- 非農業部門雇用者数前月比予想18.3万人に対し、結果19.9万人。
- 失業率予想3.9%に対し、結果3.7%。
- 平均時給+12¢
雇用統計の結果から分かること
2023年12月8日に発表された雇用統計は、すべての指標において予想を上回る結果となりました。
市場が警戒していたリセッションは、米国経済が底堅いとの結果からソフトランディング出来るのではないかとの期待に変わり、その日の株価は堅調に推移しました。
新規雇用の伸びや平均時給の上昇はインフレ上昇圧力となりますので、FRB(米連邦準備制度理事会)が再び金融引き締め姿勢を強める可能性もありました。
しかし、雇用の伸びは過去1年の月平均には及ばず、取り立てて騒ぐほどの力強い上昇ではなく市場もポジティブ要因と判断しました。
直近の内訳と同様に、医療分野や政府雇用の伸びが堅調な一方、小売業や運輸業などは苦戦しておりセクター別の雇用環境もあまり変化がありません。
従って、今回の結果は米国経済の底堅さは確認できたがインフレが再び上昇する程のものではなかったとの見方が大半です。
米長期金利も発表後には上昇しましたが、それが相場の転換点になるまでには至りませんでした。
これは、FRBが早期利下げに踏み切るのではとの予測に基づき先回りしたためであり、米国経済が堅調であれば利下げは当分ないのではないかとの修正を迫られたからと考えられます。
しかし、米長期金利が低下する流れは変わらず、投資家にとってはポジティブ要因となります。
一方で、ドル円は日本銀行の植田総裁がマイナス金利政策を解除する旨の発言をした事で、円高ドル安への流れが加速しました。
米国は事実上利上げ停止・米長期金利低下の状況であり、これから日本が金融緩和を止め金融引き締め政策を実行するとなると、今までのドル高の流れは急速に反転する可能性があります。
投資家の間でも、来年の早い段階で日本銀行はマイナス金利政策を解除すると考えており、海外資産を多く所持する日本の投資家は為替の行方に注意が必要となります。
まとめ
いかがでしたか?
年末に向けて資産を増やしていくため注意する点などご理解頂けましたでしょうか?
投資環境は良好さが続く可能性が高く、長期投資家にとってもコツコツ継続しやすい時期かと考えます。
あなたの投資目的を見失わず、しっかり資産形成していきましょう。