- 15日(月)米3月小売売上高発表
- イスラエル周辺の地政学リスク上昇
- 金や原油などのコモディティ価格上昇
これまでの動き
直近の経済指標が予想を上回る結果となった事や、イランがイスラエルに対し報復行為を行った結果、中東戦争に発展するのではないかとの地政学リスクなどから下落する展開となりました。
一つ目の経済指標の結果は、金や原油などコモディティ価格上昇などと併せて、再びインフレ率が上昇するのではないかとの懸念から、期待されていた6月の利下げが無くなり、それに失望した投資家が売りを加速させました。
FRB(米連邦準備制度理事会)は、2024年に利下げを3回行うと言う見通しを発表していただけに、6月の利下げが無くなった事はこの3回利下げの可能性も実質無くなったと考えて良いでしょう。
2024年11月に米国大統領選挙が控えており、その当落に影響を与えることを良しとしないFRBは、大統領選の近くで政策変更を行う事は考え難く、仮に6月の利下げが見送られた場合、あと利下げできる可能性がある月は7月と12月しかありません。
しかし、米国経済が力強く、直近の経済指標も予想を超える結果が出ているとなるとFRBは利下げする理由がなくなり、現状維持を貫く可能性が高まります。
つまり、利下げを過度に期待した投資家にとっては苦しい相場になることが予想され、それまで気持ちよく上昇してきた相場も一旦足踏みになるでしょう。
それが分かっているのか、投資家の間でも5月・6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を維持する確率が最も高く、7月の利下げ確率も現状維持とほぼ変わらない状況となっています。
このまま利下げが無いとなると、米国金利は高いまま推移することになるので、ドル高の現状が維持されることに加えて、ハイテク株を中心としたグロース株は苦戦することが考えられます。
二つ目の地政学リスクは、イスラエルがハマスとの紛争を抱えている最中にイラン関係施設を攻撃してしまったため、イランがその報復に乗り出したという訳です。
米国はイランへの報復支援を行わない旨の発表をしていますが、イスラエルの動きによっては中東戦争に発展する可能性もあり注意が必要です。
今の所その可能性は低いですが、情報は注意深く収集する必要があります。
このような状況にあっては、年初の様な上昇は期待できず、苦しい展開が続くと予想されますが全降りする状況には至っていませんので、過度な悲観論に騙されないようにしましょう。
これからの投資戦略
決算内容を注視しましょう。
日・米共に本格的な決算シーズンに入り、その内容によって明暗が分かれています。
米国経済は底堅く、また企業業績は今の所悪くないため、決算良好銘柄を保有し続ける事が大事です。
米国株なら何でも良いという訳ではありません。
個別株はその業績をしっかり確認しなければ儲ける事は出来ませんし、短期トレードにしても値幅が取れません。
長期投資家や積立投資を始めた投資初心者は、これらの内容よりも購入したファンドは間違っていないか、長期で積み立てるマインドは整っているのかなど違った視点が必要ですので間違った情報に踊らされることのないようにしましょう。
積立投資などは最適解が広く周知されていますので、間違ったファンドを選ばなければ最後は好みの問題になります。
金融機関の窓口に行って素人の販売員に騙されるなどしなければそこまで大きな違いはないでしょう。
今は積極的に買い上がる時期ではないかもしれませんが、次の買い場までしっかりホームワークを続けましょう。
まとめ
いかがでしたか?
4月に入って株価が下落基調になっていますが、過度に心配する必要はありません。
原因をしっかり把握し、次の上昇相場に向けて準備をする期間もあるでしょう。
あなたの資産を増やして行くためにも日々ホームワークを行ってください。