【米国株動向】9月8日〜12日S&P500・ナスダック最高値更新と利下げ期待の行方

心得
  • 16日(火)米8月小売売上高発表
  • 17日(水)FOMC
  • FOMC後のパウエル議長会見内容

これまでの動き

先週の米国株式は、主要指数がそろって堅調に推移し、特にS&P500とナスダック総合指数が史上最高値圏を更新する展開となりました。

その背景には、利下げ期待の高まりAI関連を中心とした大型ハイテク銘柄の強さがありました。

S&P500は週初から上昇し、11日には過去最高を更新しましたが、週末12日にはわずかに反落したものの、週間を通じて上昇幅を確保しました。

ダウ平均株価も節目の46,000台を突破しましたが、週末は反落し景気敏感株とディフェンシブ株の間で明暗が分かれる形となりました。

一方でナスダック総合指数はAIや半導体株の牽引を受けて週を通じて力強く推移し、11日には史上最高値を更新し、12日にはさらに連日の最高値更新が投資家心理を大きく押し上げました。

背景となったのは利下げ観測で、FRB(米連邦準備制度理事会)が年内に複数回利下げに踏み切るのではないかとの思惑が市場全体に浸透し、金利低下によって将来キャッシュフローの現在価値が高まる成長株に買いが集まりました。

実際に、10年物米国債利回りは週を通じて4.08%前後で推移し、一時的に上下しながらも低下基調が意識されました。

特にマグニフィセントセブンと呼ばれる巨大テック株がナスダック上昇をけん引し、加えてOracleの好決算が投資家に安心感を与えたことも追い風となりました。

市場はまた米中対立や半導体規制といった地政学的リスクを意識しながらも、決算やマクロ経済データがポジティブに働いたことで、全体としてはリスクオンのムードが優勢でした。

しかし、上昇要因が利下げやAI関連需要頼みなのが気がかりで、この要因が材料出尽くしとなると今後の上昇を期待する動きが限られるかもしれません。

この1週間で投資初心者が学ぶべきポイントは、短期的な株価の史上高に過剰反応せず、分散投資を基本に据えること、そして金利動向が株価特に成長株に与える影響を理解することです。

S&P500やナスダックが史上最高値を更新している一方で、ダウは週末に反落したように業種間の動きには差があり、セクターごとの強弱が存在します。

また、短期的なニュースや決算に一喜一憂するのではなく、数週間単位でのトレンドを意識する姿勢が必要です。

積立投資を続けることで市場のボラティリティに左右されず、時間を味方につけた資産形成が可能になります。

投資初心者にとっては、こうした短期の値動きに惑わされることなく、S&P500連動ETFなどの長期積立を通じて着実に資産を積み上げていくことが最も有効な戦略であると言えるでしょう。

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これからの投資戦略

FOMCは必ず確認しましょう

今週の米国株は、投資家にとって非常に重要な週となる見込みです。

その最大の焦点は、16日から17日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBが今後の金利方針をどう示すかにかかっています。

直近の経済データを見ると、8月のCPI(消費者物価指数)は高止まりしていますがインフレ圧力が緩和に向かう兆しも見られます。

この結果、FRBが利下げに踏み切るのではないかという観測が一層強まり、長期金利が低下基調になればハイテクや成長株には追い風となります。

投資家の間でも、9割以上が0.25%利下げを織り込んでおり、利下げへの政策転換は既定路線となっています。

しかし、パウエル議長会見などで利下げ幅やペースに慎重な姿勢が示されれば、株式市場は一時的な調整に入る可能性があります。

また、消費者心理の低下も懸念されており、ミシガン大学の消費者信頼感指数は9月に入り4カ月ぶりの低水準となり、特に中低所得層で物価上昇や雇用環境への不安が高まっているとの調査結果が出ています。

米国GDP(国内総生産)の6~7割を占める個人消費が落ち込むとなると、再びリセッション入りが懸念される可能性があります。

セクター別に見れば、利下げ期待が高まればナスダックを牽引するAI関連や半導体株が一段高となる可能性がある一方で、金融株は金利低下による利ざや縮小が懸念されマイナスに働きやすく、また生活必需品や消費関連株は消費者センチメントの低迷が重しとなる恐れがあります。

こうした中で投資初心者が押さえるべきポイントは、長期的な資産形成の視点を持ち続けることです。

FOMCの結果や経済指標に一喜一憂してポジションを大きく動かすのではなく、S&P500や全世界株の積立投資を継続することで市場のノイズに左右されず、時間を味方につける戦略が有効です。

今週の米国株は利下げ観測とインフレ指標、そして国債市場の需給動向が交錯する中でボラティリティが高まることが予想されますが、長期投資家にとってはむしろ買い場の機会ともなり得るでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?

今週のFOMCは、今年の相場を占う上で最も大事なイベントと言えるでしょう。

FOMC後はイベント通過で短期的な調整局面に入るでしょうが、AI関連需要が拡大路線なのであれば、米国株の上昇はまだ続くと考えます。

一方で、米国の利下げによるドル安圧力による為替差損には注意が必要で、これまで通りのドル高基調にブレーキがかかる可能性が高い事は理解しましょう。

しかし、総じて堅調な展開となるのであれば、特に悲観する必要もなく投資していきましょう。

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