- レイオフによる失業率悪化
- クリスマス商戦に必要な小売り関係の雇用が伸び悩んでいた
新規失業保険申請件数の結果から分かること
11月27日~12月3日の週で集計された新規失業保険申請件数が12月8日に発表されました。
新規失業保険申請件数は先週比予想22.9万件に対し、結果23.0万件。
失業保険継続受給者数は予想161.3万件に対し、結果167.1万件。
11月最終週からの結果は失業者数の増加となっており、巨大テック企業のレイオフが話題になって以降徐々に指標に表れるようになってきました。
本来であれば、クリスマス商戦期間を前に雇用は活性化されるはずでしたが、今年の流れを見るに新型コロナ以降のモノ消費の特需は完全に終わったと考えて差し支えないほど雇用環境は悪化しています。
11月の雇用統計の結果が強かっただけに、雇用は改善されているのではと考えた投資家も少なくありませんが、その内訳を見ればレジャー・ヘルスケア等偏った結果となっていました。
従って、今回の結果から今後の雇用環境は悪化することが予想され、それは同時にインフレの鎮静化を意味することでもあり、FRB(米連邦準備制度理事会)が行っている金融引き締め策がいよいよ累積的に効いてきた証拠でもあります。
米国の不況はすぐそこまで来ている可能性があり、今後発表される重要指標によっては正式にリセッション入りが発表される可能性も高まりました。
今後の投資への考え方
12月13日に発表される米11月CPI(消費者物価指数)の結果が重要となりますが、もし前回の様に予想を下回る事があれば改めて買い姿勢で臨むべきと考えます。
直近の課題は高インフレ退治であったとしても、FRB(米連邦準備制度理事会)は本来の役割である雇用の悪化をいつまでも容認する事は出来ず、実体経済の悪化は来年以降金融緩和への政策変更の可能性を生みます。
それは投資にとって歓迎すべきことであって、そこからまた新たな相場が形成されるでしょう。
だからと言って何でも良い訳ではなく、セクターや銘柄はしっかり選定しなければなりません。
今はあくまで利上げ局面であり、それが必ず緩和に転じるからと言った先走った判断で間違った投資をする事や、今まで通りの考えで売買を繰り返すなど、今までの様な簡単な相場でない事は理解しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ局面は最終段階に来ています。
これから先の相場に対ししっかり準備することは大事ですが、今までと同じでは通用しないことは理解しておきましょう。
ブームの過ぎ去ったセクターにいつまでも固執する事のない様に広い視野を持ちましょう。