- 金融政策は現状維持
- イベント通過で投資家は歓迎
日銀会合の結果とその後の反応とは
令和5年1月18日に日本銀行は今年最初の日銀金融政策決定会合を終え、その後の黒田総裁の会見にてその内容が明らかになりました。
黒田総裁は会見の中で、現在の金融政策を維持する事を発表し市場はそれを好感しました。
加えて、YCC(イールドカーブコントロール)の上限緩和など政策変更は必要ないとはっきり示したことで一気に日本国債利回りは低下しました。
日本経済の現状を鑑みると、金融緩和を引き締める時期ではなく、デフレ脱却には金融政策と財政政策が必要なのは変わりません。
にも関わらず、先日突然YCC(イールドカーブコントロール)の政策を変更した事で市場は動揺し、今回の会合でも何か変更するのではないかとの懸念が広がっていました。
日銀は市場との対話を無視し、実質的な利上げに政策変更した事が原因でした。
この点においてFRB(米連邦準備制度理事会)は、FEDウォッチャー等を利用しながら丁寧に市場と対話をすることで混乱が起きない様に対応しています。
しかし、日銀はその王道を無視したため、今まで投資家から気にもされていなかった日銀金融政策決定会合が注目されました。
政策変更した原因と考え方
当事者の真意を正確に汲み取る事は出来ませんが、それ以前の情報の中にインフレ率上昇による日銀への利上げ圧力が掛かっていたなど利上げを求める空気があったことは疑いようがありません。
実際、新型コロナ後の世界的なインフレで各国の中央銀行が金利を引き上げるなどの金融引き締め政策をとっており、結果的に日本だけが緩和策をとっていました。
日本の現状は先進国の中で唯一デフレ状態となっており、その脱却のために日銀は金融緩和を行っているため他国と状況が違います。
しかし、新型コロナ後の世界的なインフレで日本も円安・原材料費高騰などの影響で物価が上昇しています。
それにより日本だけ緩和策をとっているのは可笑しいなどと考える投資家も少なくありませんでした。
ですが勘違いしてはいけないのは、日本のインフレと他国のインフレは種類が違うため本来同じように考えてはいけないのです。
他国のインフレはデマンドプル型インフレであり、需要過多による物価上昇で金融政策を変更しています。
対して日本は、コストプッシュ型インフレであり、原材料費高騰等による物価上昇で金融政策を変更してしまいました。
二つの違いは、簡単に言えば企業に利益が積み上がるかどうかや従業員への還元具合はどうなのかです。
日本は以前から供給過多の状態であった中でのコスト増のため、価格に転嫁して利益率を上げるといった手法が取れず、やむを得ず値上げをしたことで更に需要が減退しました。
日本国民は何十年も継続して可処分所得が減っているため価格転嫁を受け入れられないのです。
そんな中で日銀はYCC(イールドカーブコントロール)の上限変更をしたため、ローン等の利率も上昇してしまうなど明らかに間違った政策なのです。
まとめ
いかがでしたか?
殆どの投資家から見向きもされなかった日銀が久しぶりに注目され、その後動いた為替や株価など今は落ち着いています。
本来であれば正しい政策を取るのが王道ですが、今後そうなる可能性は極めて低いのであなたの資産を増やすための最善策をとる必要があります。
世界に目を向けるなど、どこかにブル相場は存在しますのでそこに注目しましょう。