- 政策金利は据え置き
- 政策金利の引き上げに関するバイアスは消えた
- 3月の利下げはほぼない
パウエル議長会見と株価の動向
2024年1月31日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が終了し、その後にパウエル議長が会見を開きその内容が明らかになりました。
政策金利は多くの投資家の予想通り、現状の5.25%~5.50%を維持する事が告げられました。
加えて、更なる引き締めに関してのバイアスがなくなったと、利上げに関する声明が書き換えられるなどの修正が行われました。
しかし、これらをかき消すような発言はその後に行われました。
多くの投資家が期待していた3月の利下げは反対であると強く主張したのです。
これはFRB(米連邦準備制度理事会)メンバーも同様の見解を示しており、これは当分の間利下げはないのではと投資家の間で失望され株価は大きく下落しました。
確かに、直近の経済指標は米国経済が力強い事を示している結果が相次いでおり、早期利下げ論は投資家が過度に楽観視した事の表れでしょう。
これは以前から言われていた事であるため特に驚きはしません。
FRBは、去年から2024年は3回の利下げを想定しているとのメッセージを発していたにも関わらず、多くの投資家は逆イールドが続いている事などを理由に米国経済がクラッシュするとタカを括っていたに違いありません。
債券利回りの逆イールド現象は、一般的には景気後退の先行指標として知られています。
長期金利は政策金利+期待インフレ率+GDP成長率でおおよその数値を図れるため、それが政策金利を目安とする短期金利より低いとなれば、経済の成長性が失われる=景気悪化と考えても不思議ではありません。
加えて、逆イールドの発生から実際の景気後退は、約1~2年程度の間をあけてその現象が見られてきたことから、そろそろリセッションが来ても可笑しくないと過度に恐怖を煽る情報が絶えませんでした。
その結果、早期利下げの期待が高まり、それを先回りした投資家が火傷をしているという訳です。
ただし、昨今はインフレの沈静化が順調に来ていたこと、AIによる労働環境の変化が起きていたことなど、今までにないポジティブ要因もあることからソフトランディングの可能性がずっと言われていました。
パウエル議長もそれを理解しており、記者の鋭い質問に対してAIによる生産性向上に言及していました。
一方で、労働市場が予想以上に弱まれば利下げの前倒しも選択肢として残しており、利下げがないからと言って過度に失望する必要はありません。
これからも雇用統計を含めた重要指標を一つ一つ確認しながら米国経済の現状を確認しましょう。
これからの投資戦略
特に慌てる必要はありません。
利下げ無しのニュースで主要指数を含めて一気に下落したものの、それは楽観視した投資家の失望であり、米国経済とは何ら関係がありません。
一方で、AIの生産性向上を認めていると言う事は、AIに先行投資しマネタイズを確立した企業にとっては更なる成長のチャンスと言えます。
その代表となるのがマグニフィセントセブン(アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット・メタ・エヌビディア・テスラ)の巨大テック企業です。
これらの企業は米国主要指数の多くを占めていますので、新NISAから投資を始めた投資初心者の中には選んだ投資信託のファンド内に含まれているでしょう。
従って、直近の値動きに一喜一憂せずコツコツを継続する事が一番です。
あなたの投資目的が長期投資なのだとしたら、直近の出来事など重要性は低いと考えましょう。
これから何十年と投資の世界に居続ける訳ですから、何度となく下落局面は来るでしょう。
もしかしたら、またコロナ禍の様な暴落相場が来るかもしれません。
その時も慌てずコツコツ積立を続けましょう。
上昇時には気分良く積み立て、下落時には安値で買えるチャンスと考えるマインドが必要です。
ただし、金融機関の窓口にいる様な経済・投資の素人販売員に騙されない様に気を付けましょう。
いくらコツコツ継続しようにも、そもそもファンド選びで失敗していたら増えるものも増えません。
あなた自身がホームワークを続けて判断すべきなのです。
まとめ
いかがでしたか?
今年は日・米共に中央銀行の動きが騒がしい年になるでしょう。
一方は正しく、一方は間違っている。
あなたの資産を増やすにはどこに投資すればよいのかしっかり考えましょう。