- 10日(水)米CPI発表
- 雇用統計は強い結果が出ている
- 米地方銀行の経営不安はひと区切り
FOMCと雇用統計の結果から見えること
先週は重要なイベントが多く、米国経済の現状を再確認する大事な週となりました。
ファースト・リパブリック・バンクの破綻は、JPモルガン・チェースが買収する事で合意しました。
ファースト・リパブリック・バンクも破綻した他の米地方銀行の様に大胆な経営を行っており、ハイテク企業の創業者などが主な取引相手であったため取り付け騒ぎが起こってしまいました。
今回の破綻も、やはり経営戦略に問題があったためであり、米国の金融に対する不安によるものではない事を理解しなければなりません。
この他にも、株価が急落した地銀株がありましたが、それら銀行の経営は盤石であり結局株価は反発するという結末を迎えています。
5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)終了後のパウエル議長会見では、追加の引き締め措置についての文言が削除されたことでFRB(米連邦準備制度理事会)のスタンスがタカ派から中立になりました。
加えて、リセッション入りの可能性はあるものの、それは浅いものになるだろうとの説明をしています。
今後のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、経済指標を重要視していくとの見解を示しており、経済指標の確認はより重要となりました。
一方で、雇用統計の結果はいずれも強いものとなっています。
非農業部門雇用者数は予想を上回ったものの、前回までの数字が下方修正されているため平準化すれば概ね予想通りの結果となっています。
しかし、失業率は3.4%と過去最低を記録しており、労働市場の強さを物語っています。
平均時給にしても、+16¢と予想を超えた伸びとなっており、特にサービス業などの部門で人手不足による賃金上昇圧力が増しています。
FRB(米連邦準備制度理事会)は賃金インフレに対して非常に警戒しています。
賃金インフレは下がり難いため放置することが出来ず、今後の結果次第によっては次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)でも利上げの可能性があるかもしれません。
現在は投資家の9割以上が利上げ停止を予想しており、今後の動向に注目です。
これからの投資戦略
強気の姿勢はやや控えるべきと考えます。
ここから米国経済が崩れるとは考え難いですが、これまで株式市場は早期利下げ期待など楽観的な姿勢を見せており、FRB(米連邦準備制度理事会)や議会の債務上限問題などのリスクに直面すると株価は調整する可能性が高いでしょう。
ただし、これらの影響で上昇相場が転換するなど大局観が変わるような事にはならないと考えますので、注意しながらも投資は続けていくべきです。
日々のトレードなどはある程度控えるべきでしょが、長期投資や積立投資などは継続するようにして下さい。
仮に、利上げ停止が確認され、その後米国経済が不安定になった場合など利下げ局面になればまた投資チャンスは訪れます。
株式市場から逃げる場面ではありませんので、悲観的になる必要はありません。
まとめ
いかがでしたか?
先週日本はゴールデンウイークでしたが、世界では非常に重要な週となっていました。
今日から頭を切り替えてしっかりホームワークに励みましょう。