- 12日(水)米2月CPI発表
- 13日(木)米ミシガン大学消費者信頼感指数発表
- トランプ関税の不確実性に嫌気
これまでの動き
先週の米国株は、カナダ・メキシコに25%の関税を4日から発動する事や経済指標の懸念から主要指数は続落する展開となりました。
その後も、トランプ米大統領の関税発言は続き、ハイテク株を中心に急落が続きサポートラインを大きく割り込み投資家に混乱を与えました。
2025年3月7日に発表された雇用統計の結果は以下の通り。
非農業部門雇用者数前月比予想16.0万人に対し、結果15.1万人。
失業率予想4.0%に対し、結果4.1%。
平均時給+10¢。
雇用は金融関係を筆頭に、増加傾向にあるものの連邦政府の雇用は減少しています。
これは、トランプ大統領が新たに設置したDOGE(政府効率化省)の政策結果と思われます。
大統領選前から政策実行の宣言をしていたものの、多くの投資家はトランプ関税に対する不確実性を嫌いリスクオフムードが高まった事で資金流出を招いています。
このように、トランプ大統領の関税政策に対する市場の懸念や、経済指標の発表に伴う景気先行き不安は株式市場にとってネガティブ要因となります。
そのため、株価は不安定な動きを続け、投資家たちは市場の先行きを慎重に見守っています。
今後の展望については、米中貿易摩擦や経済指標の動向が注目されるところです。
また、日本株市場も米国の動向に影響を受けつつ、独自の要因も加味された展開が予想されます。
景気先行きの不透明感が株式市場全体に漂う中、投資家は慎重な取引を心がけることが重要となっています。
これまでの様な米国株一点集中のポートフォリオですと、2025年の投資結果は芳しくないものになるかもしれません。
しかし、これは前述したように大統領選前から分かっていた事です。
突然おかしな事を始めた訳でもなく、前々から関税などの政策は決まっていたにも関わらずトランプ相場を安易に期待した投資家の側に責任があります。
確かに、トランプ大統領は株式市場を注視するタイプの大統領ですが、政策によっては必ずしもポジティブ要因となり得ない物もあるため、終始右肩上がりに成長する事はありません。
コストプッシュインフレに苦しむ可能性の高い米国経済は、関税発言・経済指標が落ち着くまで厳しい相場になるかもしれません。
これからの投資戦略
世界を見回して投資先を選定しましょう。
これまで米国株を牽引してきたAI関連銘柄や半導体セクターなどは、その高すぎるPER(株価収益率)を咎めるかのように急落を続けています。
決算内容が良い銘柄も同じように下落しているため、下落したからといって安易に割安とはならない可能性もあります。
むしろ、ただ適正な株価に修正されていると言う見方もあり、短期的には積極的な買いは難しい状況にあります。
一方で、これまで米国株の陰に隠れていたその他の地域は、米国に先んじて金融緩和を継続していたり割安で放置されていたという事もあり投資家の注目を集め始めています。
その原因は様々ですが、主因の一つがドル高であることは間違いないでしょう。
新興国株などは特にドルの影響を受けやすく、ドル高基調の時は大きなネガティブ要因となり資金流出が起きやすい相場でした。
しかし、米国経済の悪化と共にドルの強さに陰りが見え始めると、それまで長い間放置されていた成長株や優良株が途端に妙味を感じるようになります。
加えて、ユーロ圏の様な金融緩和を継続している市場などは投資家にとってポジティブ要因となりますので、上昇期待の高い銘柄が多くなるでしょう。
新NISA(少額投資非課税制度)から投資を始めた投資初心者には、投資と言ったら米国株と言う安易な固定観念があるかもしれません。
これは素人インフルエンサー等がよく分からず勧める事が原因の一つであり、知識の無い者からすればなんとなくその通りかもしれないと考えるのは無理もありません。
そうして始めた投資は、結局今の状況では去年と同様で、損切りして退場する初心者が減らないのも頷けます。
投資は自己責任ですから誰の責任でもありません。
ただ失敗したあなたがホームワークを怠っていただけです。
あなたの投資目的に合った適切な情報とホームワークの積み重ねこそが、あなたの大事な資産を守る唯一の武器になるのです。
まとめ
いかがでしたか?
短期的な下落局面は続くかもしれません。
しかし、それもいつかは終わる時が来ます。
加えて、米国株が軟調でも他の国が堅調な相場は沢山あります。
広く目を向ける事も時には大事になってきます。