行動ファイナンスを理解しよう
余計な損失を抱える人の共通点
当初決めた合理的戦略から外れた行動を取るからです
合理的戦略?
投資を始めたあなたが、日々の損益に対し様々な感情を持っているかと思います。
成功者の意見を参考にするあなたや、独自の考えに基づき投資行動を続けているあなたが、なぜ突然大損を抱える事になってしまうのでしょうか。
もちろん、市場の急激な変化(新型コロナ等)によって全ての金融商品の動きが総悲観になって一時的な暴落になる事を除けば、恐らく似たようなパターンによって損失が拡大している事と思います。
一方、成功者の言葉を調べたあなたなら分かると思いますが、成功した理由について、『運が良かった』とか『たまたま』等、これと言った理由がある言葉は中々出てきません。
これは当然の事で、むしろこれが成功の理由だとはっきりとした理由を言っている方が不自然と捉えるべきです。
なぜなら、その時点ではその方法に優位性があったかもしれませんが、その成功からいくらか時間が経っていてその優位性が今なお保たれている可能性は考えにくいからです。
さらに言えば、その言葉を鵜呑みにして行動するあなたに多額の金額を要求する、或いはそれによって被る損失に対し責任は一切取らないなど、ただの自慢に唸り下がった情報で価値としては全くありません。
つまり、何が理由で成功したかの明確には存在せず、優位性を含めた成功する可能性が高い戦略を取って、その高い確率論を頑なに守り続けた結果だと思います。
これは合理的には正しいと感じていても、感情がそれを歪めてしまう結果であり、その事実にいつ気付くかであなたの最終的にな損益が変わってくると思います。
ですので、これから先も投資を続けていくあなたに必要なのは、感情をコントロールするために理解しておかなければならない一つが、行動ファイナンスです。
それを今回学んでいきましょう。
行動ファイナンスとは
なぜ非合理的な行動をするのかを知る事です
感情的になるって事?
新型コロナに起因した今回の暴落に対し、あなたはどういった行動を取ったでしょうか?
2020年の年明けから暫く順調に上昇していた株価も、新型コロナを発端に暴落しました。
恐らくあなたもこの暴落に対し、恐怖に駆られて保有していた金融資産の多くを手放してしまったかもしれません。
当初は、長期間保有する事を目標にコツコツを買い続けてきた、或いは一度に資金を投入し保有していたのであれば、特に纏まった資金が必要になったのでなければあなたは引き続き保有していた事でしょう。
ですが、この様な事が起きてしまえば、これ以上の損失には耐えられない、とにかく逃げてしまいとばかりに狼狽売りによって多額の損失を確定してしまったかもしれません。
今にして思えば、あの時売ってしまった事は間違いですが、その当時に言われたとしても恐らく結果は変わっていなかったでしょう。
なぜなら、感情によって非合理的な考えに支配されてしまっていたからです。
利益の追求のため、あなたは常に合理的に行動するという考えを前提に投資を始めたにも関わらず、日々の値動きによって心理面などの動きが変わってきます。
行動ファイナンスとは、投資行動を行うにあたってどの様に意思決定し行動するのか、なぜ時として非合理的な行動をするのかに基づく投資理論です。
具体的には、あなたが損得を判断する場合、買付時点よりもある地点からの変化の大きさによって価値を決める参照点依存性があります。
さらに、利益を得るよりも損失による苦痛のほうが大きく感じる損失回避性は、とにかくマイナスになる事が我慢ならない、たとえ他がプラスになっていたとしても、マイナスがある事が許せないとするものです。
他には、損得の絶対値が大きくなるほどその感覚が鈍ってくる感応度逓減性というものもあり、運用する金額が大きくなると、当初の損益の基準が曖昧になる等様々な特徴を持つ事を解説したプロスペクト理論です。
プロスペクト理論とは
損失に対する評価が過剰になり、リスク志向に流れます
損を取り返そうと熱くなるって事かな?
人は常に合理的な意思決定をすることが前提であることは間違いであり、実際にあなたの行動パターンを説明出来ない感情的な行動によって、理論と現実の間に乖離が生じていました。
つまり、人は利益に対する評価が低く、損失に対する評価が高くなり、その損失を受け入れる事が出来ずにまた新たな損失を生み出してしまうのです。
そうなると当初決めていた戦略や確率等、正しい認識によって投資を続ける事が不可能になります。
従って、狼狽売りや意味のない底値買いを繰り返し、余計な損失を抱えるのです。
それだけならまだしも、価値関数が示す通り、損失を抱え始めるとその後の投資がリスクを冒してでも利益を目指す心理に傾きやすいのです。
それによってさらに損失を抱え、いずれ投資の世界から退場してしまうのです。
これを防ぐためには、人はこういった感情で動いてしまうものだと理解する事です。
プラスであれマイナスであれ、あなたにとって最終的にどうありたいかと言う当初に決めた目的を忘れない事です。
余計な感情に惑わされない様にしよう!
まとめ
いかがでしたか?
成功事例より、むしろ失敗事例に学ぶ方があなたにとってプラスになると思います。
成功はいくらでも語りたいですし、失敗は恥ずかしくてとても話せないものです。
ですが、あなたにとって必要な事でありますし、失敗は恥かしい事など全くありません。
常に成功している人など存在しまいのです。
ですので、結果ばかりを追い求めるのではなく、そこまでの過程について分析し、ホームワークを続けていってください。
これからも、一緒に考えていきましょう