「節約しているのにお金が貯まらない…」
そう感じていませんか?
その理由は、頑張り方を間違えているからかもしれません。
家計改善や資産形成には、イタリアの経済学者パレートが提唱したパレートの法則(80/20の法則)を取り入れるのが効果的です。
この法則は、成果の80%は全体の20%の要因から生まれるというシンプルな考え方で、家計にもそのまま応用できます。
つまり、細かい節約を積み重ねるよりも、支出の上位20%(住宅費や通信費、保険料などの固定費)を見直すことで、家計全体の80%を改善できるのです。
この記事では、投資初心者でも今日から実践できる80/20の法則を活用した効率的な資産形成術をわかりやすく解説します。
パレートの法則(80/20の法則)とは?
パレートの法則(Pareto Principle)、別名「80/20の法則」とは、経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した経験則で、成果の80%は全体の20%の要因によって生み出されるという考え方です。
パレートは、イタリアの富の分布を調べた際、国民の20%が富の80%を保有していることを発見しました。
その後、この法則は経済だけでなくビジネス、学習、ライフスタイルなど、さまざまな分野で応用されるようになりました。
例えばビジネスの現場では、売上の80%は上位20%の顧客によって生み出される、学習では成果の80%は重要な20%の勉強内容によって決まるといった形で使われます。
つまり、全てに均等な労力をかける必要はなく、最も効果的な部分に集中すれば効率的に成果を出せるということです。
この考え方を資産形成や家計管理に応用すると、支出の大部分は一部の固定費や主要支出に偏っていることが分かります。
実際に多くの家庭では、住宅費・通信費・保険料といった数項目が、支出全体の大半を占めています。
したがって、細かい日々の節約よりも、この20%の大きな支出を見直す方が、家計全体に対してはるかに大きな効果をもたらすのです。
パレートの法則を理解すれば、努力の方向性が変わります。
限られた時間やエネルギーを効果的な部分に集中させることで、無理のない資産形成が可能になります。
資産形成における20%とは?
パレートの法則を資産形成に当てはめると、家計の支出の大部分は限られた20%の支出に集中していることが分かります。
つまり、日々のコーヒー代やコンビニの買い物を我慢するよりも、家計の大きな割合を占める支出項目を見直す方が圧倒的に効果的なのです。
では、資産形成における20%とは具体的に何を指すのでしょうか?
代表的なのは固定費と呼ばれる毎月必ず発生する支出です。
例えば、住宅費(家賃や住宅ローン)、通信費(スマホやインターネット)、保険料、車の維持費、さらにはサブスクリプションサービスなどが該当します。
これらは一度契約すると自動的に引き落とされるため、意識しづらい反面、見直すことで家計全体に大きなインパクトを与えます。
例えば、スマホを大手キャリアから格安SIMに乗り換えるだけで、月数千円から1万円近い削減になるケースもあります。
保険も同様で、必要以上に手厚い保障に加入している場合、内容を見直せば年間数十万円単位の節約につながることもあります。
また、車の維持費を削減するために、カーシェアに切り替える、2台を1台に減らす(所謂残クレアルファードをやめる)といった選択も、大きな効果を生みます。
つまり、資産形成における20%とは、あなたの家計の中で大きな割合を占める固定費・主要支出のことを指し、それを改善するだけで家計全体の80%をコントロールできる可能性があるのです。
具体例:固定費の見直しで80%改善
資産形成を進めるうえで、もっとも効果が高いのは固定費の見直しです。
なぜなら、毎月必ず支払うお金だからこそ、一度改善すれば効果が持続し、将来的に数十万円、場合によっては数百万円規模の節約につながるからです。
ここでは、初心者でもすぐ取り組める代表的な3つの見直し例を紹介します。
① 通信費の見直し
大手キャリアのスマホを家族3人で契約している場合、月3万円近い支払いになることも珍しくありません。
これを格安SIMに乗り換えれば、1人あたり月1,000〜2,000円台まで抑えることが可能です。
仮に月2万円削減できれば、年間24万円もの節約になり、その分を積立投資に回せば10年後には数百万円の差になる可能性があります。
もしあなたのスマホの使用ギガ数が少ないのであれば、通信費を払い過ぎていますので乗り換えを検討すべきでしょう。
② 保険料の見直し
多くの家庭で必要以上に高額な生命保険に加入しているケースがあります。
保険の販売員などに無駄な時間を取られ、挙句の果てには必要のない貯蓄型保険などに加入させられていたとしたら今すぐ解約しましょう。
保険は、本来確率は低いが起きてしまえば経済的に破綻しかねない状況の際に備えるものです。
しかし、保険販売員の詐欺的な口車に乗せられて、お守りだからなどと言われて外貨建てなど無駄な保険に入らされる事案が後を絶ちません。
保険を見直すことで、月2万円かかっていた支払いを5,000円に抑えられる場合もあります。
差額の1万5,000円は年間18万円の節約であり、こちらも投資に回せば老後資産の形成に直結します。
あなたのその保険、本当に必要ですか?
③ サブスクリプションやサービスの整理
動画配信サービスや音楽配信サービスなど、気づかないうちに複数契約している人も少なくありません。
初月無料だからと言って安易に契約したは良いものの、無料期間を過ぎても解約する事を忘れて無駄な支払いが続いている事も少なくありません。
一つずつは少額でも、数が増えればそれなりの浪費になります。
それら使っていないサブスクを3つ解約すれば、月4,000円の削減で年間4.8万円の節約になります。
この3つの改善だけで、年間30万円以上の支出削減 が可能になります。
つまり、毎日のカフェ代を我慢するより、固定費を一度見直すほうが圧倒的に効果的で、資産形成のスピードを一気に高めることができるのです。
まとめ
いかがでしたか?
節約と聞くと、何もかも我慢をしなければならないと勘違いする人がほとんどです。
加えて、資産形成は日々の小さな節約をコツコツ積み上げるものと考えがちですが、実はもっとシンプルで効率的な方法があります。
それがパレートの法則(80/20の法則)を家計に応用することです。
つまり、支出全体に大きな影響を与えているわずか20%の部分、すなわち固定費や主要支出を見直すことが、家計改善と資産形成の近道になります。
逆に、細かな節約ばかりに力を注いでしまうと、努力の割に成果は小さく、途中で挫折してしまうことも少なくありません。
だからこそ、まずは支出の20%を変えることから始めるべきです。
資産形成は才能や特別な知識がなくても、仕組みを整えるだけで誰でも実現できます。
今日からあなたも、支出の20%に集中し、家計の80%を改善する第一歩を踏み出してみてください。
きっと未来のお金の不安は大きく軽減し、お金が貯まる仕組みが自然と回り始めるはずです。
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