「老後2,000万円」
このニュースを見た夜、スマホの貯金額をそっと開いて静かに閉じた。
そんな経験はありませんか?
やらなきゃとは思っている。
でも、何から手をつければいいのかわからない。
投資は怖いし、損をするのも嫌。
結局、今日も何もしないまま一日が終わってしまう。
もしそうなら、あなたが悪いわけではありません。
老後の不安が大きくなる原因は、お金が足りないことより、ゴールの金額が大きすぎて自分ごととして見えないことにあるからです。
2,000万円という数字は、現実味がなさすぎます。
貯められる気がしないから、考えるのをやめてしまう。
考えないから、不安だけが残る。
この悪循環を、多くの人が抱えています。
そこで、発想を変えてみませんか?
老後資金を総額ではなく、毎月いくら使えるかで考えるのです。
毎月の金額に直すと、不安はぐっと小さくなります。
1万円なのか、3万円なのか。
その数字なら、家計の中で判断できるはずです。
この記事では、次の4つをお伝えします。
- 毎月の積立額で、将来の資産がどう変わるかの目安
- 家計から無理なく投資に回せる額を出す3ステップ
- 新NISAとiDeCo、どちらをどう使えばいいか
- 投資で失敗しないために、最初に知っておきたい注意点
読み終えるころには、自分は毎月いくらから始めればいいのかが見えているはずです。
老後の投資は毎月の積立額から決める
老後資産形成は、毎月の家計に無理なく回せる額を先に決め、その額で投資を続けるのが基本です。
- 手取りの5〜10%程度から始める(目安であり、家計によって異なります)
- 生活防衛資金(生活費の半年〜1年分が一般的な目安)を先に確保する
- 税制優遇のある制度(新NISA・iDeCo)を優先して使う
- 金額は、収入や支出の変化に合わせて見直す
いくら必要かではなく毎月いくら使えるかから逆算する。
これが続けやすい老後資産形成の考え方です。
老後の不足額は毎月の数万円で捉えられる
2019年の金融庁の報告書では、高齢夫婦無職世帯の平均的な家計で、毎月の不足額は約5万円とされ、20〜30年生きた場合の総額は単純計算で1,300万〜2,000万円になると説明されています。
いわゆる老後2,000万円問題の出どころです。
総務省の家計調査(2018年)でも、高齢夫婦無職世帯の月間収支は約4万円強の不足でした。
ただし、不足額は調査年や世帯の条件で変わり、平均値がそのまま自分の家計に当てはまるわけではありません。
ご自身の年金見込額と生活費で考えることが大切です。
2,000万円と聞くと、多くの人は無理だと感じて何もしなくなります。
一方で、不足額が月5万円なら、現役時代の積立でどこまで備えられるかを考えられます。
預貯金だけで備えると、積んだ分しか増えません。
投資は価格が上下するリスクがある一方で、長期の積立なら運用益が運用益を生む複利の効果を期待できます。
ただし、元本が保証されているわけではない点は必ず理解しておきましょう。
毎月の積立額で将来の資産はどう変わる?
仮に、毎月一定額を25年間積み立て、年率3%で運用できたとします。
この数字は計算上の仮定であり、将来の成果を保証するものではありません。
| 毎月の積立額 | 元本(25年) | 運用資産の目安(年3%) |
|---|---|---|
| 1万円 | 300万円 | 約446万円 |
| 2万円 | 600万円 | 約892万円 |
| 3万円 | 900万円 | 約1,338万円 |
| 5万円 | 1,500万円 | 約2,230万円 |
毎月5万円を25年続ければ、前提どおりなら2,000万円台が視野に入ります。
一方、毎月1万円でも、続ければ元本を上回る可能性があります。
ポイントは、金額の大小より長く続けることです。
毎月の投資額を決める3ステップ
ステップ1:家計を確認して使える額を出す
まず、毎月の手取り、固定費、変動費を書き出します。
そこから生活費と貯蓄を引いて、余裕のある範囲を把握します。
投資に回すお金は、数年使う予定のない余裕資金にするのが原則です。
教育費や住宅購入など、近い将来に使う予定のお金は、預貯金で確保しておきましょう。
ステップ2:生活防衛資金を先に確保する
急な病気や失業で、投資を途中で売却せざるを得ないのは避けたい事態です。
一般的には、生活費の半年〜1年分を、すぐ引き出せる預貯金で用意しておくことが目安とされています。
ステップ3:無理のない金額から始めて増やしていく
最初から大きな金額にする必要はありません。
たとえば、毎月1万円から始め、収入が増えたら少しずつ上げていく方法もあります。
続けられる金額が、あなたにとっての正解です。
老後の投資に使える制度
新NISA(少額投資非課税制度)
2024年にスタートした新NISAは、運用で得た利益に税金がかからない制度です。
一般的に知られている枠は次のとおりです。
制度は改正される場合があるため、始める前に金融庁や証券会社の公式情報で最新の内容を確認してください。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、自分で掛金を出して運用し、原則60歳以降に受け取る私的年金制度です。
掛金が所得控除の対象になる点が特徴ですが、原則として途中で引き出せません。
どちらが良いかは、家計の状況や働き方で変わります。
迷う場合は、まず引き出しの自由度が高い新NISAから検討する人が多いようです。
老後の投資で失敗しないための注意点
- 短期で儲けようとしない:老後資金の運用は、長期・積立・分散が基本とされています
- 相場の下落で慌てて売らない:下落局面でも積立を続けられるかが、成果を左右する場合があります
- 商品を理解してから買う:仕組みがわからない商品には手を出さないのが安全です
- 手数料を確認する:信託報酬などのコストは、長期で運用成果に影響します
投資にはリスクがあり、元本割れの可能性もあります。
最終的な判断はご自身で行い、不安があればファイナンシャルプランナーなどの専門家への有料相談もご検討ください。
まとめ
いかがでしたか?
この記事のポイントを整理します。
- 老後資産形成は総額でなく毎月の積立額から考える
- 不足額の目安は、金融庁の報告書で月5万円程度(平均値であり、個人差が大きい)
- 毎月1〜5万円の積立でも、長期なら資産の差は大きく変わる可能性がある
- 生活防衛資金を確保したうえで、新NISAやiDeCoを活用する
- 投資にはリスクがあるため、無理のない範囲で続けることが大切
今日できる1つの行動は、毎月の手取りから無理なく回せる金額を決めることです。
1,000円でも5,000円でも構いません。
金額が決まれば、投資の第一歩はもう始まっています。
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