- 28日(水)~米10月FOMC
- 29日(木)ECB政策金利発表
- マグニフィセントセブン銘柄決算発表
これまでの動き
先週の米国株は、AI関連の資金調達への不安と長期金利5%前後という高い水準に揺さぶられ、S&P500が0.5%安の7,623.68、ナスダック総合が0.7%安の25,955.34と下落する一方、ダウ平均は0.4%高の52,215.16で3週連続の上昇となるまだら模様の一週間でした。
流れを日別に見ると、前の週にナスダックが約4.5%も下げた反動で、月曜はAI関連株が戻し、S&P500は0.4%高の7,690.73、ナスダックは1.1%高の26,430.89となりました。
週初からの上昇率はそれぞれ1.3%と2.2%に達しました。
ところが木曜に風向きが変わります。
AI投資を支える資金調達コストへの懸念が再燃し、ナスダックは6月以来で最大の1日の下げを記録しました。
金曜は半導体株が落ち着いた一方で、原油高の影響を受けやすい消費関連株が売られ、S&P500構成銘柄の約4分の3が下落したと報じられています。
小型株のラッセル2000は週間で約2%上昇しており、大型ハイテクから資金が動く場面もあったようです。
長期金利の動きも見逃せません。
米財務省の統計で10年債利回りは月曜の5.15%から水曜の5.13%、木曜の4.96%と下がり、金曜は5.00%で終わりました。
木曜の低下は、AI不安から投資家が国債に逃げた動きと説明されており、数週間前には5.36%と2002年以来の高水準も付けています。
一般に、長期金利が高いと将来の利益で評価される成長株ほど割安感が薄れるといわれ、今回の下落もその文脈で理解できます。
さらに金曜はWTI原油が1バレル100ドルを超え、米国とイランの対立が激しくなるとの警戒が広がりました。
原油が高止まりすれば物価が下がりにくくなり、利下げ期待が後退して長期金利の上昇要因になる、というのが基本的な見方です。
興味深いのは、AI関連を除いたS&P500が10月に約6.6%上昇している点で、市場全体が弱いのではなく、AIの資金調達不安が指数を押し下げている構図が見えてきます。
確認したいのは、各社の設備投資額とAI関連売上の伸び、FOMC後の長期金利が5%の上か下か、原油が100ドル近辺で落ち着くかの三点で、決算と政策会合が重なる週は値動きが大きくなりやすいというのは私の推測です。
買いを検討している方は、一括ではなく分割で入る方法や、保有銘柄がAI関連に偏っていないかの確認が判断材料になります。
これからの投資戦略
今週の米国株は、水曜と木曜にFOMC、GDP、PCE、大手テック決算が集中する山場の週で、S&P500企業の約3分の1が決算を発表します。
特に、Alphabet・Microsoft・Amazonが主役となるなか、FOMCの結果は28日の米東部時間午後2時に発表されます。
ウォーシュ議長の会見はその30分後で、今回は新しい金利見通しが出ないものの、MicrosoftとAlphabetはその数時間後の引け後に決算を出すため、市場の関心は結局長期金利5%の水準でAIの巨額投資を誰がどのコストで賄い続けられるかという一点に収れんしています。
米10年債利回りは財務省統計で19日の5.15%から21日の5.13%、22日の4.96%と下がり、23日に5.00%で終えました。
この低下はAI不安から国債へ資金が逃げた動きと説明され、数週間前には5.36%と2002年以来の高水準を付けていたのだから、景気減速ではなく逃避の結果である点には注意が必要です。
そのAI不安の震源であるCoreWeaveについては、債務と債務類似の義務が510億ドル超に膨らんでいます。
2031年満期の9.75%債の利回りは15.78%、5年物CDSスプレッドは一時1,140bpを超えたうえ、FactSetのデータでは21日時点で1,065.84bpだったとされます。
10月6日の368bpから2週間余りで3倍近くに拡大したことに加え、株価は10月に36%下げて時価総額は約310億ドルとなりました。
2030年までに約207億ドルの債務の期限が来るため、スプレッドを回収率40%の仮定で換算すると5年累計で60〜63%のデフォルト確率に相当するとも言われます。
これは市場の織り込み値にすぎず、実際の倒産予測ではありません。
受注残が1,000億ドルを超えてその約3分の2がMicrosoftやMetaなど投資適格の相手先であるという支えもあります。
波及の面では、Oracleが343bp、Nvidiaが126bp、Metaが124bpといずれも過去最大のスプレッドを付け、S&Pが7月にOracleを投資適格の最低ランクへ引き下げたことから、投機的格付けに落ちた場合の売り圧力が警告されています。
一方で、ハイイールド市場は中間選挙まで事実上止まっているとされますが、AIの資金調達が全面的に行き詰まって連鎖倒産に至るという材料は現時点で確認できません。
ストレスはCoreWeaveのような高レバレッジ企業に集中しており、FRBについては、9月16日に政策金利を0.25ポイント引き上げて3.75〜4.00%としたうえ、その後の議事要旨は年内にもう一度の利上げを見込んでいます。
投資家の間でも、10月は据え置く確率が9割に達しており、次回の12月利上げが7割超と追加利上げの可能性が高まると指摘していることから、利上げの有無そのものより会見での12月に向けた言葉が長期金利を動かすと考えられています。
さらに木曜の7〜9月期GDPは前期比年率3.0%、9月のコアPCEは前年比3.1%が予想されているため、これらが上振れれば長期金利が5%を再び上回ってAI企業の調達コストとCDSをさらに押し上げる可能性が高いです。
一方、議長が穏当な発言をしてMicrosoftやAlphabetが投資を維持しつつ収益化の手応えを示せば不安が和らぐ可能性もあります。
私の整理としては、10年債が一部の分析の重視する5.33%を超えるか、CoreWeaveのCDSが1,000bpを下回るか、まずはデータをしっかり確認したいと考えています。
まとめ
いかがでしたか?
力強い成長と株価を牽引してきたAI関連銘柄ですが、金利上昇によってどの企業も資金調達に苦慮しています。
このまま金利が高止まり、或いは更なる上昇となればいよいよAIバブル崩壊も見えてきます。
借り入れコストは成長企業によっての生命線ですので、長期金利の動向を第一に注視しましょう。
