結論は
- 米国の高インフレは既に解消し始めている
- FRBの利上げペースの鈍化
PPIの結果と考え方
PPI(生産者物価指数)とは、毎月労働省が発表している製造業者の販売価格から調査・算出されます。
米国は今も続く高インフレに悩まされ、FRB(米連邦準備制度理事会)は急ピッチで利上げを行ってきました。
これは金利(FFレート)を上昇させることで市中に通貨が流れにくくする政策で、金融政策の手法の一つです。
現在、日本を除く先進国はこの金融引き締め策を講じており、行き過ぎたインフレ(デマンドプル型)を退治するため景気後退や株価下落にしてでもこの策を実行しています。
それはひとえに高インフレを抑制するためであり、その指標として最も有効とされる指標はCPI(消費者物価指数)です。
米国は消費大国ですので、このCPI(消費者物価指数)は重要指標の一つであります。
対してPPI(生産者物価指数)はCPI(消費者物価指数)に劣るものの、インフレを測る指標として関心が寄せられています。
そして、10月の結果は前年比予想8.3%に対し、8.0%と下回る結果となりました。
先週発表されたCPI(消費者物価指数)も同じく予想を下回り、もはや高インフレが制御出来ないと言う段階は終わりました。
これは米国経済に陰りが見え始めているという表れでもあり、今後は経済不況(リセッション)に突入する可能性が高まりました。
しかし、株式市場には先見性があるため、もはや次の段階を織り込み始めています。
経済不況時の対応
経済不況時の対応は買い場です。
前述したように、株式市場には先見性がありますから不況の事実が確認されればもうそれは材料になりません。
知ったら終いという格言もある通り、皆が知る事実はもうその材料では動きません。
つまり、悲観の中から次の投資機会が生まれる段階という訳です。
実体経済の不況は国民に不自由を課します。
もちろん、景気が良い事に越したことはないですが、いつまでも景気上昇局面が続くはずもなく一定の周期で不況は訪れます。
そうして不況の中では生活が厳しくなり投資どころではなくなる、或いはその前に株式市場は下落を始め(ベア相場入り等)、あまりの損失に投資どころではなくなるといった投資家が増え市場は見向きもされなくなります。
そうして割安に放置された銘柄の中で、それで良好な決算を出し続けている企業などは見直され再び買われ始めます。
それが大きな流れとなって新たな相場を形成します。
ただし、だからと言ってどの銘柄でも良いという訳ではなく、しっかりと銘柄選定すべきです。
それが分からなければ指数に連動した投資信託などに注目すると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回の指標は特に重要な指標には分類されませんが、今の米国株下落の原因の一つはインフレによる金利上昇です。
FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを断行している以上、株式市場にとっては常に逆風です。
しかし、問題なのは利上げをしている事実よりも利上げペースがどう変化しているのかと言う事ですので、そのペースが鈍化しているという事は株式市場にとって歓迎すべきことなのです。
それでも年初来からダラダラと下げてきた相場で損失を抱えた投資家は、もう投資するのもこりごりだと言わんばかりに投資する事を止め、或いは株式市場から退場しています。
ですが、多くの人が敬遠する時こそ勇気を出して行動することが大事です。
それが出来るためには常にホームワークを欠かさない事です。
チャンスはしっかり掴みましょう。