- 2日(月)米5月ISM製造業景況感指数発表
- 5日(木)欧6月ECB政策金利発表
- 6日(金)米5月雇用統計発表
これまでの動き
先週の米国株は、月末にかけてやや調整を見せたものの、全体としては底堅い動きとなりました。
米国株主要3指数はそれぞれ週間で上昇を記録し、特にナスダック総合指数はAI関連株の急伸を受けて好調なパフォーマンスを見せました。
S&P500は週間で1.1%上昇し、5月の月間リターンとしては6.2%のプラスを記録しました。
これは2023年以降で最大の月間上昇率となり、投資家心理の改善を如実に示しています。
ダウ平均株価も+0.9%と安定した上昇を維持し、景気敏感株への資金流入が続いていることを裏付けました。
今週の上昇を牽引した要因の一つは、エヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)をはじめとしたAI関連銘柄の決算発表です。
エヌビディアは売上・利益ともに市場予想を大きく上回り、株価は史上最高値を更新しました。
しかし、ガイダンスは中国への輸出規制への影響を配慮し、やや控えめで予想を下回る結果となりました。
この動きを受けて、ハイテクセクター全体に買いが広がりました。
MicrosoftやGoogleなど、AI技術に関連する大手銘柄も堅調に推移しました。
一方で、週末にかけてはやや慎重なムードも漂いました。
30日にトランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税を倍増させる意向を表明したことで、米中通商関係への懸念が再燃しました。
これを受けて一部の投資家は利益確定売りに動き、指数の上値はやや抑えられました。
また、PCEインフレ率や失業保険申請件数、GDP改定値といった重要な経済指標も相次いで発表され、FRBによる利下げ時期への関心が高まっています。
これらのデータはおおむね市場予想に一致しており、金利のピークアウト観測が引き続き株価の支援材料となっています。
全体として、米国株は堅調なファンダメンタルズとAI主導の成長期待に支えられながら、月末には政治リスクへの警戒感も強まるという、バランスの取れた動きを見せました。
投資家にとっては、短期的な材料と中長期の成長テーマを見極める姿勢が引き続き重要となる週となりました。
これからの投資戦略
引き続き慎重な姿勢を保ちましょう。
これからの米国株は、5月に好調だったAI関連銘柄の影響で投資家心理は改善しているものの、今後の相場に対しては依然としていくつかの懸念材料が存在しています。
その中でも特に注目されるのは、トランプ大統領が発表した鉄鋼やアルミニウムへの関税倍増方針に伴う米中貿易摩擦再燃のリスクです。
これは、世界経済における供給網の混乱やコスト上昇、企業収益への悪影響を引き起こす可能性があることに加え、中国が進める戦略物資、特に希少金属の輸出規制の動きが半導体やEVなどのハイテク産業にとって不透明感を高めている点も無視できません。
これらの地政学的要素に加えて、FRBが今後の政策金利に関してどのような決定を下すかも極めて重要です。
金曜日に発表予定の雇用統計や6月のFOMCの結果を受けて、インフレ減速が続いているか、あるいは労働市場が過熱気味かどうかによって年内利下げの実現性が左右されるため、投資家としてはFRBのスタンスを見極める必要があります。
加えて、保護主義政策や財政出動といった発言が相場に与える影響も見逃せず、さらに5月に急騰したAI関連株に関しては、過熱感や高バリュエーションに伴う利益確定売りのタイミングも意識する必要があります。
今後の市場では金利・インフレ・政治リスク・企業業績・地政学という5つの軸を常にチェックしつつ、短期のボラティリティに一喜一憂せずに中長期の成長テーマを見据えた分散投資やリスク管理が一層重要となるといえるでしょう。
新NISAを利用した積立投資や長期投資に関しては、引き続きコツコツを継続する事が大事です。
今年は去年ほど勝ちやすい相場ではないものの、短期の値動きに惑わされず数十年後の経済的自立のために続ける必要があります。
感情を揺さぶられる煽り記事に騙されない様にしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
引き続きトランプ関税に注目する必要があります。
世界を見渡せば順調な市場もありますので、これまでの米国株一強の考えは捨てましょう。
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