- 5日(火) 米2月ISM非製造業景気指数発表
- 7日(木) ユーロ圏3月ECB政策金利発表
- 8日(金) 米2月雇用統計発表
これまでの動き
エヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)の決算クリアから米国株は再び上昇基調が鮮明となり、ハイテク株を中心に堅調な展開となりました。
エヌビディアは、AI関連の根幹であるGPUの製造でトップを走っており、その売り上げ成長などが今後のAI市場を占うと言っても過言ではありませんでした。
巨額のAI投資によって、AI市場はようやくマネタイズに成功しましたが、それらの規模がどのぐらいかは判断が難しい所でした。
しかし、エヌビディアの決算内容を見た投資家は、それら全ての懸念が一気に払拭される結果となりました。
従って、今のハイテク株が牽引する株式相場は実績に裏打ちされたものであり、決して期待ばかりが先行した虚栄ではありません。
AI市場の規模や技術は米国がトップのシェアを独走しており、投資家にとっても米国株メインの投資で間違いはないでしょう。
日本もバブル期に付けた史上最高値を更新し、今や日経平均株価は4万円が目の前まで来ています。
日本株も米国株同様、上昇相場の中で最高値を更新し続けています。
しかし、日本は米国の様に何か新たなイノベーションが生み出されたり、経済の底堅さや政府・中央銀行の正しい判断が景気を押し上げたりしているでしょうか?
政府は無意味な増税を繰り返し日本国民を淘汰し続け、中央銀行である日銀はコストプッシュ型インフレにも関わらず、インフレ・円安のワードだけでマイナス金利解除を強行しようとしています。
普通に考えれば上昇する理由などありません。
ではなぜ日本株が上昇しているかと言えば、海外投資家の資金流入でしょう。
直近のデータでは、海外投資家は7週連続で買い越しており、その規模から株価の上昇要因となっています。
理由として考えられるのは、中国の急速な景気悪化や円安による相対的な割安感などがあげられます。
しかし、いずれの理由も日本企業や日本経済の良さを理由にした積極的な投資ではなく、他国からの退避資金や短期の消極的選択肢によるものです。
日本はGDPでドイツに抜かれ4位に転落しましたが、経済規模や制度の確立など投資に適した環境なのは間違いありません。
実際に、一昔前までは「円は安全資産」と思われるぐらい有事の際は日本に資金が集まっていました。
その後、政府の失策でイノベーションや経済成長が起きない市場となり、世界の投資家から見放されました。
一部のグローバル企業は、その現状を打開しようと行動に移しています。
しかし、日本のほとんどは中小企業のため自力で解決することが難しい事に加え、政府が年々増税等で企業を苦しめてきたことを考えれば成長しないのも至極当然と言えるでしょう。
それが海外にも伝わってきたのか、今や日本への投資は見る影もありません。
しかし、それでも中国を始めとした大規模な市場から逃げてきた資金量は、そんな日本にも流入してきました。
その結果、今の様な株高となったという訳です。
従って、日本国内で何か革新的な要因があった訳でも、国内が成長軌道に乗った訳でもありません。
それにも関わらず、政府は自らの実績だと語り、日銀はマイナス金利の解除を実行しようとしているのです。
当然ですが、そんなことをすれば2022年上期の米国株と同じような末路を辿る可能性は非常に高く、また経済の下支えがないためどこまで落ちていくかの予想が建てられません。
つまり、日・米共に上昇相場であってもその要因が全く違うのです。
これからの投資戦略
成長の裏付けがあるセクターに投資しましょう。
以上のように、世界中の株価が上昇基調にあっても、その要因は様々であるため内容を良く精査する必要があります。
米国の様にインフレの動向によってFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げ時期を後退させているのか、日本の様にただ海外投資家の資金流入によって一時的に上昇しているのか、その見極めは投資家個人に委ねられています。
各国中央銀行の政策は今週の重要指標などで確認する必要がありますし、日本も間違ったマイナス金利解除を止める何かが起きる可能性も完全には否定できません。
それらを把握しながら投資しないと簡単に損するでしょう。
それが分からないのであれば、長期投資家の様にコツコツ積立投資をするべきです。
新NISA(少額投資非課税制度)を利用した積立投資であれば、そのファンドさえ間違えなければあとは時間と継続力だけですので、直近の動きに対し一喜一憂する必要は無くなります。
投資初心者は投資のイメージや考え方から学び直さなければいけませんので、日々のホームワークを怠らず経済や世界の動きについて勉強しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
投資家にとって今ほど気持ちの良い時期は無いでしょう。
何を買っても上がるような相場はそう簡単には訪れません。
しかし、今の相場は上昇要因がそれぞれ違いますので、決して騙されず自分の目で判断しましょう。