「老後資金は2000万円では足りない」
そんな声が年々強まっています。
物価上昇や長寿化を考慮すると、安心できる老後生活には3000万円が必要とも言われています。
しかし実際には、年金だけで3000万円を準備するのは難しく、計画的な資産形成が欠かせません。
そこで注目されるのが、税制優遇があるiDeCoと新NISAです。
ただし、iDeCoとNISAはどちらを優先すべき?、組み合わせ方でどれくらい差が出るの?と悩む方も多いはず。
本記事では、投資初心者から中級者まで役立つように、
✅ iDeCoとNISAの違いと特徴
✅ 老後資金3000万円を目指す最適な活用法
✅ 年代別のシミュレーション
を分かりやすく解説します。
今から始めても遅くありません。
この記事を読めば、iDeCoと新NISAを賢く組み合わせて老後資金3000万円を実現する具体的な道筋が見えてきます。
iDeCoと新NISAの違いをまず理解しよう
老後資金3000万円を作るうえで、多くの人が活用すべきとされるのがiDeCoと新NISAです。
どちらも運用益が非課税になるという強力なメリットがありますが、制度の仕組みや使い道が異なるため、まずはその違いを正しく理解することが大切です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは
iDeCoは、自分で積み立てる年金制度です。
毎月の掛金が全額所得控除となり、所得税や住民税の負担を軽くできます。
さらに、運用で得た利益にも税金がかかりません。
受け取るときも、退職所得控除か公的年金等控除といった優遇があります。
最大の特徴は節税効果が大きいことです。
ただし注意点もあります。
iDeCoは私的年金制度と言う特徴のため、資産は60歳まで引き出せないので急な出費に対応できません。
したがって、老後専用の資産形成手段と割り切ることが必要です。
新NISA(少額投資非課税制度)とは
一方の新NISAは、株式や投資信託の利益にかかる20.315%の税金が非課税になる制度です。
2024年から始まった新NISAでは、年間最大360万円(累計最大1,800万円)まで投資でき、非課税で運用可能な枠が恒久化されました。
さらに、新NISAで投資した資金はいつでも売却・引き出し可能なため、住宅購入や教育資金など途中で必要になったときにも使いやすいのが特徴です。
ただし、iDeCoのような所得控除はありません。
違いを整理すると
- iDeCo:節税効果が大きいが、60歳まで引き出せない「老後専用年金」
- 新NISA:自由度が高く、途中で取り崩し可能な「柔軟な資産形成」
このように、iDeCoとNISAは節税重視か自由度重視かで性質が大きく異なります。
老後資金3000万円を効率よく準備するには、この違いを理解し、両方を上手に組み合わせることが重要です。
老後資金3000万円を作る最適な組み合わせ
老後資金3000万円を効率よく準備するためには、iDeCoとNISAをどう組み合わせるかが非常に重要です。
どちらか一方だけでも効果はありますが、両方をバランスよく活用することで、節税と資産運用の両方のメリットを最大限に享受できます。
基本戦略はiDeCoで節税、新NISAで増やす
iDeCoは掛金が全額所得控除となるため、特に年収が高い人ほど節税効果が大きくなります。
つまり、同じ積立額でも税金が戻ってくる分だけ効率的に資産を増やせるのです。
一方で、新NISAは引き出し自由で非課税の運用が可能なため、ライフイベントや万が一のときにも柔軟に対応できます。
この2つを同時に利用すれば、iDeCoは老後専用年金、新NISAは途中で使える資産と役割分担ができ、安心して長期の資産形成を進められます。
シミュレーションで見る3000万円達成プラン
たとえば30歳から毎月積み立てを始め、年利4%で運用した場合をシミュレーションすると、
- iDeCo:月2万円 × 30年 → 約1,250万円
- NISA:月3万円 × 30年 → 約2,000万円
合計で3,250万円に到達します。
これは老後資金3000万円を十分にカバーできる金額です。
年代別のおすすめ組み合わせ
老後資金3000万円を効率よく作るには、年代に応じた戦略が必要です。
20代と50代では残された投資期間が違うため、iDeCoと新NISAの比重を変えることで、無理なく資産形成を進められます。
ここでは年代別に最適な組み合わせを紹介します。
20代〜30代:新NISA中心で攻めの資産形成
若いうちは投資期間が長いため、多少の値動きリスクがあっても時間がリスクを吸収してくれます。
- NISA多め(約6割)+iDeCo(約3割)+現金(約1割)
これを目安に、NISAで株式インデックスファンドなど成長資産に積極的に投資しましょう。
iDeCoも同時に始めることで、退職所得控除の年数を伸ばすことが出来たり、節税効果を早期から享受できます。
40代:iDeCoの節税効果を最大活用
40代は収入がピークを迎える人が多く、税率も高くなりがちです。
そのため、iDeCoの所得控除メリットを最大限に活かすべき時期です。
- iDeCo多め(約5割)+NISA(約3割)+現金(約2割)
これを目安に、節税しながら老後資金を積み上げましょう。
NISAも並行して続ければ、教育費や住宅ローン返済などライフイベントに備えられます。
50代:守りを重視しつつ積立継続
老後が近づく50代では、積極的なリスク投資よりも安定性を意識する必要があります。
- iDeCo(約6割)+NISA(約2割)+現金(約2割)
これを基本に、iDeCoで確実に積み立て、NISAでは必要なときに取り崩せる資金を運用。投資先は株式だけでなく債券や金などを取り入れ、元本割れリスクを抑えることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
老後2000万円問題が話題となったのはもう昔の話となりました。
現代の日本は、コストプッシュ型インフレを放置し物価高の影響が家計を苦しめています。
老後資金3000万円という目標は、一見すると大きな壁のように思えるかもしれません。
しかし、iDeCoとNISAを正しく組み合わせてコツコツ積み立てることで、誰にでも実現可能な数字です。
重要なのは、早く始めることと継続することです。
投資は時間を味方につけるほど成功確率が高まります。
始めるのが遅くても、iDeCoとNISAを上手に組み合わせれば、効率よく資産を積み上げることが可能です。
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