米5月CPI
前年比予想4.2%に対し、結果4.0%
前月比予想0.3%に対し、結果0.1%
米5月コアCPI
前年比予想5.2%に対し、結果5.3%
前月比予想0.4%に対し、結果0.4%
CPIの結果から見えてくるものとは
2023年6月13日に発表された米5月CPI(消費者物価指数)は、市場予想を下回る結果となりました。
2022年に付けた9%超をピークにその後は低下を続け、最新の統計でも予想以上のペースで鎮静化しています。
コアCPIがやや予想を超え高止まりしている感はありますが、概ね投資家が期待した通りの結果と言えます。
FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレを何とか抑えようと利上げを続けてきましたが、その効果がようやく累積的に効いてきたことになります。
以前より、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では一旦利上げを見送る考えを示しており、投資家はそれを織り込む形でハイテク株を中心に積極的な買いを入れてきました。
利上げは株式市場にとってネガティブ要因であり、早期の利上げ停止・利下げへの方針転換を期待する投資家にとってインフレの低下は歓迎するところであります。
その影響で、米国株主要指数や巨大テック企業など株価が上昇しています。
株には先見性がありますので、今後もインフレは沈静化し利上げ停止となる事を織り込んでいるのかもしれません。
今週の重要イベントは他にもある
CPI以外にもFOMCや小売売上高などの重要イベントが続き、今週は今後の米国株の行方を知る上で大事な週となります。
仮に、一旦利上げを見送る決定を下しても、その後のパウエル議長会見でインフレに対する何らかの発言が出れば金利上昇局面が長期化する可能性はあります。
加えて、投資家がすでに織り込み始めている利下げへの政策転換について否定的な姿勢が見られると、今まで力強く上昇していた株価も大きな調整に見舞われるかもしれません。
インフレの高止まりは、それほど米国経済に深刻なダメージを与えますので早期に退治しなければなりません。
従って、株価が下落しようとも経済を立て直すためには金融引き締めも必要なのです。
いずれにしろ、米国経済の現状や今後を知る大事な機会ですので、FOMC終了後に開かれるパウエル議長会見は注目しましょう。
今後の投資戦略
これまでの相場で、既に保有している投資家の多くは恩恵を受けたに違いありません。
SNS等に散見する強気の雰囲気からも見て取れるように、個人投資家の間では強気が蔓延しています。
しかし、こういう時ほど株価は天井をつけやすく、過去何度も欲豚が焼かれるような事態となっています。
感情的な投資ほど大きな損をする可能性が高いですので、今一度投資する前に冷静になって考えましょう。
ただし、長期投資が目的な買い入れやつみたてNISAを利用した積立投資など、周囲に惑わされずコツコツ続けている投資は継続するべきです。
目先の株価で投資態度を変化させるようなことはやめましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今後の米国株を占う大事な週である事がお判りいただけたと思います。
いずれFRBが利下げに転じる様な姿勢を見せれば、株価は力強く上昇していく可能性が高いですからその機会を逃さずホームワークを続けて下さい。
投資家それぞれの目的に合わせた投資手法でしっかり儲けていきましょう。