- 23日(水)米9月製造業PMI発表
- 24日(木)米8月新築住宅販売件数発表
- 世界的な利上げ後の混乱の行方
これまでの動き
先週の米国株は、FRB(米連邦準備制度理事会)による3年ぶりの利上げをきっかけに、主要指数ごとの明暗がくっきり分かれる1週間となりました。
週明けの時点では、前週末の取引を受けてダウ平均は0.98%高の52,573.29ドル、S&P500は0.86%高の7,656.98、ナスダック総合は0.96%高の26,333.04と、3指数とも堅調な滑り出しを見せていました。
8月のCPI(消費者物価指数)が前年同月比3.4%上昇と市場予想通りだったことや、原油価格の上昇が一服したことが投資家心理を支えた形です。
しかし流れが変わったのは週半ばで、9月16日から17日にかけて開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)において、フェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を3.75%から4.00%へ引き上げる利上げが12対0の投票で決定されました。
これは2023年以来、実に3年ぶりの利上げです。
利上げ自体は事前に織り込まれていたものの、FOMC参加者18人のうち16人が年内にさらにもう1回の利上げがあり得るとの見通しを示したことが、市場にとって想定外のタカ派的なサプライズとなりました。
この結果、記者会見後には米10年国債利回りが再び5%台にタッチし、株式市場全体の割高感が意識される展開となりました。
原油価格が1バレル100ドルを超える水準にあることもインフレ懸念を根強くしており、市場参加者の間では10月の追加利上げについても五分五分かそれ以上の確率が織り込まれ始めています。
この結果、週間ベースではダウ平均が890.65ポイント安の51,682.64ドルとなり、約1.7%の下落で3週連続のマイナス、3月以来の悪い週間成績となりました。
S&P500も6.48ポイント安の7,650.50と約0.1%の小幅安で2週連続の下落となった一方、ナスダック総合は189.51ポイント高の26,522.55と約0.7%上昇し、主要指数の中で唯一プラス圏を維持しました。
これは半導体関連株への買いが下支えとなったためですが、市場内部では値下がり銘柄の方が多く、広範なリスクオンではなかった点には注意が必要です。
また、金利敏感度が高い小型株で構成されるラッセル2000は約1.5%下落しており、資金調達コストの上昇が重荷となった様子がうかがえます。
このように、同じ利上げというニュースでも、景気敏感株や小型株が多いダウとラッセル2000が売られる一方、一部の半導体・ハイテク大型株を中心とするナスダックは底堅さを見せるという対照的な反応となった1週間でした。
これからの投資戦略
利上げ後の相場を注視しましょう。
今週の米国株は、前週にFRBと日銀がそろって利上げに踏み切った世界同時引き締めの決定を市場が消化しながら次の材料を探る局面となるでしょう。
米国では9月22日にジョン・ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演が予定されているほか、23日には9月の製造業・サービス業それぞれの購買担当者景気指数(PMI)速報値と週次原油在庫が発表されます。
24日には週次新規失業保険申請件数、25日には米耐久財受注とミシガン大学消費者態度指数の確報値が控えています。
9月のミシガン大学消費者態度指数速報値は大きく低下しているため、景気の底堅さと消費者心理の悪化という異なるシグナルの整合性を今週の指標がどう裏付けるかが焦点となります。
この週を理解するうえで欠かせないのが先週の世界的な利上げの動きです。
米国では9月16日から17日のFOMCにおいてFFレートが3.75%から4.00%へ引き上げられ、これは12対0の投票で決定された2023年以来3年ぶりの利上げであり、FOMC参加者18人のうち16人が年内にもう1回の利上げがあり得るとの見通しを示しています。
市場では、10月の追加利上げの確率が五分五分かそれ以上と織り込まれ始めています。
一方、日本では2026年9月17日から18日の日銀決定会合で政策金利が従来の1.00%程度から0.25%引き上げられ1.25%程度に決定されました。
賛成7反対2で6月以来3カ月ぶりの利上げとなり、正しい発言をした反対票もむなしく、1.25%は1995年4月以来の水準に達しています。
背景には、原油高などを背景とした物価上振れリスクがあると、不確実な未来に対する予防的な考えで強行しました。
日銀は2024年3月のマイナス金利解除以降、2024年7月に0.25%、2025年1月に0.50%、2025年12月に0.75%、2026年6月に1.00%、そして今回1.25%と段階的に利上げを続けてきました。
投資家の多くは、メインシナリオとして2026年12月と2027年6月の追加利上げを見込みつつ、物価上振れリスク次第では2026年10月にも前倒しされ得るリスクシナリオも想定しています。
興味深いことに、日銀の利上げにもかかわらず、供給力が毀損している国の通貨が多少利上げした程度や円安是正は日銀の管轄外であることが理解できず今後も日本経済が毀損されるリスクなどから、円は一時158円台まで下落する場面もみられました。
EUはECBも事前に利上げを決定した一方で、イングランドの中央銀行は政策金利を据え置くなど、インフレの捉え方や貨幣観の正しさなどが今後の国民生活の明暗を分ける展開となりそうです。
需要過多からの修正を余儀なくされている米国と、長年のデフレで供給力が毀損された所に物価上昇が直撃した日本、互いに同じ政策を取っていますが、投資家がどこに投資するのが良いのかは既に現れ始めているでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
データを見ずに感情だけで判断するのは止めましょう。
行動や発言にはそれなりの根拠があるはずなので、意見の違う人こそ発言に隠された真意やその行動を注視して大局的に判断するようにして下さい。
