- 14日(水)米7月CPI発表
- 15日(木)米7月小売売上高発表
- 決算内容により明暗が分かれる
これまでの動き
先週の米国株は、直近の雇用統計の結果を含めた経済指標が相次いで予想を下回った事で、米国経済のリセッション入りが強く意識され急落する展開となりました。
その反動で、一部買戻しの動きも見られましたが、今まで通りの上昇基調に戻る所までは行かず投資家にとって苦しい流れとなっています。
これまでは、デマンドプル型インフレを退治するため急速に利上げを実行してきましたが、インフレ率が鈍化するにつれ、賃金インフレを含めたコストプッシュ型インフレが実体経済を蝕んでいる事が徐々に明るみになってきました。
それまでの価格上昇に加え、これまで上昇してきた労働者賃金も最終消費者へ転嫁し続けてきた結果、消費者も我慢の限界を迎え米国でも大きな買い控えの流れとなりました。
給料が上がっても商品価格がそれ以上に上昇すれば消費者の購買意欲も削がれる事となり、いくら消費大国アメリカと言ってもその流れに抗う事は出来ませんでした。
GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費が減速すれば、いかに経済大国であっても景気悪化は避けられず、目に見える消費の落ち込みから各社は決算をミスする事態となっているのです。
それはこれまで好調であったAI関連銘柄であっても例外ではなく、今後のガイダンスが予想を下回る結果が相次いだ事もあり割高でも株価を牽引してきたハイテク株を中心に急落しました。
これではハードランディングによる致命傷になりかねないと、FRB(米連邦準備制度理事会)も9月への利下げに言及し何とか景気後退を防ぐための対策を鮮明にする姿勢を見せました。
その後、新規失業保険申請件数などの指標が予想より良い結果が出てきた事から、今は株価も落ち着きを見せ始めています。
それを見た投資家は、これまで9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%利下げの可能性を織り込んでいたものの、現在は0.25%利下げと0.50%利下げの確率が半々となっています。
加えて、年末までのFF金利(フェデラルファンズレート)も4.25%~4.50%と利下げのペースは緩やかなものになる事を織り込み始めています。
つまり、FRBも性急な利下げの実行は無いと考えていると共にまだ米国経済は完全に後退していないと考えているのかもしれません。
FRBによる利下げ政策への変更は変わりませんが、今後はそのペースに注目していきましょう。
これはユーロ圏なども同じ流れになっており、世界的に景気後退懸念からの利下げがトレンドになっていくでしょう。
一方日本では、財務省の強力な圧力の結果、日銀会合で0.25%への利上げを決定し株価が暴落する展開となっています。
その理由も、単に円安基調からの脱却のみと、日本経済をまるで理解していない短絡的な思考から強行されたものであり、米国の利下げ姿勢と日本の利上げで起きた円高による株価暴落も正当な評価と言えるでしょう。
日米金利差による短期的な円安基調は理解できますが、そもそもデフレ脱却を掲げていたにもかかわらず正しい財政政策を取らずデフレを放置したため、本当の意味でのデフレ脱却が出来ず正しい金融正常化が行えませんでした。
ただ円安に推移したと言う理由だけで、マイナス金利が悪だと責任を日銀の金融政策に押し付け異次元の金融緩和を否定しただけでなく、真の戦犯である財務省に責任が及ばない様に政府と日銀に圧力をかけ増税・利上げの緊縮路線を強化させ日本国民の怒りを集中させました、
日本の経済成長を日本政府自身が封じているため、基本的に投資価値は無くこれまで先人が築いた資産を切り売りしながら経済大国だと主張している訳ですから、当然成長による長期投資など期待できません。
つまり、日本株暴落は人為的に引き起こされたのです。
直近ではあまりに売られ過ぎとの反応から買い戻しも起きていますが、利上げする国の株を買う価値はなく、しかも不景気に利上げする異質の政策を取る国にどのような投資価値があるのかわからないと言うのが正しい投資家の判断でしょう。
今は短期トレードのおもちゃにされている日本株ですが、それが落ち着けば日本株も以前の様な下落トレンドの中で見向きもされないセクターとしての立場を取り戻すでしょう。
従って、日本株に投資価値はありません。
これからの投資戦略
決算内容に注目しましょう。
米国やユーロ圏では、今後中央銀行による利下げ政策や各国政府によるコストプッシュ型インフレ対策などが考えられるため、本格的な投資準備が整いつつあります。
しかし、これまでの様になんでも買えば上がると言うようなことはなく、AI関連銘柄の急落から始まった米国株の下落は同じAI関連銘柄で上昇するのは難しいでしょう。
従って、今期の決算内容をしっかり把握し、今の米国経済の状況でもしっかりと決算クリアできる銘柄を今の内から選定しておく必要があります。
いくらAI関連銘柄が牽引してきたからと言っても決算ミスすれば投資家から見放されますし、これまでの評価が剥落する訳ですからすぐには株価も回復しません。
今後の資産形成に個別株を入れているのなら、決算良好銘柄に入れ替える必要性に迫られるかもしれません。
一方で、新NISA(少額投資非課税制度)を利用した積立投資などの長期投資家は、今まで通りコツコツ投資を継続させましょう。
これまでの流れで多くの投資初心者が投資の世界から退場しましたが、それは素人インフルエンサー等の言葉を鵜呑みにして安易に行動したツケなのかもしれません。
投資の事を深くは理解していなくても、長期投資とは何なのかを理解する必要はあったため、最低限のホームワークをせず投資したのなら株価暴落で退場するのも無理はありません。
ただし、あなたにとって本当に必要な情報に触れていたのであれば、今回の様な暴落局面でもしっかり耐えることが出来、投資を続けていられるのではないでしょうか。
今回の事で、暴落によって消えていくインフルエンサー等や、あなたの投資目的に合わない情報を流し続ける著明な人物などが分かったはずです。
あなたの投資目的に合わせて適切な情報を選んで手に入れていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
暴落のたびに右往左往している様では長期投資家とは言えません。
しかし、資産形成に大事なマインドを教える情報は決して多くありません。
あなたにとって必要な情報で、より効率的に資産を増やしていきましょう。