- 9日(水)米9月FOMC議事要旨
- 10日(木)米9月CPI発表
- 利下げペースの変化に注目
これまでの動き
イスラエルとイランの間で起きた中東情勢を巡る情勢の悪化により株価は一時下落に転じたものの、利下げによる株式市場への買い意欲が強く堅調な週となりました。
2024年10月4日に発表された雇用統計の結果は以下の通り。
非農業部門雇用者数前月比予想14.8万人に対し、結果25.4万人。
失業率予想4.2%に対し、結果4.1%。
平均時給+13¢。
雇用環境の内訳を見ても、飲食サービス業が大きく増加しており、個人消費に対する高まりが期待できる結果となった事で米国経済の底堅さが確認されました。
失業率も4%台にあるものの、やや改善傾向も見られ、雇用環境が今すぐおかしくなる様な状況ではありません。
つまり、以前から心配されていたハードランディングの可能性は決めて低く、ソフトランディングへの期待が一気に高まる事で株式市場にもポジティブ要因と受け止められました。
その証拠に、米長期金利が一気に4%を超えたにもかかわらず、米国主要指数は軒並み上昇し史上最高値を更新するなど、ソフトランディング期待が上昇要因として強く意識されました。
通常であれば、長期金利の上昇は株価にとってネガティブ要因のため、節目の4%を超えると言った現状を見れば株価は下落してもおかしくありません。
それでも株式市場が堅調さを維持したという事は、多くの投資家が米国経済が2度目のソフトランディングに成功すると考えており、年末にかけての上昇相場にも期待していると言う表れなのかもしれません。
一方で、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げのペースを緩めるのではないかとの懸念も出ており、先行した利下げ期待による買い意欲がそがれる可能性もあり、一時的な下落があるかもしれません。
投資家の間では、11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%利下げの確率が9割を超えてほぼ織り込み済みなのに対し、12月のFOMCでは0.25%利下げの確率が約8割とややペースが鈍化するとの考えが大半を占めています。
もちろん、利下げペースは緩やかな方が市場に与える影響も抑えられて良い事なのですが、過度に楽観視した投資家の行動が抑制され、一旦のブレーキになる事もあるため注意が必要です。
しかし、大きな流れは変わっていませんので、本格的な投資行動を取るタイミングとしては間違いないでしょう。
中東情勢・米大統領選挙など、まだまだ大きなリスクは孕んでいるものの、それによって経済そのものが崩れると言う心配は考え難いと見ています。
これからの投資戦略
決算良好銘柄に投資しましょう。
個人消費の高まりが経済にポジティブな影響を与え、景気敏感銘柄に資金が流入する可能性が高いです。
しかし、同時に再びインフレになる可能性もあるため注意が必要です。
そもそも、現在のインフレの主因はコストプッシュインフレであり、原材料費に加え、人件費の高騰も価格上昇の要因となっており、消費者にとって苦しい時期が続いているのは間違いないです。
それでも、需要の高まりが維持されれば、所得上昇による購買力の高まりも期待できるため米国経済の底堅さに繋がります。
従って、これらの需要に対応できる企業こそ成長企業であり、米国株の牽引役となる可能性が高いのです。
今後は、FRBの動向に注意しながらも、決算クリアする企業を中心に注目していきましょう。
積立投資を中心とした長期投資家は、今までの苦しい時期を過ぎ再び値運びが軽やかな相場の中でしっかり継続できることでしょう。
年末にかけても堅調な相場が期待できますので、間違った市場やファンドを避けしっかり積立準備が出来たなら、あとは淡々と継続し変な情報に右往左往しないマインドを持ちましょう。
投資は多数の意見が正しいとは限りません。
多数が辿る道を疑ってこそ投資の本質ですので、日々ホームワークを欠かさずあなたの投資目的に合った資産形成を続けていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
短期的には株価が上下するかもしれませんが、大きな流れは変わっていませんので自信をもって投資しましょう。
今年は投資初心者にとって厳しい年だったかもしれません。
しかし、長期投資ではよくある事なので早めに慣れる事が重要です。