【米国株速報】11月3日〜7日S&P500・ナスダックの下落と資産形成戦略

心得
  • 13日(木)米10月CPI発表
  • 14日(金)米10月小売売上高発表
  • AI関連銘柄や高PERへの下落圧力

これまでの動き

先週の米国株は調整ムードが強まり、米国株で資産形成を目指すなら停滞=チャンスと捉えるべき局面であることが改めて浮き彫りになりました。

まず主要な指数で見ると、S&P 500やNasdaqなど、これまで米国株の上昇を牽引してきたテクノロジー株・成長株を中心に売られた形です。

この背景には、第一に景気先行きへの警戒感の高まりがあります。

具体的には、10月の企業の解雇・採用凍結の報告が相次ぎ、多くの企業で人員削減や雇用抑制が浮上してきたことで、米国経済の底堅さに疑問符がついています。

第二に、ハイテク・AI関連株について期待先行→実利不透明という評価が投資家の間で強まり、バリュエーション(株価水準)に対する慎重姿勢が広がったことです。

実際、AI関連銘柄などの設備投資が今後の利益拡大をもたらすのか?AI需要より株価の上昇ペースが速く、高PERが企業の実態に合っているのか?などの影響で、テクノロジー株の売りが指数を押し下げる主因となりました。

第三に、政府機関閉鎖の長期化から、米連邦政府機関の予算停止による統計データの発表遅延が市場心理を冷やしたことも見逃せません。

政府閉鎖の影響で公式データの発表が遅れ、リスク資産への投資根拠や道標が表に出てこない事で不透明感が増しています。

では、どう資産形成の観点からこの調整局面を捉えるべきでしょうか。

まず、株式を中心に資産を構築してきた投資家にとって、このような下げは終わりではなく上昇一服のサインと考えるのが適切です。

実際、投資大手各社も、調整は自然なリセットであり構造的な弱さを示すものではないとの見方を示しています。

そのため、ポートフォリオにおける守備力(現金、債券、金など)を改めて点検しつつ、成長株・テーマ株に関しては少しずつ質の良い銘柄を割安に拾う準備をしておくことが有効です。

現に、決算をクリアした銘柄でも直近の下落に巻き込まれているため、一見すると総崩れの様に見えます。

しかし、実際に利益を出していない企業や成長性の疑わしい赤字企業などと一緒に落ちるのは本来不可解です。

つまり、直近の下落には我慢が必要ですが、相場が上昇一服であると考えると再び上昇する時には良好決算銘柄が主導するのではないかと考えます。

また、長期投資置見据えてドルコスト平均法など積立投資の継続も有効で、下げ相場で平均取得単価を抑えることが資産形成では鍵となります。

さらに、今回のようにテクノロジー・成長株に調整が出た際には、エネルギー・資源・金融といったテーマの切り替えや分散戦略を改めて検討するタイミングと言えます。

一方で、焦って次の爆上げを狙って一発勝負に出るのはリスクが高いことを忘れてはいけません。

市場は不透明要因が増しており、データの穴がある今、予期せぬ悪材料で急落に転じる可能性も残っています。

特に、雇用・物価・製造業データなどが予想を大きく下回った場合、調整が深まる可能性も視野に入れるべきです。

ゆえに、資産形成を中長期視点で捉え、市場の騒ぎに振り回されず淡々と継続できる体制を整えておくことが重要です。

まとめると、先週の米国株下落は、景気警戒・バリュエーション懸念・データ遅延といった三重要因によるものです。

しかし、下げたからといって終わりではなく、むしろ守る力を強化しつつ、長期成長テーマへの投資を淡々と継続できるかどうかが将来の成果を左右します。

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これからの投資戦略

まずは市場が落ち着くまで我慢しましょう

今週の米国株は、10月CPI(消費者物価指数)および PPI(生産者物価指数)など価格関連指標の発表です。

カレンダーによれば、CPIは13日に発表予定、PPIおよび小売売上高も14日に予定されており、予想・実際の数値が市場に大きなインパクトを与える可能性があります。

具体的には、9 月時点での米国の年間インフレ率が上昇しており、8 月から加速しています。

この流れを踏まえ、10 月のCPIがさらに高めに出るか、あるいはインフレペースが鈍化し始めたという安心材料になるかが市場の注目点です。

CPIが予想を上回れば金利上昇圧力・株式の調整要因となる一方、予想を下回ればインフレ抑制・利下げ期待が先取りされる可能性が出てきます。

また、PPI/小売売上高では、卸売段階・消費段階での価格・需要動向が確認できます。

特に小売売上高が伸び悩めば景気減速懸念、逆に底堅ければ景気回復期待という構図になりうるため、これらの指標も株式・為替・債券に対して方向性のある動きを促すトリガーになり得ます。

さらに、指標以上に注目すべきは、週中に複数予定されているFRB(米連邦準備制度理事会)関係者スピーチや金融政策示唆発言です。

経済指標発表において政府機関閉鎖の影響で発表の延期・不確実性が指摘される中、連銀幹部の発言が代替的な市場シグナルとして重要性を高めています。

つまり、指標結果だけでなく、発言内容や金融政策の文言変化が市場に敏感に反応する可能性が高いという見通しが成り立ちます。

最後の注目点は、調整局面にある高PER銘柄、特にAI関連銘柄や半導体セクターがどこで下げ止まるかです。

一部の間で、夏前からAIバブル崩壊を声高に叫び続けた連中がようやく目に見える調整が入った事で息を吹き返し、大暴落の大合唱を行っています。

多くのハイテク株で軒並み株価が半減するなどと言った過激な発言を繰り返していますが、世界中の投資家は冷静になって市場を注視しています。

目先の下落で狼狽する動きは見られますが、市場は何度も同じ経験を繰り返してきていますので、再度冷静になって状況把握に努めましょう。

以上の観点から、資産形成観点でこの週を整理すると次のようなポイントが浮かび上がります。

まず、もし10 月CPIなど価格指標が予想を上回る(インフレ加速)と、金利上昇→ハイテク・成長株への逆風→防御的な資産(債券・金など)優位という流れが強まる可能性があります。

逆に、インフレ鈍化・小売売上の伸びの鈍さが表れると、利下げ期待・株式の反発機会というシナリオが浮上します。

加えて、連銀発言が利下げ期近というニュアンスを示せば、特に価値株・配当株・景気敏感株の買い戻し材料になりうるでしょう。

そのため、多くの投資家は、この週のポートフォリオ戦略として守りのチェック+機会の準備が実に重要です。

守りのチェックとは、まず株式の中で依存度の高いハイリスク・ハイリターン領域(例えば、期待先行型の成長株)を過大に抱えていないか、また債券・キャッシュ・金等防御の余地を確保しているかの確認を指します。

一方、機会の準備とは、指標結果や連銀発言を契機に割安になった良質株やテーマの切り替え先をあらかじめ検討して現金比率を高めておくことです。

資産形成を志す投資家にとっては、しておくべき準備と反応すべき材料が明らかになっていると言えます。

タイミングを計るというよりも、シナリオを描きつつどちらにも備えた戦略を構えることが、長期的な資産形成において勝ち筋となるでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?

先週のハイテク株下落で大きな混乱が起きたことは事実です。

しかし、新NISAでの積立投資や長期投資家は、短期の株価に一喜一憂せず本来の投資目的を忘れず行動を続けましょう。

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