- 15日(火)米7月小売売上高発表
- 米10年債利回りが4%を超える上昇基調
- 米企業業績は悪くない
これまでの動き
米国の第2Q決算が概ね出揃い、結果は予想を上回る企業が多かったものの株価はギクシャクする展開となりました。
これまで米国株を牽引してきた巨大テック企業の成長率は鈍化しており、今後は今までの様な考えを見直す時期に来ているのかもしれません。
加えて、AIブームと呼ばれたハイテク株の上昇がひと段落し、今後はストーリーではなく利益を出し続けていけるのかと言う観点で注目する必要があります。
米国のCPI(消費者物価指数)は沈静化していますが、直近ではエネルギー価格が上昇しており再びインフレ上昇圧力が懸念されています。
これは旅行シーズンなどの影響もありますが、コモディティ全体が上昇基調になっている事からFRB(米連邦準備制度理事会)が更に金融引き締め政策を長期化させるのではないかとの思惑などもネガティブ要因となっています。
利上げ局面が長引けば投資家が待ち望んでいる利下げへの政策変更が遠退く事になるため、決算良好銘柄だからと言って積極的に買い上がる事が難しく我慢の時期が続きそうです。
そして何より、米10年債利回りが上昇し続け現在も4%を超えています。
米10年債利回りの上昇は株式市場にとってネガティブ要因ですので、高PER(株価収益率)の銘柄などを中心に下落局面となっています。
利上げ局面が長引けば長引くほど上昇基調が続く可能性が高いですので注意しましょう。
これからの投資戦略
夏場は我慢の時期が続くでしょう。
2023年に入ってからNasdaqを中心に上昇してきましたが、直近の下落はそれまで大きく上昇してきた市場ほど下げているだけですので、ここから暴落が来るなどと言う心配は必要ありませんが我慢は必要でしょう。
FRBは9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では利上げしないとの見方が強いですが、11月のFOMCでは利上げする可能性が高まっています。
なぜなら、依然として賃金インフレは高止まりしており、世界の景気はそれ程傷んでいないためリセッション入りの可能性は低いとみられているからです。
労働者にとって賃金上昇は歓迎すべき事ですが、経済にとってはインフレを引き起こす可能性に繋がるため調整が必要なのです。
従って、米国経済が強いままでは金融引き締め政策を変更できないため難しい局面が続きます。
ただし、以前から伝えている通り利上げ局面は最終段階であり、利上げペースも極めて鈍化している状態である事を忘れてはいけません。
FRBの仕事は終了段階に来ている事を理解しましょう。
まとめ
投資家の中には常に売買をしないと気が済まない人もいるでしょう。
しかし、投資は儲けるためにするものであって刺激を求めるためにするものではありません。
勝てる可能性が高まっている時に本格的な行動をすべきであって、時には休むことも大事であるのも忘れないでください。
ただし、ホームワークは怠らずに。