- FRBは経済指標によって政策を決定する
- 米国の経済指標は強い
- 利上げ停止と利下げ時期について乖離が生まれている
FOMC後の株式市場の動き
5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利上げが決定された後、株式市場は一進一退の状況となっています。
米国地方銀行の相次ぐ破綻で、FRB(米連邦準備制度理事会)はこれ以上の金融引き締めが出来ないのではないかとの思惑から早期政策変更の期待が高まりました。
しかし、実際破綻した地方銀行は、経営上の問題で取り付け騒ぎとなり破綻した事が主な原因であったため、連鎖的破綻から米国金融不安に陥ることはありませんでした。
過度に悲観的であった投資家は、それでもこの先米国経済の混乱でFRB(米連邦準備制度理事会)は早期利下げに舵を切るのではないかと考えています。
現在のところ、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げ停止する確率が8割を超えており、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げに転じる確率が5割弱となっている事からも、投資家はFRB(米連邦準備制度理事会)が早期利下げに転じる事を織り込んでいます。
パウエル議長会見でも、利上げ停止後も政策金利の水準を維持すると言った文言が消えており、これも早期利下げに転じる根拠となっています。
ですが、FRB(米連邦準備制度理事会)はあくまでタカ派から中立にスタンスを変えただけで、ハト派に転じたとまでは言えません。
なぜなら、失業率は過去最低を更新し、依然として平均賃金は上がり続けているため労働市場は極めて強いと言わざるを得ません。
米CPI(消費者物価指数)も9%を超えていた頃から順調に低下しているものの、現在は4.9%と決して低くない数値となっています。
従って、賃金インフレなどの鎮静化の道筋が立つまで利下げに転じることは無いと考えます。
ただし、経済の急激な変化など、経済にとって深刻な事態になればその考えも改めなければなりませんので、引き続き米国経済に関する情報には注意が必要です。
これからの投資戦略
今は買いにいける場面ではないと考えます。
当然ですが、長期投資目的や積立投資などコツコツ続けている投資まで止める必要はありません。
今までの様な売買頻度では、あなたの投資成果を落とす可能性がありますので控えた方が賢明でしょう。
決算シーズンの中で決算をクリアした銘柄も散見されており、買いにいきたい気持ちも分かりますが、今はあまりにも環境が悪いため我慢して下さい。
何より、FRB(米連邦準備制度理事会)と投資家の間で政策金利の行方に関して大きな溝が出来ていますので、下手をすればこれから調整局面が来ても可笑しくはありません。
過度な期待からハイテク株を中心に上昇している銘柄も見受けられますが、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに動かないと分かると、その辺の銘柄は失望売りの圧力が掛かり易いと考えます。
FRB(米連邦準備制度理事会)の動向を見ながら、今はこれから来るであろう買い場のためホームワークを続けるべき時期なのかもしれません。
株取引は一旦休憩して、相場観のアップデートなど戦略を見直す努力をしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
投資は常に取引していれば良いという訳ではありません。
適切なタイミングで適切な場所に投資しなければ満足な成果は得られません。
迂闊な判断は、せっかく稼いだ投資資金も簡単に溶かしてしまうかもしれません。
必要に応じて行動できるよう準備しましょう。