- 31日(木)米7月PCEデフレーター発表
- 1日(金)米8月雇用統計発表
- 世界的に債券利回りが上昇基調
これまでの動き
中国不動産危機で世界のマーケットが混乱している事や、世界的な債券利回り上昇で株式市場にとって厳しい状況が続いています。
一方で、ジャクソンホール会議が無事終了し、特にサプライズもなかったことから投資家に安心感が広がりました。
中国不動産危機などのリスクは長期化する可能性がありますが、ジャクソンホール会議の内容は既に投資家に織り込まれていたため上昇起点になるほどの材料ではありません。
従って、これから先も株価にとって難しい相場が続くことが予想されます。
米長期金利が上昇している原因の一つは賃金インフレの高止まりでしょう。
FRB(米連邦準備制度理事会)が問題視していたCPI(消費者物価指数)は、ここ1年をかけて3.2%まで低下してきました。
そのため、金利引き締め政策は早期に解除されるかと投資家は考えていましたが、失業率は低く雇用環境は依然として強いままであり、特に賃金上昇が止まらない状況となっています。
労働者にとって賃金上昇は喜ばしい事ですが、インフレ鎮静化の観点から考えると個人消費が旺盛なのはインフレ上昇要因となりますので解決しなければならない問題となります。
しかも、賃金は簡単に変更できませんから長期的なリスクとして恐れられています。
つまり、この問題を解決しなければ、FRBはいつまでも政策変更が出来ずに金利引き締め局面が長期化するという訳です。
これからの投資戦略
9月も我慢の時期が続きそうです。
投資家の予測では9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げする可能性は低く、11月のFOMCで最後の利上げをするかどうかで意見が分かれています。
ただし、利上げするかどうかが問題ではなく、FRBの姿勢がどう変わるかが問題であるためFRBメンバーの意見を注視する必要があります。
中国不動産危機が長期化する可能性は十分考えられますし、このまま米10年債利回りが上昇し続ければ株価もさらにギクシャクする可能性もあります。
9月に入ってもこの流れが変わる可能性は低く、重要指標をしっかり確認しながら投資家それぞれの投資目的に合ったホームワークを続けましょう。
個々の事案より大局的な視点で考える必要がありそうですね。
まとめ
いかがでしたか?
今年に入ってここまで本格的な下落局面は無かったかもしれません。
しかし、株式市場は常に右肩上がりなことなど有り得ませんから、目先の株価に一喜一憂しない事が大事です。
だからと言って、金利の高い時に投機的な資産クラスに資金を投入しない様気を付けましょう。