「もっと勉強すれば儲かる」
「タイミングを読めば勝てる」
そう信じて、売買を繰り返していませんか?
実はそれこそが、投資で負ける最大の原因です。
数十年にわたる研究で、売買回数が増えるほど平均リターンが下がることは、すでに科学的に証明されています。
しかも、最も高い成績を残していたのは、意外にもほとんど何もしなかった投資家でした。
ではなぜ、多くの人は正解を知っていながら、あえて不利な行動を取ってしまうのか。
そして、長期投資で本当に資産を増やした人は、何をして・何をしなかったのか。
この記事では、実際の研究データと取り返しのつかない実害例をもとに、個人投資家が絶対に避けるべき行動と、唯一勝てる長期投資の正解をわかりやすく解説します。
有名研究が示す事実
投資の世界では、売買回数が多いほど儲かるというイメージを持つ人が少なくありません。
しかし、実際のデータはその正反対を示しています。
この事実を決定的に裏付けたのが、米カリフォルニア大学のブラッド・バーバー教授とテランス・オーディーン教授による有名な研究です。
この研究では、約6万6,000人の個人投資家の証券口座を長期間にわたって分析しました。
その結果、最も頻繁に売買を行っていた投資家グループの年間平均リターンは約11%にとどまった一方、売買回数が最も少ないグループでは約18%という高い成績を記録していました。
つまり、売買回数が増えるほど、リターンは明確に低下していたのです。
注目すべき点は、この差が偶然ではなく、ほぼすべての期間・相場環境で一貫して確認された点です。
上昇相場でも下落相場でも、頻繁に取引する投資家ほど成績が悪いという傾向は変わりませんでした。
研究者はこの関係を、売買回数とリターンの完全な逆相関と結論づけています。
さらに、この傾向は一部の初心者に限った話ではありません。
自信を持って売買を繰り返す投資家ほど、自らの判断を過信し、結果的に成績を悪化させるケースが多いことも指摘されています。
この研究が示しているのは、知識や努力が足りないから負けるのではなく、動きすぎること自体がリターンを下げる最大の要因だという事実です。
つまり、長期的に資産を増やすうえで最も重要なのは、正確な売買タイミングを当てることではなく、市場に居続け、無駄な取引を避けることなのです。
なぜ売買回数が増えると確実に負けるのか?
売買回数が増えるほど投資成績が悪化する理由は、運や相場環境ではありません。
人間の行動特性と市場構造そのものが、頻繁な売買を不利にしているからです。
① 手数料と税金が、複利を静かに破壊する
1回1回の売買コストは小さく見えても、長期では致命的です。
売買手数料、スプレッド、利益確定時の税金は、すべて複利の成長を直接削ります。
たとえば年1〜2%のコスト差でも、30年続けば最終的な資産額は大きく変わります。
本来、時間を味方につけるはずの長期投資が、売買を重ねることで自ら成長を止めてしまうのです。
② 人は高く買って安く売るようにできている
行動経済学では、人間は感情に大きく左右される存在だと証明されています。
- 上昇局面では「もっと上がる」という期待から買い
- 下落局面では「これ以上下がる」という恐怖から売る
つまり、理論上は避けるべき最悪のタイミングで売買してしまうのが人間です。
売買回数が増えるほど、このミスを繰り返す確率も高まります。
③ 市場のリターンはごく一部の期間に集中している
株式市場の長期リターンは、数十年の中のほんの数日の急騰によって大きく左右されます。
頻繁に売買をすると、その重要な局面で市場から退場してしまうリスクが高まります。
一度でもその数日を逃せば、長期の平均リターンは大きく低下します。
④ 短期売買は最も不利な戦場
短期売買の世界では、プロ投資家、機関投資家、AI、アルゴリズムが相手です。
個人投資家が頻繁に売買するほど、最も勝ちにくい土俵に自ら立つことになります。
売買しすぎた人が陥る3つの地獄
売買回数が多い投資家が直面するのは、少し損をする程度の話ではありません。
時間・お金・精神力のすべてを失っていく、3つの現実的な地獄が待っています。
地獄① 市場平均には勝てないのに常に疲弊する
Aさんはインデックス投資を始めたものの、相場が動くたびに不安になり、一度売って下がったら買い直そうと考え、何度も売買を繰り返しました。
結果、相場全体は年率5〜6%で成長していたにもかかわらず、Aさんの実際のリターンは年率1%未満。
何もしなければ増えていた資産を、自ら削り続けた形です。
地獄② 情報収集が止まらず投資がストレスになる
売買を繰り返す人ほど、常に情報を追い続けます。
- 毎日ニュースをチェック
- SNSやYouTubeを巡回
- 相場が気になって本業に集中できない
投資は本来、人生を豊かにする手段のはずが、精神的な負担を増やす原因に変わってしまいます。
最終的に、疲れたから投資をやめるという結末も珍しくありません。
地獄③ プロの土俵に立ち確実に不利な勝負をする
短期売買の世界は、機関投資家やAIが主戦場です。
個人投資家が頻繁に売買するほど、情報・スピード・資金力で圧倒的に不利な相手と戦うことになります。
個人投資家が勝つ唯一の戦略
数多くの研究や実例が示している結論は、驚くほどシンプルです。
個人投資家が長期で勝ち続ける戦略は、事実上ひとつしかありません。
- ✔ 買う
- ✔ 積み立てる
- ✔ 何もせず長期保有する
これだけです。
相場を予想しない、売買タイミングを当てにいかない。
市場全体の成長を信じ、時間を味方につける。
この戦略こそが、最も再現性が高く、最も失敗しにくい方法です。
なぜこの戦略だけが有効なのか?
第一に、コストを最小化できるからです。
無駄な売買をしないことで、手数料や税金による複利の破壊を防げます。
長期では、この差が資産額に決定的な影響を与えます。
第二に、人間の感情を排除できるからです。
恐怖や欲望に従って売買すると、必ず判断を誤ります。
あらかじめ売らないと決めておくことで、感情が介入する余地をなくせます。
第三に、市場に居続けることができるからです。
市場のリターンは、ごく一部の期間に集中しています。
長期ホールドは、その重要な局面を確実に捉える唯一の方法です。
シンプル=簡単ではない
この戦略は簡単そうに見えて、実行するのは難しい。
なぜなら、何もしないことには強い忍耐が必要だからです。
- 下落しても売らない
- 周囲が儲かっていても焦らない
- 情報に振り回されない
これを続けられる人だけが、長期で資産を築いていきます。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで見てきた通り、投資で成果を分けるのは、知識量でも情報収集力でもありません。
最終的に資産を築けるかどうかを決めるのは我慢する力です。
売買回数が増えるほど平均リターンが下がることは、数多くの研究と実例がすでに証明しています。
それでも多くの人が失敗するのは、何もしないことに耐えられないからです。
相場が下がれば不安になり、上がれば乗り遅れる恐怖を感じる。
この感情に従って売買を繰り返す限り、市場平均にすら届かない結果に終わります。
一方で、長期で成功している投資家がやっていることは驚くほど単純です。
資産形成とは、正しい判断を何度もするゲームではなく、間違った行動をしないゲームです。
だからこそ重要なのは、動かない勇気、待ち続ける覚悟、そして我慢する力。
この力を身につけた人だけが、時間を味方につけ、静かに、しかし確実に資産を増やしていきます。
投資で勝つ最大のコツは、賢くなることではなく、我慢できる人になることなのです。
併せて読みたい:

