- 投資家は全く気にする必要ありません
日銀保有の国債に含み損が出ている件
日本銀行が保有する日本国債の評価損益は、9月末時点で約8749億円のマイナスである事が公表されました。
日本国債の利回り上昇が主な原因であり、米国債の利回り上昇に引っ張られた形になっているのがその理由です。
債券利回りが上昇すると債券価格は下落しますので、債券を保有する全ての投資家は含み損を抱える構図となっています。
つまり日銀が運用に失敗したのではなく、一時的に債券価格が下落しただけの話なのです。
今までは金融緩和の影響で日本国債の利回りは一時期マイナスになるなど、限りなく0%に抑えられていました。
しかし、前述したように米国の金融引き締め策であるFFレートの利上げを始めたことによって、米国債利回りが上昇しそれに追従する形で日本国債利回りも上昇し始めました。
もちろん、長期金利の利回りはコストプッシュ型インフレによって期待インフレも高まった事も要因です。
政策金利も0%(マイナス金利導入中)、潜在成長率も限りなく0%(新型コロナ以降の財政支出により例年よりは高まっている)、期待インフレが上昇すれば利回りも上昇基調になります。
従って、様々な原因があり日本国債の利回りが若干上昇してもおかしくない状況と言えます。
しかしそれは途中経過の極一部を切り取っただけなので全く気にする必要はありません。
しかも、日銀は売りオペなど政策変更がない限り日本国債を償還まで保有するので償還時は額面通りの価格で借り換えを行います。
どうあっても心配する必要はありません。
日本国債の保有状況と考え方
2022年現在、日本銀行の国債保有割合は49%を超えています。
つまり発行されている日本国債の約半分は日本銀行の手元にあるので、いずれ償還時期が来ても借り換えされるだけであり、その間の金利も日本銀行における経費を除いた額が国庫納付金として実質の親会社である政府に戻ります。
次に保有率の高い民間金融機関は、そもそも現金を置いておくと金利もつかないため国債として保有している方が銀行等に金利が入るため簡単に手放したりはしません。
海外投資家の保有比率は約7%であり、仮に大きな売りが出たとしても全体に影響が無い事ぐらい考えれば分かります。
政府の貨幣発行として生み出されている日本国債は、今の条件を維持している限り問題は無いため投資家含め日本国民は心配する必要ありません。
むしろ心配すべきは、財政政策を十分に行わず日本経済を成長軌道に乗せないことであり、こう言った無意味な情報に踊らされ本質を見誤らないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
まともな投資教育を受けてこなかった日本国民はこの様な情報に簡単に騙されます。
不安に駆られ、安易に解決策を他人に委ねるような真似はせず、自分自身でしっかり考えて判断するようにしましょう。
そのためにはホームワークが欠かせませんので、日々真剣に生きる事を心掛けましょう。