価には悪影響になるため、世界中の投資家はリスクオフを強いられており、神経質な相場が続くでしょう。
しかし、長期投資が目的であるなら、目先の情報に踊らされずコツコツ継続する事が大事です。
あなたの投資目的履き違えない様にしましょう。
