【2025年8月第1週】米国株は反発基調、利下げ期待と巨大テック株が牽引

心得
  • 12日(火)米7月CPI発表
  • 15日(金)米7月小売売上高発表
  • FRBの利下げ姿勢の動向

これまでの動き

先週の米国株は、雇用統計ショックの調整ムードから一転し、S&P500、ナスダック総合指数、ダウ平均株価の主要3指数がそろって上昇する展開となりました。

週初は、先週末発表された雇用統計の弱さと、関税政策を巡る不透明感から一時的な警戒感が広がったものの、FRB(米連邦準備制度理事会)による年内利下げ観測が強まり、投資家心理が改善し米国株主要指数の大幅反発を記録しました。

この背景には、労働市場の鈍化が金融引き締めの長期化懸念を後退させたこと、そして一部大手企業の好決算が直近の下落からの押し目買いを誘ったと考えられます。

特にテクノロジー分野では、マグニフィセントセブンと呼ばれるアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、エヌビディア、テスラが軒並み上昇し、ハイテク中心のナスダック総合を押し上げました。

その後も、FRBの緩和方向への政策転換期待と企業決算発表のポジティブサプライズが続き、S&P500やダウも安定的な上昇を維持しました。

週末は、ナスダックは週中に年初来高値を更新し、その他の主要指数も堅調に推移しました。

週間ベースでは、特に成長株やハイテク株中心のナスダックの上昇が目立つ結果となりました。

ただし、アナリストの中にはS&P500が短期的に約5%調整する可能性を指摘する声もあり、過熱感への警戒が必要との見方も強まっています。

また、8月から9月にかけては夏枯れ相場として例年ボラティリティが高まりやすく、米国株にとってハリケーンシーズンと呼ばれる季節性リスクも意識される局面です。

加えて、関税政策や国際情勢の不透明感、企業業績の先行きに対する慎重姿勢も残っており、短期的な利益確定売りや調整局面が訪れる可能性は否定できません。

ただし、中長期の視点では、FRBの金融政策が緩和方向に傾けば金利負担が軽減され、企業収益の改善と株価上昇につながる可能性は高いとされています。

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これからの投資戦略

過度な楽観視に注意しましょう

今週の米国株は、FRBの金融政策見通しを左右する重要経済指標と企業決算、そして国際情勢が複雑に絡み合う展開が予想されます。

特に、12日に発表予定の7月CPI(消費者物価指数)コアCPIは、足元のインフレ圧力や関税政策の影響を見極める上で市場参加者の最大の関心事です。

この結果次第で年内利下げ観測の強弱が変化し、株価の方向性を大きく左右する可能性があります。

投資家の間でも、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%利下げの確率が9割弱と、次回のFOMCで利下げが始まると織り込んでおり、年内に複数回利下げするシナリオが支持されています。

さらに14日にはPPI(生産者物価指数)が発表され、供給サイドのインフレ動向や雇用市場の強さが再評価される見込みです。

そして15日には小売売上高発表といった、米経済を測る指標が示されます。

これらの結果次第では、景気減速懸念やスタグフレーションリスクが意識される可能性があります。

一方、今週は大型株からAI関連、インフラ投資関連まで幅広い業種の決算が相次ぎます。

ポジティブサプライズが出ればS&P500やナスダックを押し上げますが、失望決算が続けば利益確定売りを誘発するリスクも残ります。

また、米中間で実施されている関税休戦の延長判断が予定されており、これが更新されなければ輸入物価や企業コストの上昇圧力が高まり、景気や株価にとって逆風となる可能性があります。

そのため、投資家はインフレ指標と外交リスクの両面を注視する必要があります。

市場全体としては、AIや半導体といった成長セクターの強さと、インフレ・景気減速懸念による調整圧力が綱引き状態となる見通しです。

CPIやPPIの結果が予想を下回れば悪材料の好材料化により利下げ期待が再燃し、株価を支える展開があり得ます。

一方で予想を上回るインフレ持続が確認されれば、長期金利の上昇と株価調整が加速する可能性があります。

その場合、過熱感が残るハイテク株を中心にボラティリティが高まることが予想されます。

総じて、今週の米国株はインフレ指標、決算発表、関税政策の三大要因が交錯する、波乱含みの試金石の週になる公算が大きいです。

まとめ

いかがでしたか?

これまで瞬間的な調整を繰り返しながらも堅調に上昇してきた米国株ですが、リスクが解消されて上昇してきたわけではありません。

全降りする必要は無いものの、過度な楽観視はしない様に気を付けながら投資を続けましょう。

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